猪肉ラグーソースのパッパルデッレ

cinghiale 猪肉のラグーソース パッパルデッレ

猪肉は日本でも比較的手に入りやすいジビエ肉のひとつ。 この猪肉を使ったラグーソースのパッパルデッレはイタリアでも特にトスカーナ地方の伝統料理。パッパルデッレ(pappardelle)とは幅1.5㎝ほどの薄く平たいパスタでこの猪肉ラグーに合わせる定番パスタ。今回は市販の生パスタを使ったけれど、手打ちパスタは家でも簡単に出来るので時間があればもちろん手作りに挑戦してみるのもいいでしょう。 猪肉の下処理からスタート ジビエ肉(狩猟肉)は牛や豚などの家畜の肉とは異なり脂肪分が少なくヘルシーな食材だけれど、野生動物独特の匂いがあるのでまずはそれを和らげる処理が必要になってきます。 こうしてラグーなどの煮込みにする場合は一晩ワインや香味野菜と漬け込むことで独特の匂いを押さえ、また肉質を柔らかくする効果があるのでまずはこの処理からラグー作りをスタート。 また若い猪肉の場合は匂いも穏やかで肉質も柔らかいのでこうしたマリネの手間を省くことも出来ます。いずれにせよ、信頼できる肉屋で購入するのがベスト。猪肉でも脂肪が少なく筋肉質なもも肉がラグーには向いて、煮込むと美味しい部位とされます。 そしてラグー作りの黄金のルールとも言えるのが 弱火でことこと、じっくりと。 これはもちろんこの猪肉のラグーにも当てはまるので、あせらずじっくりと作ってみて下さい。 さて、では前置きはこの辺で。 …

insalata di bianchetti, シラスとルッコラとオリーブのサラダ

しらすとオリーブとルッコラのイタリアンサラダ

しらす、釜揚げしらすと言えば日本ではとても一般的な食材だけれど、イタリアでもわずかながらも食されているんです。 今日はこの釜揚げしらすを使ってちゃちゃっと簡単にイタリアンサラダにしてみよう。 しらすに合わせるのはオリーブ、ルッコラ、そしてレモンの皮のすりおろしにレモン汁。もちろんたっぷりのオリーブオイルもかかせない調味料。 ルッコラが手元に無ければカイワレ大根でも美味しいかと思います。 Visualizza questo post su Instagram Un …

魚介ソースのタッコネッティtacconetti al sugo di pesce

魚介ソースのタッコネッティ

タッコネッティ(tacconetti)とは南イタリアのアブルッツォ州のひし形をしたパスタ。同じアブルッツォ内でも地域によってはサニェ(sagne)とも呼ばれます。 このパスタに使うのは硬質小麦の一種でタンパク質の含有量の多い、デュラム小麦のセモリナ粉。 セモリナ粉は南イタリアのパスタには欠かせない材料で、通常の小麦粉にくらべて黄色っぽい色をしているが特徴です。 そしてこのタッコネッティ、アブルッツォのアドリア海沿岸地域ではこうして魚介ソースに合わせるのが定番。対して内陸部ではひよこ豆やインゲン豆などの豆のソースとよく合わせらます 。 ソースに使う魚は特に決まりはないけれど、イタリアでメルルッツォと呼ばれる小さなタラ、同じくイタリアでラッツァというエイの一種、ホウボウ、ヒメジ、イカ、シャコやムール貝がよくこういう魚介ソースに使われる魚。これらは地中海、アドリア海の魚なので日本で手に入る魚で旬の魚や手に入るものを何種類か適当にミックスすればOK。どんな魚を使うにせよ甲殻類や貝類を混ぜると味がよくなるし、大きな魚の切り身ではなく小さな魚を少なくとも3-4種類使うと魚介の美味しい出汁がでます。 またこういった魚介のトマトソース煮にパプリカを使うのはアブルッツォ州の特徴。我が家ではパプリカが手元に無ければ少々のパプリカパウダーを加えることもある。こうしてパプリカを加えるとソースの風味がUPするので是非試して下さい。 そしてソースに使う魚介類はパスタと一緒に食べることはなく、セコンド(メインディッシュ)としていただく。 余談だけれど、イタリアでは一般の家庭でもパスタやリゾットのプリモと呼ばれる炭水化物系の第一の料理から始まり、肉や魚のセコンド(メインディッシュ)に移るというコース仕立てで食べる。なのでパスタの上に大きな魚が乗っているプリモとセコンドが合体したような一皿というのは実はイタリアではあまり見かけない。 手打ちパスタに海の幸の香りがぎゅっと詰まったソース。 この組み合わせで美味しくないわけがない。 …

pesce san pietro マトウダイ(サンピエトロ)

