そばの実とスペックのスープ

zuppa di grano saraceno

蕎麦と言えば日本の食べ物というイメージだけれど、実はイタリアでもよく食されている。 どんな食べ方をするかと言えば、そば粉で作る平打ちパスタのピッツォッケリや、同じくそば粉で作るフリットのシャットなど食べ方はやはりイタリアン。さてこの蕎麦の料理の数々、イタリアのどこでよく食されているかと言えば北イタリアのアルプス地域。寒冷地でも育つ強い蕎麦はこの地域で昔からよく栽培されていたそう。 今日の一皿はそば粉ではなくそばの実で作る食べるスープ。 蕎麦の実と共に加えるのはスペック(speck)というアルプス地域の燻製生ハムにジャガイモ。これをブイヨンで煮ただけの簡単なものだけど、こういう穀物のスープというのは食べるとほっとする優しい温かさがあります。   蕎麦という日本でもお馴染みの食材。 ところ変わってこちらイタリアではこんな風に食べるんですよ。   そばの実とスペックのスープの作り方・レシピ 材料 …

polpo e polenta bianca タコのガーリック炒めと白ポレンタ

白ポレンタとタコのガーリック炒め

ポレンタ(polenta) とはトウモロコシ粉から作るおかゆのような料理で冬のイタリアでは大定番の料理。 ポレンタにはいくつか種類があるけれど、その中でも珍しいのがこのポレンタ・ビアンカ(白ポレンタ)。この白いポレンタはイタリアでもヴェネツィアのあるヴェネト州でのみ食べられるポレンタでこうして魚介類と一緒に食べられるんです。 この白ポレンタに合わせたのは茹でた蛸をシンプルにガーリックソテーしたもの。ちなみにタコは生だこを一度冷凍させ、解凍して茹でることで棒で叩いて柔らかくする手間が省けますよ。 好みで唐辛子を加えて辛みを出してもよし。   ポレンタと聞くと“黄色” のイメージが浮かぶかもしれない。 でもイタリアにはこんな白いポレンタもあって、こんな風な食べ方をするんですよ。   …

baccalà e zucca in umido バッカラとカボチャの煮物

バッカラとカボチャの煮込み

バッカラ(baccalà)とは塩漬けにして長期保存できるようにした鱈(タラ)のことで、イタリア全土でよく食べられるとても一般的な食材。 調理する前に3-4日ほど水に浸けて塩抜きしてから使うのだけど、独特の旨みが美味しくこうして煮込んだりフリットにしたりといろいろな食べ方が出来る食材です。 今日はこのバッカラとカボチャを一緒に炊いてみました。鱈とカボチャというのは意外な組み合わせに思われるかもしれないけれど、あのバッカラ独特の味とカボチャの甘味というのは非常によく合いとても美味しいんですよ。 そして隠し味的にソースの風味を増すために加えるのは乾燥パプリカ。 我が家では魚介類のトマトソース煮をするときに乾燥パプリカをよく使うのだけれど、これを入れることで一段とソースの風味がます秘密のアイテム。とは言っても日本では乾燥パプリカはなかなか手に入らないと思うのでその場合はパプリカパウダー(辛くないスイートタイプ)を少しくわえればOK。   仕上げには食感のアクセントとして砕いたアーモンドをぱらり。 バッカラの旨みとカボチャの甘さが癖になるこの一皿。   うん、今日はちょっといいワインでも開けようか! …

trota e agrumi al forno 鱒とミカンのオーブン焼き

鱒とミカン (オレンジ) のオーブン焼き

鱒(マス)というと日本ではあまりスーパーで一般的に売っている魚ではないかもしれないですね。 けれどこちらイタリア、特に北イタリアでは大抵のスーパーにあるとても一般的な魚。サーモンよりも脂身が少なく、さっぱりしているので我が家ではよく食べる食材の一つです。 この鱒にミカンのスライスを乗せてオーブンで焼き上げてみたらこれが結構美味しかったんです。 もちろんあればオレンジでも美味しいけれど、みかんを使った理由は 単純に “ちょうど家にあったから” (笑) ミカンとともに鱒へふりかけるのはピンクペッパー(ローズペッパー)。 このピンクペッパーは普通の粒胡椒のように固くなく、辛みも穏やかなのでこうして粒のまま乗せても大丈夫。赤い実が彩のアクセントにもなるのでこうして魚料理や野菜料理などいろいろと使える便利な胡椒。無ければもちろん普通の黒胡椒でもいいですよ。   …

