アスパラガス (緑・白・紫・ピンク)

日本でもお馴染みの野菜、アスパラガス。

イタリアにはいろいろなアスパラガスがあり、それぞれ特徴が異なるんです。イタリア及び、ヨーロッパで見られるタイプのアスパラガスについて次から説明したいと思います。

イタリアのアスパラガス

イタリアでも春の代表的な野菜と言えばアスパラガス

アスパラガスは西アジア、中東から地中海沿岸が原産とされ、古代エジプト、古代ローマでもすでに栽培された記録が残っているとても歴史の古い野菜。

アスパラガスがヨーロッパ各地に広まったのはローマ人の影響が大きく、フランスのルイ14世やナポレオン3世などの歴史上の人物にも好まれた野菜だそうです。

イタリアでも一番代表的なものは日本と同じくグリーンアスパラガス

緑の次に多く市場に出回るのはホワイトアスパラガス、そして紫、ピンクと順に生産量も少なく手に入れるのが難しくなります。
緑、紫、ピンク、白と色が薄くなるにつれて味も香りも 繊細なものになっていくのが特徴。

ホワイトとピンクアスパラガスは盛り土をして軟白栽培されるためとても繊細な味わいとなりますが皮は固く、繊維質になります。ホワイトアスパラガスやピンクアスパラガスはピーラーでしっかりと皮をむく必要があります。

ただ各地の土の性質や気候によって様々なタイプのアスパラガスがあるのでイタリアへ春に来られる方はぜひいろいろなアスパラガスを味わってみて下さい。

メッザーゴ(Mezzago)のピンクアスパラガスの畑。この土の下でアスパラガスが育っています。白やピンクなどのアスパラガスはこうして土の中で光を遮断して栽培されるんですよ。

イタリアのアスパラガスの種類

ホワイトアスパラガス

日光を当てないように盛り土して栽培されるため真っ白な色をしています。日光を浴びないため栄養素はグリーンアスパラガスに劣るものの独特の繊細な味と香りが美味しくほんのりとした甘味があります。フランス、オランダ、ベルギーでよく生産されているタイプで、イタリアでよく知られる産地はヴェネト州のポー川流域に広がるポー平野。バッサーノ(Bassano)産が有名ですがそれ以外にもチマドルモ(Cimadolmo)、ロンバルディア州のカンテッロ(Cantello)などの優良生産地が多くあります。

紫アスパラガス

その名のとおり全体に紫色をしているアスパラガス。何と言っても有名なのはリグーリア州アルベンガ(Albenga)産のヴィオレット・ディ・アルベンガ(violetto di Albenga)。通常のアスパラガスの染色体の数が20なのに対してこのアルベンガのものは40。その為多品種と交配させることが不可能と言われ、またアルベンガ特有の土壌もこのアスパラガスを唯一無二のものにしています。バターのようなクリーミーな食感で下に行くほど白色となりより繊細な味となります。加熱すると紫から緑へと変わってしましますが、生でサラダにしても美味しいです。

ピンクアスパラガス

イタリアでも非常に珍しいタイプで有名な生産地はロンバルディア州のメッザーゴ(Mezzago)。ホワイトアスパラガスのようですが先の5㎝ほどがほんのりとピンク色をしています。ホワイトアスパラガスのように盛り土をして軟白栽培されますが、メッザーゴの粘土質で鉄分やミネラルを多く含む土壌と日の出から収穫までの数時間のみ日に当てることでこのかわいいらしいピンク色となります。味はホワイトアスパラガスに近いけれど少しアスパラ独特の香りが白よりも強いのが特徴。また皮も白アスパラよりもやや柔らかいです。

グリーンアスパラガス
グリーンアスパラガス

イタリアでも一番メジャーなのがこのグリーンアスパラガス。

品種も様々なものがあり、太さによって料理の仕方も様々。一番応用が利くタイプのアスパラですね。

アスパラガスの食べ方

新鮮なものであれば生でサラダにしても食べられますが加熱するのが一般的です。

アスパラガスの皮はどこからむく?

ホワイトとピンクアスパラガスは皮が固く繊維質なので、先端部分のすぐ下からピーラーで皮を剥きます。皮をむいた後は茹でる、もしくは蒸して食べます。

白→ピンク→紫→緑の順に皮が柔らかく薄くなるので皮を剥く範囲も小さくなります。ホワイトアスパラガスの場合は先端から4-5㎝ほどのところよりピーラーで皮を剥きますが、緑の場合は下から数センチほどで大丈夫です。

アスパラガスの茹で方

理想的な茹で方

アスパラ専用の細長い鍋でアスパラガスをタコ糸等で束にして立てて入れ先端部分は湯に浸からないようにして5~10分ほど好みの固さに茹でる方法。この茹で方だと下の固い部分が茹でられて先端部分は蒸気によって蒸されるので全体がバランスよく加熱されます。

普通の鍋でも出来る茹で方

一般家庭でアスパラガス専用の細く長い鍋はなかなか無いので、お手持ちの鍋で茹でる場合はタコ糸等で束ねて最初の数分を立てて茹で、その後タコ糸をほどいて全体を数分茹でる方法がお勧めです。

ホワイトアスパラガスの場合は剥いた皮を一緒に茹でると皮から出汁が出るので美味しく茹でられますよ!

