【本場イタリア式】ラディッキオ/トレビスのおいしい食べ方とレシピ集

radicchi / ラディッキオ / トレビス / タルディーボ / プレコーチェ / カステルフランコ

イタリア野菜として日本でも人気が出てきている ラディッキオ/トレビス

その味や本場イタリアでの食べ方、ラディッキオとトレビスの違い、いろいろな種類や特徴について説明していきます。

ラディッキオ/トレビス とは? 味と旬

レタスのような見た目のラディッキオ(トレビス)は、キク科の野菜でチコリの一種ほのかな苦みとサクサクとした食感 が特徴で、生でも加熱して食べても美味しい野菜です。

ラディッキオ(トレビス)と言えばロッソ(赤い)タイプのものが一般的ですが、中には緑や斑点模様のものもあり数多くの種類が存在します。

旬は秋から冬にかけてですが、イタリアではいくつかの種類は一年中手に入るポピュラーな野菜の一つです。

トレビス?ラディッキオ? どっちが本当の名前?

まずラディッキオはイタリア語名、トレビスとはフランス語名でどちらも同じ野菜のことを指します。

日本でよく聞く “トレビス“ は、フランス語のトレヴィース(trévise)を日本語で発音した名前。ちなみにこのトレヴィースとは、ラディッキオ(トレビス)の一大生産地である北イタリアの街 トレヴィーソ(Treviso)のフランス語名なんです。つまり、トレビスとはイタリアのヴェネト州にある県名のことなんですよ。

日本でトレビスと呼ばれるレタスのような形のラディッキオは、本場イタリアでは別の名前で呼ばれます。このようにトレビスとラディッキオの名前の混同と正しい名前については、以下の ラディッキオ(トレビス)の種類 の項で説明します。

紫キャベツとラディッキオ/トレビスの違いは?

ラディッキオの見た目は紫キャベツのようですが、紫キャベツは文字通りキャベツの仲間でアブラナ科の野菜。対してラディッキオはキク科の野菜でチコリの仲間、チコリ種特有の苦みが特徴です。味も食感もラディッキオと紫キャベツは全く別の野菜です。

ラディッキオ / トレビスの種類

以下に挙げる5品種はイタリアでよく流通している品種で、日本でもみかけるもの。それぞれの名前や特徴を説明していきます。

1. キオッジャ(ロッソ・ディ・キオッジャ)/ トレビス

ラディッキオ キオッジャ / トレビス / RADICCHIO CHIOGGIA

レタスのように結球するタイプ。イタリアでは通年流通していますが旬は秋から冬にかけて他のラディッキオに比べると甘味がやや強く、苦みが少ないタイプ。また葉が薄く柔らかいのも特徴でサラダ等にして生で食べるのに向いています。もしくは軽くソテーしても美味しいです。キオッジャとは生産地のキオッジャ(ヴェネト州)からついた名前。

日本ではこのキオッジャのことがよくトレビスと呼ばれています。

2. トレヴィサーノ・プレコーチェ  (ロッソ・ディ・トレヴィーゾ・プレコーチェ)

ラディッキオ / プレコーチェ / RADICCHIO PRECOCE

こちらもイタリアでは一年中流通していますが、旬は10月~11月。白菜のような長い形状で15~20㎝ほどの大きさのものが一般的。芯の部分は肉厚でサクサクとした食感があります。生でも加熱調理にもどちらにも向いています

その名の通り生産地はヴェネト州のトレヴィーゾ周辺。シンプルに、“プレコーチェ(早生という意味)”、もしくは “トレヴィサーノ(トレヴィーゾの、という意味)” とも呼ばれます。ちなみに日本でよく聞く トレビス という名前はトレヴィーゾのフランス語名。そう、本来はこれがトレビスなんですよ。