そら豆と麦のスープ zuppa di fave e orzo

乾燥そら豆と麦のスープ

そら豆というと初夏のイメージだけれど、今日使うのは乾燥そら豆。 と言ってもちょっと特殊な乾燥そら豆。何が特殊というかと言えば皮をむいて、半分に割れているもの。これは南イタリアのプーリア州の郷土料理のファーヴェ・エ・チコリア(そら豆のピュレとチコリ)によく使われるものなんです。 この半分に割れた乾燥そら豆は、こうしてスープにする場合はたっぷりの水(ブイヨン)で40分ほど煮るので乾燥したまま使って大丈夫。 今回はシンプルに炒めた玉ねぎとブイヨンで煮て、オルゾというイタリアの大麦を加えただけ。 こんなにシンプルなんだけど、そら豆の優しい甘味がどこかほっとする味でじんわりと美味しさがお腹に染みわたってくる一品です。 秋冬に食べる身も心も温まる乾燥そら豆のスープ。 あぁ、美味しかった! 材料 (2-3人分) 作り方

quiche di cavolini di bruxelles 芽キャベツのキッシュ

芽キャベツとハムのキッシュ

可愛い見た目にほのかな苦みが美味しい芽キャベツを使ったキッシュが今日の一皿。 芽キャベツと合わせてフィリングに入れるのはハム。日本の普通のスライスハムでいいし、もちろんベーコンに変えてもok。 やはりキャベツ類とハム、豚肉というのは定の組み合わせだけあってとてもよく合います。 作り方は至って簡単で軽くソテーした芽キャベツとその他の材料をパイ生地に詰めて焼くだけ。パイ生地は市販のパイシートを使うので難しいことは何もないですよ。   サラダやサイドディッシュになりがちな芽キャベツを主役に、ほんのり苦みが美味しいこのキッシュ。 秋冬の冷える夜、ハフハフ言いながら食べるのが美味しい季節の一品です。   芽キャベツとハムのキッシュの作り方 材料 …

トピナンブールとサーモンのパスタ pasta con topinambure e salmone affumicato

トピナンブール(菊芋)とサーモンのパスタ

トピナンブール(topinambur)とは日本で菊芋と呼ばれる芋でシャキシャキとした食感が美味しく生でも食べられるのが特徴。ゴボウやアーティチョークに少し似た香りが美味しい野菜で秋冬の間に我が家では頻繁に出てくる食材のひとつです。 今日の一皿はこのトピナンブールとスモークサーモンを使った簡単に出来るパスタ。 トピナンブールにサーモンというのは結構美味しく、我が家ではサラダやグラタンなどでよくやる組み合わせ。 仕上げにレモンの皮のすりおろしを加えると爽やかさもプラスされて美味しいのでおすすめ。 菊芋というと和風なイメージだけれど、実はこうしてイタリアでもよく食べられてるんですよ。 トピナンブール(菊芋)とサーモンのパスタの作り方 材料 (2人分) 作り方

risotto ai porri e robiola ポロ葱(リーキ)のリゾット

ポロ葱とチーズのリゾット

ポロ葱とは下仁田葱のような大きく太い西洋葱のことで長ネギよりも香りも味も穏やかで甘味があるのが特徴。日本では英語名のリーキとも呼ばれ、イタリアではどこでも手に入るごく一般的な葱の一種。 今日の一皿はこのポロ葱(リーキ)を使ったリゾット。 ポロ葱のリゾットにチーズを加えて少しこくや厚みを出すのがポイント。 今回使ったのはロビオーラという少し酸味のあるイタリアのチーズだけれど、もちろん他の手に入るチーズでOK。 またシンプルにポロ葱とチーズだとポロ葱の味と香りがしっかりとストレートに味わえるし、もうちょっとボリューム感を出したければここへベーコンなどを少し加えても美味しい。   日本ではまだちょっと珍しい野菜のポロ葱。 こんなリゾットにしてイタリアンに味わってみるのはいかがでしょうか?   Visualizza …

ポルチーニのポレンタ / Polenta con funghi porcini

ポルチーニ茸のポレンタ

イタリアで “キノコの王様” と呼ばれるのがこれ、ポルチーニ茸。 今日の一皿はこのポルチーニ茸のポレンタ。 本来ならばフレッシュなポルチーニで作るのが王道だけれど、今回は手に入りやすい乾燥ポルチーニでのレシピです。 乾燥タイプでもちょっとしたポイントさえ押さえれば、とても美味しく出来ますよ。 乾燥ポルチーニを浸したあとの戻し水は旨味や香りが詰まった貴重な材料の一つなのでこれをポルチーニを煮るときに再度ポルチーニに煮含ませるのがポイント。そうすることで香り、旨味の詰まったポルチーニのソースとなります。 もう一つのポイントとしては、ポルチーニをふっくら、トロリと仕上げるために、煮るときの火加減は弱火でじっくりと。   そしてもう一つの主役、ポレンタとはトウモロコシの粉で出来た北イタリアや山岳地帯でよく食べられるおかゆのような料理のことで秋も深まってくるとポレンタが食べたくなってくる、というイタリア人も多いんです。 …

cardo gobbo カルド・ゴッボ

カルド・ゴッボのアンチョビソース煮

日本では聞きなれない野菜、カルドン。 イタリア語ではカルド(cardo)と呼ばれるアーティチョークの仲間で、秋から冬にかけてイタリアのメルカートに出回る季節の食材。アーティチョークの香りに少しセロリに似た食感がとても美味しい野菜です。 そしてカルドンの中でもこのカルド・ゴッボ(cardo gobbo)は北イタリアのピエモンテ州のニッツァ・モンフェラートの特産品でカルドンの中でも唯一生で食べられる珍しい品種。その繊細な香りや味わいは一度食べると虜になる美味しさです。 カルド・ゴッボのアンチョビソース煮の作り方 材料 (4人分) 作り方

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