そら豆とペコリーノチーズのフラン

そら豆が沢山あったので今日の前菜はこれ。 そら豆とペコリーノチーズのフラン。 フランとは卵や牛乳をベースにした生地を焼いたお菓子や料理のことで焼きプディングなようなもの。そしてペコリーノチーズとは羊のミルクで出来たチーズで、 “そら豆とペコリーノチーズ” とはイタリア(特に南イタリア)では定番の組み合わせなんですよ。フレッシュなそら豆を生のままこのチーズと一緒に口に放り込むそら豆とペコリーノのおつまみは最高のワインのアテ。 今日はこの定番の組み合わせをフランにしてみました。 軽く炒めたそら豆と玉ねぎを卵、牛乳と混ぜ合わせてオーブンで蒸し焼きにする。玉ねぎは新玉などのフレッシュで穏やかな香りの方が合うかな、と思います。 ちょうどこの時期の旬同士の組み合わせな、季節の一皿。 この料理、工程自体は簡単だけれど量を作ろうと思うとそら豆の薄皮むきに時間が少々かかるんですよね。けれど、ちょうどこのフランを作った日のミラノは雨。 家でのんびり、しとしとと降る雨を眺めながら一つ一つ薄皮を剥いていく。 …

minestra di talli d'aglio ニンニクの芽のミネストラ

ニンニクの芽とそら豆のミネストラ

にんにくの芽とそら豆。 今日は5月半ばの二つの旬の素材を使ったミネストラ。 このミネストラは夫のノンナ(おばあちゃん)がこの時期に作っていた一品でその思い出の味を夫が再現してくれた。 ニンニクの芽は夫の地元、アブルッツォ州の一部では食されていたそうだが、イタリア全体で見ると実は全くと言っていいほど見かけない。 イタリア人でニンニクの芽の食べ方を知っている人も当然ほとんどいない。 私達がどうして手に入れたかというと馴染みの八百屋さんに 「探して!」 と頼んで特別に仕入れてもらったから。 さて、このニンニクの芽、日本では炒め物のイメージが強いけれどノンナはこうしてミネストラにしていたそうだ。 そのまま煮込むとさすがに香りもきついのでさっと下茹でしてから調理する。 …

ひき肉とひよこ豆のチリ・コン・カルネ風

チリ・コン・カルネ(chili con carne)とはアメリカ、テキサス州やメキシコの料理でチリ(唐辛子)とカルネ(肉)、豆を煮込んだもの。オリジナルのレシピには豆が入っていないバージョンのものもあります。 ただ我が家は小さい子供がいるので辛いチリパウダーはNG。なので辛みの無いパプリカパウダーで代用したのが今回のレシピ。 そしてテキサスやメキシコのチリコンカルネはブラックビーンズや赤い豆が使われているけど今回は私の好きなひよこ豆でアレンジしています。 なのでチリコンカルネそのものより、チリコンカルネ“風”と呼ぼんだ方がいいかな。   メキシコ人の友人達がみたら 「これはチリ・コン・カルネじゃない!」 と言ってきそうだから(笑) …

茄子とトマトのオーブン焼き

今日は夏野菜の代表格、トマトとナスを使った簡単な一品。 茄子は油と相性がいいのでたっぷりのオリーブオイルで揚げ焼きしてからオーブンへ入れるのが美味しく仕上げるポイント。トマトも同じようにフライパンで表面を軽く焼いておくと美味しくできますよ。 そしてオーブンで焼くときもたっぷりのオイルをたらして焼く。 オーブンが面倒ならトースターで軽く焼くだけもいいですよ。その場合はもちろんナスとトマトにしっかりと火を通しておけばOK。 茄子、トマトと重ねたらそのうえにチーズとパン粉をのせてオーブンへ。 使うチーズはパルミジャーノ・レッジャーノなどの熟成タイプのものがお勧め。ナス、トマトに塩味の利いた硬質チーズがよいアクセントとなりますが、無ければもちろん好みのチーズや手に入るものでも美味しく出来ます。 そして今回は焼きあがった後にたまたま冷蔵庫にあったルッコラを散らすと彩もキレイ。 家庭にある材料でパッと作れるイタリアン。 茄子レシピの一つにいかがでしょうか? 茄子とトマトのオーブン焼き …

丸ズッキーニのリピエノ

丸ズッキーニのリピエノ

コロンと可愛い丸ズッキーニ。 このズッキーニを見つけたらぜひ作って欲しいのがこのリピエノ。 リピエノとは “詰め物をした” という意味のイタリア語でこの丸ズッキーニはまさしくリピエノにピッタリな食材。 出来上がりの見た目とは反対に作り方は結構簡単で、軽く茹でてからくり抜いたズッキーニに好きな詰め物をしてオーブンで焼くだけなんですよ。 今回の詰め物はスペックという北イタリア、チロル地方のハムにスカモルツァチーズ。無ければハムや、生ハムで代用し、好きなチーズに代えて作ってももちろんOK。 この丸ズッキーニのリピエノ、見た目がオシャレなのでおもてなしにもピッタリ。そしてオーブン料理なので大人数も一気に出来てしまうのがありがたい。 中に詰めるものを自分の好みにアレンジしたらいろんなリピエノが楽しめますよ。 どうぞあなただけのオリジナルのレシピを作ってみてはいかがでしょうか? …

