ポレンタ・タラーニャ

イタリアの冬の定番、ポレンタ。 ポレンタとは北イタリアのアルプス地域や山岳地帯でよく食べられる、トウモロコシ粉から作るおかゆのような料理です。 そしてポレンタの中でもロンバルディア州のバルテッリーナ地域特有のものがこのポレンタ・タラーニャ (polenta taragna)。トウモロコシ粉にそば粉が入っているので一般的な黄色いポレンタに比べて少し茶色がかっているのが特徴のポレンタです。 ちなみにタラーニャ(タランニャ)とはこのバルテッリーナ地域の方言で“混ぜる”と言う意味。 その名の通りこのポレンタ作りはちょっと大変で、40分ほどずーっとかき混ぜる必要があるんです。 そしてこのポレンタ・タラーニャに加えられる定番が同じくバルテッリーナ地域のチーズ、カゼーラ(casera)。アルプスのチーズ特融の味わいのハードタイプのチーズで下の写真のようにポレンタの中で溶けてよく伸びるのが特徴です。 このポレンタ・タラーニャ、他のポレンタ同様に割と淡泊な味。 けれど山岳地帯の料理特融の、素朴な味わいが癖になる。 …

白菜とベーコンのキッシュ

鍋料理に欠かせない野菜、白菜。 今日はこの白菜を使ってちょっといつもとは違う一皿に仕上げよう。   作るのはキッシュ。 市販のパイシートを使い、ベーコンと白菜を炒めて卵液と混ぜ合わせて焼くだけなのでとっても簡単。 今回は手元にあったパルミジャーノを使ったけれど加えるチーズは何でもいい。 普通のスライスチーズをちぎって入れてもいいし、ピザ用チーズでも美味しく出来る。 ただし、ベーコンとチーズから塩分が出るので塩は加えないように。   あとはオーブンが仕事をしてくれるのでのんびりと待てばいい。 …

チコリの香草パン粉焼き

チコリ(アンディーブ)の香草パン粉焼き

日本でも人気が出てきた西洋野菜のチコリ(アンディーブ)。もちろんイタリアでもお馴染みの野菜です。 今日の前菜はこのチコリを使った定番料理、グラティナータ(gratinata)。 グラティナータとは、表面は香ばしく、その下は柔らかく仕上げる調理法のことで無理やり和訳するとグラタン。ただ、日本語でイメージするグラタンよりももっとバラエティーの幅が広いんです。この香草パン粉焼きもグラティナータと呼ばれるうちの一つ。 さて、今日の一品、写真を見てすでにレシピが分かりそうなほど簡単! チコリにパルミジャーノ・レッジャーノ、オレガノ、パン粉をまぶしてオーブンで焼くだけ。 チコリは生で食べても美味しいけれどこうしてグラティナータにするともっと美味しいんですよ。 オレガノの香りもチコリと相性抜群。 キリッと冷えたプロセッコや白ワインとももちろん高相性。 サラダやチコリボート以外のレシピをお探しならこんなグラティナータはいかがでしょうか? チコリ(アンディーブ)の香草パン粉焼きの作り方 …

カスタニャッチョ / CASTAGNACCIO

カスタニャッチョ(栗粉のお菓子)

栗粉を使ったイタリアのお菓子で代表的なのがこのカスタニャッチョ。 カスタニャッチョとは一体どんなお菓子なの? どうやって作るの? 次から解説していきますね! カスタニャッチョとは? イタリアの秋のお菓子、カスタニャッチョ。 カスタニャッチョ(castagnaccio)とは栗粉を水で溶いて焼いたお菓子のことでイタリアのアペニン山脈地域、特にトスカーナでよく見られるお菓子です。 いろいろなバリエーションが存在するけれど、共通するのはこの栗粉に木の実やドライフルーツを加えたもの。 焼き菓子だけれど泡立ても、捏ねる作業もないのでとても簡単に出来てしまうのもうれしいですね。 そして栗粉自体に甘味があるので砂糖を加える必要もないんです。   …