アスパラガスの茹で方 asparagi
このようにタコ糸で縛り、立てて数分茹でます。立てる際は束ねたアスパラを広げると安定して倒れにくいですよ。そのあとに糸をほどいて寝かせて茹でると全体がバランスよく茹でれます。

白アスパラガス/ピンクアスパラガスの茹で方

白アスパラガスやピンクアスパラガスは緑のアスパラよりもじっくりと柔らかく茹でます。イタリアではここで説明するように湯からではなく水から茹でる方法がよく用いられます。

  1. 下から固い部分数センチを切り落とし、ピーラーで皮を先端から5㎝ほどから厚めに剥く。
  2. タコ糸等で束ねて鍋に立てて入れ、下から3分の1ほど浸かる量の冷水を入れて塩を少量加える。
  3. 蓋をして中火で沸かし、沸騰してから10分ほど(or 柔らかくなるまで)茹でる。※茹で時間は太さや好みによって調整してください。

※ただしアスパラの食感は好みが分かれます。白やピンクアスパラでも上の沸騰した湯で茹でる方法でももちろん美味しいです。

アスパラガスのレシピ集

緑、紫、ピンク、白といろいろなアスパラガスのレシピです。グリーンアスパラをホワイトアスパラに変えて作ってみたりといろいろと楽しんでみて下さい。

料理名をクリックするとレシピのページに移動します。

アスパラガスの目玉焼きのせ アスパラガスのビスマルク風 asparagi con uova asparagi alla bismarck
アスパラガスのソテー 目玉焼き乗せ 

いろんなタイプのアスパラガスで出来るイタリアでの定番レシピ。

とろとろの黄身と絡めて食べるアスパラガスは絶品。

アスパラガスと生ハムのマスタードソース掛け

アスパラと生ハムにちょっとだけ工夫したソースをかけて一緒に食べると、とっても美味しい前菜に。ピンクアスパラガスの収穫祭で教えてもらった一品。

アスパラのフィロ生地巻き involtini di asparagi con pasta filo

アスパラのフィロ生地(春巻き)ロール

アスパラを極薄のフィロ生地や春巻きの皮で巻いて焼くだけの超お手軽な一品。簡単だけどパリッとした皮の食感とアスパラの組み合わせが癖になるワインにピッタリの一品です。

アスパラガスのアンチョビソース掛け
ピンクアスパラガスのアンチョビソース掛け

ピンクまたはホワイトアスパラで作ると美味しい一品。

アンチョビソースに一工夫することでアスパラとの絶妙なハーモニーが生まれる絶品レシピ。

risotto agli asparagi
ピンクアスパラガスのリゾット 

ピンクアスパラガス、ホワイトアスパラガスで作ると美味しいリゾット。

これもピンクアスパラガスの収穫祭で食べた一品を再現したレシピ。

アスパラガスのリゾット
アスパラガスとマスカルポーネのリゾット 

グリーンアスパラを使った春の香りいっぱいのリゾット。

ミントとレモンを加えて爽やさもプラス。

アスパラガスのクリームパスタ

アスパラガスを使ったクリームソースをパスタに和えるだけのとっも簡単で美味しい一品。

アスパラガスのトルタ・サラータ
アスパラガスのチーズケーキ

ケーキと言っても甘くなく、たっぷりと入ったチーズがしっとり、どっしりとした美味しいケーキ。

白ワインやプロセッコとともにアペリティフに、もしくは子供のおやつにもピッタリ。

アスパラガスのフライ
アスパラガスのフライ

日本でも定番のアスパラの肉巻きフライ。

ちょっとイタリアンアレンジしたバージョンがこちら。

いつものフライがよりワインと高相性のものになりますよ!

mezze maniche con asparagi e ceci
アスパラガスとひよこ豆のパスタ

アスパラとひよこ豆のパスタ。ミントの香りをアクセントに効かせた春のパスタ。

アスパラガスと豚肉のマスタード炒め lonza di maiale con asparagi e senape in grani
アスパラガスと豚肉の粒マスタード炒め 

とっても簡単で失敗知らず、ワインにもビールにもピッタリな一品。

ピンクアスパラガスとファッロのスープ 

ピンク、もしくはホワイトアスパラで作ると美味しいです。

ファッロという古代小麦を使ったとってもヘルシーでほっとする味のスープ。

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