アスパラガスとファッロのスープ

今日のランチはピンクアスパラガスを使ったスープ。スープと言ってもファッロ(farro)という古代小麦を使うので “食べるスープ” 。 このファッロ、他の小麦に比べてグルテンの含有量が低く、食物繊維やビタミンB群を豊富に含むヘルシーフードなんです。 現在主流の小麦は、ほとんどが品種改良されたものに対してこのファッロは、古代小麦の名前からも想像出来るように品種改良されていないまさしく “古代のままの小麦”。農薬や化学肥料を使わなくても育つ強い小麦なのでビオ素材としても知られます。素朴な味とムチっとした食感が美味しい麦です。 ちなみに、イタリア語で小麦粉のことをファリーナ(farina)といいますが、これはこのファッロ(farro)から来ているんですよ。 ファッロの前置きが長くなったけれど、このスープの主役はピンクアスパラガス(ピンクアスパラガスについて詳しくはこちら)。 ピンクアスパラガスは先日、このピンクアスパラガスの生産地として知られるイタリアのメッザーゴ(Mezzago)という街へ行ったときに手に入れたもの。 そこで食べたスープを再現したというわけ。 …

花ズッキーニのトルタ・サラータ

とっても簡単でワインのあてにもピッタリな今日の一皿。 花ズッキーニのトルタ・サラータ。 トルタとはイタリア語でケーキ、焼き菓子、そしてサラータとは塩味の、と言う意味。“キッシュ” と言えばおそらくピンとくるかもしれない。 花ズッキーニは春から初夏にかけてが旬でフリットなどが花ズッキーニを使った定番料理(レシピはこちら)だけれどこうして焼いても美味しい。 今回のトルタはベースに市販のパイ生地を使うので見た目よりもとっても簡単。中身の生地に使ったのは卵とクレシェンツァ(crescenza)という少し酸味の効いたフレッシュチーズを混ぜ合わせたもの。 無ければリコッタでもいいし、日本で手に入りやすいクリームチーズなどでもいいと思う。 そしてフィリングを流し入れる前にパイ生地に塗るのは花ズッキーニとの定番の組み合わせ、アンチョビ。今回はアンチョビをみじん切りにして少しオリーブオイルで伸ばしたものをパイ生地に塗ってみた。 このトルタ・サラータ、味の美味しさはもちろん、花がのった見た目も可愛いのでちょっとしたおもてなしにもピッタリ。 フリットの次のレシピをお探しならこんな可愛いトルタはいかがでしょうか? …

carciofi e patate al forno con pecorino アーティチョーク(カルチョーフィ)とポテトのオーブン焼き 

カルチョーフィとペコリーノとポテトのオーブン焼き 

イタリアでの春の代表的な野菜の一つ、カルチョーフィ(アーティチョーク)。 さて、今日の一皿はこのカルチョーフィのオーブン焼き。少しカルチョーフィが少なかったのでこの時期の新じゃがも加えてボリュームを出そう。 カルチョーフィ、パセリ、ニンニクだけで焼いても十分美味しいけれど今日は上からペコリーノチーズをたっぷりとかける。 オーブンを開けた瞬間に何とも言えないいい匂いがキッチンに広がる! 5月も半ばに入るとこのカルチョーフィもそろそろ終わりの時期。 次にお目にかかれるのは秋になってから。 うーん、シーズン終了までにもう一回食べておきたいな! カルチョーフィとペコリーノとポテトのオーブン焼き  材料 (2-3人分) …

カレイ(プラテッサ)のオーブン焼き

イタリアでよく見る魚の一つにプラテッサ(platessa)というのがある。 このプラテッサ、カレイの仲間なのだけれど淡泊で癖のない味で美味しい。そして食感はカレイよりもさらにフワリと軽い。 今日の一品はこのプラテッサのオーブン焼き。 ケッパーとイタリアンパセリ、ニンニク、そしてパン粉をまぶしてオリーブオイルを垂らしたらオーブンに入れて完成。と、あっという間に出来てしまう。 コツというほどの事はないけれど強いて言えば焼き加減に注意すること。 ちょうど火が通ったころ合いの頃にオーブンからいいタイミングで出せたらプラテッサのフワリと軽い味わいが楽しめる。 そうそう、イタリアではカレイなどの魚は皮ごと剥いでしまう。 イタリアに住み始めたころ魚屋さんで下処理を頼むとバリッと皮を全部取られてしまったのを 「わ、もったいない!」 と思いながら見ていた。 …

アスパラガス (緑・白・紫・ピンク)

日本でもお馴染みの野菜、アスパラガス。 イタリアにはいろいろなアスパラガスがあり、それぞれ特徴が異なるんです。イタリア及び、ヨーロッパで見られるタイプのアスパラガスについて次から説明したいと思います。 イタリアのアスパラガス イタリアでも春の代表的な野菜と言えばアスパラガス。 アスパラガスは西アジア、中東から地中海沿岸が原産とされ、古代エジプト、古代ローマでもすでに栽培された記録が残っているとても歴史の古い野菜。 アスパラガスがヨーロッパ各地に広まったのはローマ人の影響が大きく、フランスのルイ14世やナポレオン3世などの歴史上の人物にも好まれた野菜だそうです。 イタリアのアスパラガスの種類 アスパラガスの食べ方 新鮮なものであれば生でサラダにしても食べられますが加熱するのが一般的です。 アスパラガスの皮はどこからむく? …

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