バッカラ baccalà

バッカラとストッカフィッソ

美味しいもの好きの人なら聞いたことがある食材ではないでしょうか?  バッカラ、ストッカフィッソとは一体どんなもの? どうやって食べるの? 次から解説していきますね! バッカラ/バカリャウとは? バッカラ(baccalà)とは塩漬けにして長期保存できるようにした鱈のことでイタリア料理によく使われるとても一般的な食材。イタリア以外でもスペインではバカラオ(bacalao)、ポルトガルではバカリャウ ( bacalhau )と呼ばれ、特にカトリックの国でよく食されています。 このバッカラ大きくわけて2種類あり、一つは内臓を取り除いた後に3週間ほど塩漬けにしたもの。もう一方は塩漬けにした後に2-7日ほど乾燥させたもで後者の方がより旨味、味が凝縮されています。 このバッカラもともとは1500年代、大航海時代に安価で保存がきく食材だったためポルトガル、スペインとともにイタリアでも広まったと言われています。 …

チーマ・ディ・ラーパとカブのトマト煮込み

イタリアの代表的な冬野菜の一つ、チーマ・ディ・ラーパ。 このチーマ・ディ・ラーパとカブのトマト煮は我が家の冬の定番。 チーマ・ディ・ラーパ、カブ、トマト、と材料3つのとってもシンプルな煮込みなのに旨味たっぷりのとても美味しい一品なんですよ。 さて、チーマ・ディ・ラーパとはカブの葉の花のこと。なのでカブと合うのは当然と言えば当然。 しかし使うのは日本の白いカブではなく写真にあるイタリアの紫のカブ。ミラノカブとも呼ばれます。少し酸味があり、通常のカブより強い香りも特徴。そしてこのチーマ・ディ・ラーパと似た香りがするんです。 無ければもちろん通常のカブでも大丈夫。 この料理のポイントとしてはチーマ・ディ・ラーパの茎の太い部分は筋っぽく固いので柔らかい先端から中央くらいまでの部分を使うこと。深緑色になるまでしっかりと煮込むと柔らかく、甘味と旨味が出て美味しくなります。 いっぱい作って残った分は翌日に茹でたお米を加えてリゾットにしても美味しいですよ。 我が家ではこのチーマ・ディ・ラーパのトマト煮を作った翌日はお米をパスタのようにたっぷりのお湯で茹でて湯をよく切った後、このこのトマト煮と混ぜてリゾットにするのが定番。こうすると野菜のエキスが詰まった美味しいスープを余すことなく頂けるのでお勧めです。 そうそう、リゾットにしたら上からオリーブオイルを少したらすとさらに美味しくなるのでぜひお試しあれ! …

ポルチーニと栗とボラージネのスープ / Zuppa di porcini, castagne e borrajine

栗とポルチーニ茸のスープ

秋の味覚の代表、栗とキノコ。 日本でも炊きこみご飯でこの二つの材料を合わせることがあるように、イタリアでもこの二つは相性がよい組み合わせ。 そして今日の一皿は、きのこの王様である ポルチーニ茸 を使ってちょっと贅沢に。ポルチーニは “キノコの王様” と呼ばれるようにその抜群の香りと食感が虜になるキノコです。この乾燥ポルチーニの戻し水は旨味と香りが詰まっているので濾してスープに加えること。 乾燥ポルチーニはオンラインが手に入りやすいですよ。 ※アマゾンで買えるポルチーニならこの辺りがいいんじゃないかな。と思うのを選んでみました。 また、こういったスープに麦類を入れて“食べるスープ”にするのはイタリアではよく見られる方法なんです。今回はオルゾ(大麦)を使用したけれどほかの麦類でも美味しく出来ます。 …

