西洋料理でよく見るアーティチョーク。
日本ではまだまだ馴染みのない野菜ですが、アーティチョークの本場イタリアでは一体どんな食べ方をしているのか?
次から詳しく解説していきます。
食べ方さえわかればとっても美味しいアーティチョーク、ぜひチャレンジしてみて下さいね!
アーティチョーク/カルチョーフィとは? - 味・旬・栄養素・品種 –
アーティチョークとはキク科チョウセンアザミ属の多年草。イタリアではカルチョーフィ(carciofi)と呼ばれ、秋と春になるとスーパーやメルカート(市場)でどこでも手に入るとてもポピュラーな野菜です。
食べるのは花が咲く前の蕾(つぼみ)の部分と茎の部分。一般的には加熱して食べますが、新鮮なものなら生でサラダにするのも美味しいんですよ。
その見た目から「どうやって食べるの???」と思われがちなアーティチョークですが下ごしらえも慣れればそれほど難しくありません。詳しい下処理の仕方は下で説明しますので、どうぞチャレンジしてみて下さい。
※カルチョーフィとは複数形での言い方。単数形はカルチョーフォ(carciofo)となります。
アーティチョーク/カルチョーフィの味 ・香り・食感
アーティチョークの味や香りは少しの野性味を感じるもののそれほどクセはなく、タケノコやゆり根と表現する人もいます。ただアーティチョークの味を他の野菜で例えることは難しく、アーティチョーク独特の味とも言えるでしょう。
食感は生ならカリカリとした食感、加熱するとホクホクとした感じになります。
アーティチョークの旬と栄養素
アーティチョークの旬は春ですが、品種によっては秋に出回るものもあります。イタリアには北から南、実に様々なアーティチョークがあるのですが、主な品種については次の項で説明します。
アーティチョークは食物繊維、ビタミンB群、カリウムや鉄分、カルシウムなどのミネラルが豊富です。
イタリアのアーティチョーク / カルチョーフィの品種
イタリアでは実に様々な種類のアーティチョークがあり、その数は90品種以上と言われています。イタリアでの主な生産地は中部~南イタリアが中心になりますが、北イタリアのリグーリア州のアルベンガも有名な産地。それぞれに特徴があり、旬も品種によって異なります。
※以下はイタリア語名での種類ですのでアーティチョークではなくカルチョーフィと記載しています。
南イタリアのサルデーニャ島の品種。見た目の特徴としては縦長の形と鋭いトゲ。旬は10月~5月とカルチョーフィの中でも旬が長いタイプです。
香り、味ともにはっきりとしていて生でサラダにするととても美味しいタイプ。イタリアではDOP(原産地名称保護)品種としてよく知られています。
ロマネスコとは“ローマの”という意味。丸く大きなタイプでリピエノなど詰め物をするのに最適。旬は3~4月でほんのり甘く繊細な味わいが特徴です。チマローロ(cimarolo)やマンモラ(mammola)ともよく呼ばれます。
ヴィオレットとは“バイオレット色の”という意味。トスカーナ地方の品種です。旬は3~4月ごろ。小さめのものはよくオイル漬けにされます。
アーティチョークの野生種。一般的なアーティチョークと異なり茎の部分を食べます。日本では全く無名ですがイタリアでは普通のスーパーでも売ってる野菜です。詳しくはカルドの食べ方とレシピ集のページをご覧ください。
アーティチョークの下処理方法 (動画&写真付き)
動画編
まずはこのインスタグラム動画をご覧ください。やっぱり動画はわかりやすいですよ!
動画の次に各ステップの写真付きでさらに詳しく解説しています。
インスタグラムでは、現地イタリアより季節のレシピを配信中!
