タッコネッティ(tacconetti)とは南イタリアのアブルッツォ州のひし形をしたパスタ。同じアブルッツォ内でも地域によってはサニェ(sagne)とも呼ばれます。 このパスタに使うのは硬質小麦の一種でタンパク質の含有量の多い、デュラム小麦のセモリナ粉。 セモリナ粉は南イタリアのパスタには欠かせない材料で、通常の小麦粉にくらべて黄色っぽい色をしているが特徴です。 そしてこのタッコネッティ、アブルッツォのアドリア海沿岸地域ではこうして魚介ソースに合わせるのが定番。対して内陸部ではひよこ豆やインゲン豆などの豆のソースとよく合わせらます 。 ソースに使う魚は特に決まりはないけれど、イタリアでメルルッツォと呼ばれる小さなタラ、同じくイタリアでラッツァというエイの一種、ホウボウ、ヒメジ、イカ、シャコやムール貝がよくこういう魚介ソースに使われる魚。これらは地中海、アドリア海の魚なので日本で手に入る魚で旬の魚や手に入るものを何種類か適当にミックスすればOK。どんな魚を使うにせよ甲殻類や貝類を混ぜると味がよくなるし、大きな魚の切り身ではなく小さな魚を少なくとも3-4種類使うと魚介の美味しい出汁がでます。 またこういった魚介のトマトソース煮にパプリカを使うのはアブルッツォ州の特徴。我が家ではパプリカが手元に無ければ少々のパプリカパウダーを加えることもある。こうしてパプリカを加えるとソースの風味がUPするので是非試して下さい。 そしてソースに使う魚介類はパスタと一緒に食べることはなく、セコンド(メインディッシュ)としていただく。 余談だけれど、イタリアでは一般の家庭でもパスタやリゾットのプリモと呼ばれる炭水化物系の第一の料理から始まり、肉や魚のセコンド(メインディッシュ)に移るというコース仕立てで食べる。なのでパスタの上に大きな魚が乗っているプリモとセコンドが合体したような一皿というのは実はイタリアではあまり見かけない。 手打ちパスタに海の幸の香りがぎゅっと詰まったソース。 この組み合わせで美味しくないわけがない。 …
魚介ソースのタッコネッティ