3. トレヴィサーノ・タルディーヴォ (ロッソ・ディ・トレヴィーゾ・タルディーヴォ

タルディーボ / ラディッキオ・タルディーボ / タルディーヴォ / radicchio tardivo

数多くあるラディッキオの中でも ラディッキオの王様 と称されるタイプ。そのほのかな苦み、ほんのりした甘味、サクサクした歯ごたえ、どれをとっても素晴らしい品種です。かなりの手間をかけて生産されるため、価格も他のラディッキオより高くなります。生でも加熱調理にもどちらにも向いています12月~2月が旬

ちなみに、タルディーヴォとは “晩生、晩生種” という意味なんですよ。2のプレコーチェと同じくヴェネト州トレヴィーゾ県の特産品です。

4. カステルフランコ (ヴァリエガート・ディ・カステルフランコ)

カステルフランコ / ラディッキオ / RADICCHIO CASTELFRANCO

17世紀に上記のトレヴィサーノとスカローラというチコリの一種との交配から生まれた品種。バラのような見た目がなんとも美しいラディッキオです。苦みが少なく、繊細な味と香りが特徴で、ラディッキオ特有のサクサクとした食感が薄い葉でもしっかり感じられます。

軽くソテーするかサラダにして生で食べるのに向いています。カステルフランコとは、生産地のカステルフランコ(ヴェネト州)からついた名前。

5. ヴェローナ

ヴェローナ / ラディッキオ・ヴェローナ / RADICCHIO VERONA

ロミオとジュリエットの舞台として有名なヴェローナの特産品。2のプレコーチェと味も食感もよく似ていますがこのヴェローナの方が少し丸い形状をしています。こちらも一年中流通していますが本来の旬は秋から冬にかけて。

ラディッキオ/トレビス の食べ方

生でも加熱しても食べられます

生でサラダにする場合は小さく切ったラディッキオと薄くスライスした人参に、たっぷりのオリーブオイル、ワインビネガー、塩だけでシンプルに味付けしても美味しいです。ラディッキオのように苦みのあるチコリの品種は人参や洋ナシなどの甘味とよく合うんですよ。

加熱する場合はトレヴィーゾ・プレコーチェやトレヴィーゾ・タルディーヴォなどの肉厚な葉の品種が向いています。

ラディッキオ/トレビス のレシピ集

手軽なサラダから、加熱して食べるレシピまで。とっておきのレシピ集です!

ラディッキオ(トレビス)と洋梨のサラダ / insalata di radicchio e pere

ラディッキオと洋ナシのサラダ

ラディッキオと秋の食材を合わせたとっても美味しい秋のサラダ。ラディッキオの味と食感を味わうにはまずはこんなサラダがおすすめ。

ラディッキオのベーコン巻き

ラディッキオのベーコン巻

どのタイプのラディッキオで作っても美味しく出来るベーコン巻。ラディッキオの苦みとベーコンの塩気がとっても美味しいワインにもピッタリな一皿です。

ラディッキオのリゾット

ラディッキオのリゾット

ラディッキオ、ブリーチーズ、スペックの “黄金トリオ” のリゾット。絶対美味しい定番レシピ。

ラディッキオ タルディーボのマリネ

ラディッキオ・タルディーボのマリネ

タルディーヴォをスパイスと共にさっと茹でてマリネした一品。タルディーヴォのレシピと言えばまずはこれを試して欲しい。シンプルなのに絶品!

radicchio grigliato ラディッキオ/トレビスのグリル焼き

ラディッキオ/トレビスのグリル焼き

5分で出来るとってもお手軽なラディッキオ料理。こうしてラディッキオをグリルして食べるのもイタリアでは定番なんですよ。肉厚なプレコーチェやタルディーボなどが向いています。

quiche di radicchio, pancetta e caciotta ラディッキオのキッシュ

ラディッキオのキッシュ

苦みが美味しい大人のキッシュ。アペリティフのお供やパーティの時にもピッタリな一品です。

ラディッキオ・タルディーボのソテー

ラディッキオ・タルディーボのローズマリーソテー

タルディーボはやはりシンプルにいただくのが一番。簡単ソテーでもとっても美味しく仕上がるのはタルディーボならでは。