TIMBALLO DI FINOCCHI フィノッキオ(フェンネル)のグラタン

フィノッキオとハムのグラタン

セロリやアニスのような爽やかな香りが美味しいイタリア野菜、フィノッキオ(フェンネル)。 このフィノッキオを使った我が家の定番料理がこのグラタン。 これはイタリアのマンマから教えてもらったレシピで主な材料はフィノッキオ、ジャガイモ、チーズ、ハムの4つだけ。グラタンと言ってもベシャメルソース無しで作るとてもシンプルな一品です。 このグラタン、作り方はとても簡単なのだけれど ちょっとだけコツを書くとしたらフィノッキオの切り方。縦半分に切り、繊維の方向と垂直に薄くスライスすると筋っぽくならず美味しく出来ます。そしてフィノッキオを柔らかくなるまで茹でてからオーブンで焼くのがグラタンをしっとりと柔らかく仕上げるポイント。 このグラタンに私がいつも使うのは、スカモルツァというイタリアのチーズ。 別名モッツアレラ・パッシータ(水分の抜けたモッツアレラ)と言われるようにモッツアレラと同じように手でちぎると繊維が裂けるチーズです。味も癖が無く、イタリアではとてもポピュラーなチーズの一つでいろいろな料理に使われます。無ければ普通のモッツアレラやスライスチーズ、その他のチーズで代用してもOK。そしてたっぷりとパルミジャーノをすりおろして加えることで、表面が香ばしく焼きあがります。 そしてもう一つの材料がプロシュット(ハム)。 イタリアはプロシュット・クルードと言われる生ハムがよく知られるけれど、プロシュット・コット(加熱処理されたハム)の種類も豊富にあるんですよ。 もちろん日本で手に入る他のハム、普通のハムでも美味しく出来るので大丈夫。 まだ日本ではあまり馴染みのない野菜、フィノッキオ。 …

ラディッキオ(トレビス)と洋梨のサラダ / insalata di radicchio e pere

ラディッキオと洋ナシのサラダ

鮮やかな色が美しいイタリア野菜、ラディッキオ。 今日の一皿はこのラディッキオを使ったとっても美味しいサラダ。 この少し苦みのある野菜には甘味のあるものを合わせるとその美味しさが引き立ちます。イタリアでよく見る組み合わせがラディッキオと洋ナシ。洋ナシのあの甘味と香りがラディッキオと抜群に合うんですよ。 今回使ったのはイタリアの梨、ペーラ・コッシャ(pera coscia)。下の写真を見てわかるように小ぶりで皮が薄く、皮ごと食べられるタイプ。もちろん他の洋ナシを使っても大丈夫。 そこへ季節のフルーツ、ザクロも加えるとますます美味! 塩味のアクセントにはパルミジャーノを使用。またはゴルゴンゾーラを合わせても美味しいです。ゴルゴンゾーラを使う場合はクリーミーなタイプよりも少し熟成されたピッカンテ(塩味の効いた)なタイプの方がおすすめ。 そして仕上げにはオリーブオイルとバルサミコソースをたらすだけ。 塩は加えなくても十分美味しい。 今回はちょうど手元にあったのでくるみも加えてみるとますます …

クスクスとサヤインゲン、ビエトラ

クスクスと平サヤインゲンのトマト煮

クスクスとはデュラム小麦から作られたそぼろ状のパスタ。 ただパスタと言っても一般的なパスタのように茹でるのではなく、熱湯でふやかして食べるアフリカや南イタリアのシチリアの料理。 このクスクス、イタリアでは結構メジャーでどこのスーパーでも簡単に手に入り、肉や野菜、ドライフルーツと合わせて食べるのが一般的な食べ方。 今日合わせるのはイタリア語でピアットーニ(piattoni)と呼ばれる平サヤインゲンとビエトラ(スイスチャード、フダンソウ)で作るトマトソースのミネストラ。 使う野菜はもちろん他の手元にある野菜でも大丈夫。 このクスクスと野菜のミネストラ、とっても簡単に出来るし冷蔵庫の残り物野菜を使えば特別な材料は要らないので我が家ではトレッキングやピクニックへ行くときのお弁当の定番メニュー。 ちょっとアフリカな雰囲気のこの料理、見た目よりも簡単なのでクスクスを見つけたら一度挑戦してみてはいかがでしょうか? クスクスと平サヤインゲンのトマト煮の作り方・レシピ 材料(2人分) 作り方 …

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