写真編
1.葉を取り、つぼみの部分と茎に切り分ける。つぼみ部分の外側の固い花弁を手で1-2層むく。
2.つぼみの先端部分は固く筋っぽくて食べれないので切り落とす。そして白く柔らかい部分が出てくるまで花弁をむく。だいたい3~4層以上は剥いた方がよいです。どこまで花弁をむくかを判断するにはまず3層ほど剥いたら一度生で花弁をかじってみるのが一番わかりやすいです。柔らかければそれでOK、筋っぽくて硬ければさらに剥いてください。
3.がくの部分は写真のように包丁で軽く削ぐように切り取る。つぼみの付け根の部分はクオーレ(ハート)と呼ばれる一番美味しいところなので切り落とし過ぎないように注意!
4.茎は皮を厚めに剥き、適当な大きさに切る。切ったらつぼみの部分と茎ともあく抜きのためにレモン水につける。リピエノのように丸ごと使う場合はそのまま、それ以外の場合は料理に応じた大きさに切ってからレモン水に浸け、灰汁抜きをする。
花の中心部はすこしとげのようにチクチクするので包丁かキッチンばさみ、スプーンでくり抜くなどして取り除きます。
※アーティチョークの下ごしらえをする時は灰汁で手や爪が黒くなるのでゴム手袋をはめることをお勧めします。
アーティチョーク / カルチョーフィの食べ方
主な食べ方としてはフレッシュなものなら生でサラダにしても美味しいしフリットやパスタにするのも定番。また中に詰め物をして煮るリピエノ(ripieno)も代表的な食べ方です。
このとっても美味しいアーティチョーク、下処理が大変と思われがちですが慣れてしまうと簡単なので是非挑戦してみて下さい。
アーティチョーク / カルチョーフィ のレシピ集
料理名をクリックするとレシピのページに移動します。
アーティチョークのローマ風
ローマ、およびイタリア全土で広く知られるアーティチョークのイタリアでの定番料理。下処理したアーティチョークにミントとニンニクを詰めて蒸し煮するだけのシンプルな料理なのでアーティチョークの香りや味を存分に味わえます。
カルチョーフィ・リピエノ(牛挽肉詰め)
イタリアでのカルチョーフィ(アーティチョーク)料理の定番の一つ。アーティチョークの香りとじゅわっとでる肉の旨味がとってお美味しい一皿。
アーティチョークのキッシュ
アーティチョークと相性のよいペコリーノチーズ、ミントを合わせたキッシュ。春の香りいっぱいの季節の一品です。
アーティチョークのオイル漬け
これもイタリアでの定番アーティチョーク料理。保存食としてイタリアの家庭でよく作られている一品です。
アーティチョークのストゥファート
フライパン一つで簡単に出来てとっても美味しい一皿。しっかりと柔らかくなるまで煮た(ストゥファート)アーティチョークに卵とたっぷりのパルミジャーノを加るのでボリュームもあります。
アーティチョークのサラダ
新鮮なアーティチョークが手に入ったらぜひシンプルな味付けでサラダにしてみては?生で食べるアーティチョークもとっても美味しいんですよ!
アーティチョークとトマトのパスタ
アーティチョークをトマトと共に柔らかく煮たソースで頂くパスタ。アーティチョークを使った一番基本のパスタです。
カルチョーフィのパンと卵のリピエノ
下処理したアーティチョークにパン、卵、チーズで作ったフィリングを詰めたもの。ノンナ(おばあちゃん)の思い出の味。
アーティチョークのリゾット
柔らかく煮たアーティチョークをクリーム状にし、リゾットにした一品。冷えたワインが欲しくなるリゾットです。
アーティチョークと春野菜のミネストラ
春の香りいっぱいのノンナ(おばあちゃん)のレシピ。じっくりと時間をかけて煮込むことで野菜の旨味が出てくる素朴で美味しいイタリアの家庭料理。
アーティチョークとポテトのオーブン焼き ペコリーノチーズ掛け
アーティチョークのオーブン焼き” にポテトとチーズを加えたレシピ。とろけるペコリーノチーズとアーティチョークの香りが食欲をそそる1品。