カルチョーフィ(アーティチョーク)のオイル漬け

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

イタリアで秋から春にかけて出回るアーティチョーク。

イタリア語ではカルチョーフィ (carciofi) と呼ばれ、とてもポピュラーな定番野菜の一つ。旬の時期にはメルカート(市場)で山積みになって売られているんですよ。

さて、今日はこのアーティチョークで作る オイル漬け のご紹介。

イタリアではアーティチョークのシーズンが終わりに近づくと、カルチョフィーニ(carciofini)と呼ばれる小さめのものが出回ります。この小さなアーティチョークをさっと茹でてからオイル漬けにしたものは、イタリアの定番保存食として 今でも手作りする人も多いです。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio
カルチョフィーニと呼ばれる小さなカルチョーフィ(アーティチョーク)

このアーティチョークのオイル漬けはイタリアのスーパーでは必ず売っているほどイタリアの定番保存食なのですが、実はおうちでも簡単に作れるんです

アーティチョークが手に入るのなら、一度手作りに挑戦してみるのも楽しいですね。

アーティチョークのオイル漬けの作り方・レシピ

材料 (作りやすい分量)

  • アーティチョーク 1㎏
  • 白ワインビネガー(酸度6%以上のもの) 300ml
  • 水 300ml
  • 塩 大さじ1
  • ローリエの葉 数枚
  • オリーブオイル 適量

※アーティチョークを茹でる汁は水:白ワインビネガーを1:1に。レシピの下で書いている、ボツリヌス菌による食中毒防止 のために大切な事ですので目分量ではなくきちんと計量してください。

作り方

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

1)(アーティチョークの下処理)水でよく汚れを落としたのち、筋っぽくて固い先端部分を切り落とす。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

2)花びらを4層程度、柔らかな部分が出るまでむく。※どこまで花弁をむくかを判断するにはまず3層ほど剥いたら一度生で花弁をかじってみるのが一番わかりやすいです。柔らかければそれでOK、筋っぽくて硬ければさらに剥いてください。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

3)付け根の部分は写真のように包丁で軽く削ぐように切り取る。つぼみの付け根の部分はクオーレ(ハート)と呼ばれる一番美味しいところなので切り落とし過ぎないように注意!大きいアーティチョークの場合は縦に半分か4等分に切る。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

4)切ったらあく抜きのためにレモン水につけておく。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

5)水、ワインビネガー、ローリエの葉、塩を鍋に入れて沸騰させる。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

6)アク抜くの水を切ってからアーティチョークを加え、5分ほど茹でる。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

7)茹でたら頭を下に向けて水気をよく切り、そのまま冷ます。ローリエの葉も水気をよくふき取る。

アーティチョークのオイル漬けの作り方 carciofi sott'olio

8)煮沸消毒した清潔な瓶にアーティチョークとローリエの葉を詰め、オリーブオイルを完全に具材が浸るまで注ぐ。軽くアーティチョークをフォークで押して空気を押し出す。1週間ほど置いて味が馴染んだら食べごろです。

※イタリアではこの方法で冷暗所に置いて2-3か月長期保存(長ければ一年)しますが、日本とイタリアでは湿度も気温も異なります。日本での長期保存は下で説明するボツリヌス毒素による食中毒予防、安全のため冷蔵庫で行って下さい。

イタリアはこうして家庭でオイル漬けの保存食を作ってきた文化が何世紀にも渡りあるのですが、そのなかで発生率は極めて低いもののよく知られた食中毒にボツリヌス菌による食中毒があります。
ボツリヌス菌はオイル漬けなどの低酸素、無酸素状態で強力な毒素を発生する菌でイタリアでは家庭で作るオイル漬けの保存食が原因で発生することが多いことで知られています。ボツリヌス菌については東京都福祉保健局のサイトに詳しく書いてありましたのでそちらをご覧ください。
またオイル漬けなどの家庭での保存食づくりが文化としてあるイタリアにはイタリア保健省の『保存食づくりのガイドライン→Conserve fatte in casa, 10 regole per evitare brutte sorprese (salute.gov.it)』なるものがあります。そこでも野菜のオイル漬けをする際に重要なのは水と白ワインビネガー(酸度6%以上)を1:1で混ぜた液で野菜を茹でて酸度をつけてからオイル漬けにすることがボツリヌス菌食中毒の予防に重要と記されています。

家庭で作る保存食のリスクはゼロではありません。また保存期間に関わらず異臭がするなど少しでも異常を感じた場合はもったいなくても破棄してください。