美味しいもの好きの人なら聞いたことがある食材ではないでしょうか?
バッカラ、ストッカフィッソとは一体どんなもの? どうやって食べるの?
次から解説していきますね!
バッカラ/バカリャウとは?
バッカラ(baccalà)とは塩漬けにして長期保存できるようにした鱈のことでイタリア料理によく使われるとても一般的な食材。イタリア以外でもスペインではバカラオ(bacalao)、ポルトガルではバカリャウ ( bacalhau )と呼ばれ、特にカトリックの国でよく食されています。
このバッカラ大きくわけて2種類あり、一つは内臓を取り除いた後に3週間ほど塩漬けにしたもの。もう一方は塩漬けにした後に2-7日ほど乾燥させたもで後者の方がより旨味、味が凝縮されています。
このバッカラもともとは1500年代、大航海時代に安価で保存がきく食材だったためポルトガル、スペインとともにイタリアでも広まったと言われています。
またバッカラが広まったもう一つの理由としてはキリスト教(カトリック)との関係。2月のカルネバーレ(謝肉祭)から4月のパスクワ(イースター/復活祭)までの40日間は肉を食べない習慣がありました。その間にこのバッカラが肉の代わりによく食べられていたのもイタリアでここまでバッカラが普及した理由にあげられます。
ストッカフィッソとは?
ストッカフィッソ(stoccafisso)とは干し鱈のことで、鱈の内臓を取り除いた後に吊るして乾燥させたもの。関西のおせちには欠かせない日本の棒鱈ととてもよく似ています。
このストッカフィッソもイタリアではよく見る食材ですが生産されるのは実はイタリアではないんです。
ストッカフィッソの生産地はノルウェー北部のローフォーテン島。寒く乾燥したこの島の気候がストッカフィッソ作りに適していたためで、ストッカフィッソが作られるのは毎年2-4月の3カ月間。
水揚げされたタラは開いて内臓を取り除いた後にストック(stocks)と呼ばれる棒に吊るして約3か月間乾燥させます。このストックで乾燥する魚がストックフィッシュ(stockfish)→イタリア語のストッカフィッソの語源となっているわけです。その後風通しのよい乾燥した室内で長くて1年間の熟成期間を経たものがストッカフィッソとなります。
イタリアにこのストッカフィッソが広まったのは大航海時代にこのローフォーテン島に嵐の後にたどり着いた一人のヴェネツィア商人、ピエトロ・クエリーニ(Pietro Querini)がヴェネツィアへ持ち帰ったのが始まりと言われています。
今ではイタリア全土で食べられるストッカフィッソですが、ストッカフィッソ料理で有名なものの一つがヴェネト州のバカラ・アッラ・ヴィチェンティーナ。
歴史と食文化のつながりといのは知れば知るほど面白いですね。
また北イタリア、特にヴェネト州ではこのストッカフィッソのことをバカラ(bacalà)と呼ぶためイタリアでもバッカラとストッカフィッソを混同する人が多いです。
そしてヴェネトではバッカラ(baccalà)ではなくcが一つ抜けたバカラ(bacalà)となるのも有名な話なんですよ。
バッカラとストッカフィッソの食べ方
バッカラ/ストッカフィッソの下処理
バッカラは大量の塩でつけられているためにそのままでは調理できません。表面についている塩を払い落としてから適当な大きさに切り、3-4日水に浸けて塩抜きをします。※この日数は切り方やバッカラの身の厚さによって異なってきます。また水は一日に3-4度ほど入れ替えて下さい。
ストッカフィッソも日本の棒鱈と同じように非常に固いのでのこぎり等で切り分けた後に5-7日ほど水に浸けて戻してから調理します。※包丁やキッチンバサミでは切れませんのであらかじめカットされたものを買うか、お店で切ってもらうのとよいでしょう。
バッカラとストッカフィッソのレシピ集
料理名をクリックするとレシピのページに移動します。
バッカラをトマトソースで煮込むのはいかにも南イタリアの料理といった感じ。赤ワインにも合うとっても美味しい一皿。
アブルッツォ州の郷土料理。焼いたバッカラと焼きパプリカをマリネしたとっても簡単な一皿。簡単だけれど焼きパプリカの香りとバッカラってこんなに合うのかと気づかされる料理です。
ストッカフィッソをチーズと牛乳で煮込むヴィチェンツァ風煮込み。ヴェネト州の郷土料理なので使うのはストッカフィッソですが料理名が“バカラ”となります。時間も手間もかかるけれど香りも味も最高な一品。
バッカラの旨みとカボチャの甘さが絶妙なハーモニーでとっても美味しい一品。仕上げに散らすアーモンドが食感のアクセントに。
塩抜き後のバッカラを茹でてルッコラとオリーブで和えただけの簡単サラダ。温かいままでも冷やしても美味しいですよ。前菜としてやワインのお供にもぴったりな一品です。