マトウダイ(サン・ピエトロ)のレモンハーブ焼き

サンピエトロとは? サン・ピエトロ(San Pietro)とは日本でマトウダイと呼ばれる魚で体長40-50㎝ほどの大きな魚。その顔つきに反して上品な味わいの白身が美味しく、イタリアでは高級魚としても知られています。 ちなみにサン・ピエトロとは聖ピエトロがこの魚を捕まえるのに手で腹を押さえたところに黒い斑点が出来たという伝説が名前の由来だそう。 このサンピエトロを今日は豪快なオーブン焼きに。 魚自体の味が良いのであまり味付けをせずにシンプルにレモンスライスとタイム、少しのニンニクで香りづけをするだけ。鱗も無い魚なので魚屋さんで内臓を取り除く下処理をしてもらえば本当に簡単に出来てしまう一品です。 タイムは魚料理によく使われるハーブだけど無ければイタリアンパセリなどの他のハーブでもOK。 美味しく焼き上がったらあとは取り分けて食べるだけ。カシラのほほ肉なんか特に美味しいのでここもきれいにいただこう。   もちろん、よく冷えた白ワインも忘れずに!   …

焼きポレンタ polenta grigliata

焼きポレンタ

北イタリアやイタリアの山岳地帯でよく食されているポレンタ。 ポレンタとは主にトウモロコシの粉から作るお粥のような料理のことで、イタリアでは冬によく食されているおなじみの料理なんですよ。 このポレンタの少しアレンジした食べ方がこの焼きポレンタ。 どんなものかと言えば、出来立てのポレンタを平らに広げて冷まし、好きな大きさにカットしてからグリルパンで軽く焼いて温めなおしたもの。 イタリアではいっぱい作って余ったポレンタを翌日にこうして食べることも多いんです。 ポレンタそのものは淡泊な味なのでこの焼きポレンタに溶かしたチーズや、ハム、サラミ類と合わせて食べるのが定番の食べ方。合わせるソースを工夫すればいろいろなアレンジが出来るしまた上の写真のようにアンチョビなどを乗せても美味。 日本ではまだ馴染みのない食材、ポレンタ。 イタリアでは結構メジャーで、こんなアレンジの仕方もあるんですよ。 材料 作り方

cardi

カルド(カルドン)の食べ方とレシピ集

この野菜について知っていたら、かなりのイタリア通と言えるかもしれません。 知る人ぞ知る イタリア野菜のカルドとは? どうやって食べるの? 次から詳しく解説していきますね! カルド(カルドン)とは? カルドとはカルチョーフィ(アーティチョーク)の仲間のキク科の野菜。 イタリアではスーパーやメルカートで割とよく見かける野菜でイタリア語ではカルド(cardo)、もしくは複数形のカルディ(cardi)と呼ばれます。園芸好きの方ならカルドンという英語名で観賞用の花として聞いたことがある人もいるかもしれませんね。 旬は10月末から2月ごろの秋冬で葉を取り除いた茎の部分が可食部となります。淡い緑色のセロリのような見た目ですが、大きいものだと1〜1.5mほどの大きさにもなります。 味はフキのような繊細で淡泊な味で軽くアーティチョークやゴボウのような香りがします。 ピエモンテ州の特産であるカルド・ゴッボは生でも食べられますが一般的なカルドは生では苦みが強く、繊維質で固いので表面のトゲやスジを丁寧に取り除いた後に下茹でして食べます。 またカルドには観賞用のタイプのものもありそちらは濃い緑色をしていますが、食用タイプのものは苦みや固さを和らげるために布などをかぶせて光を遮断させる軟白栽培を行います。そのため色も白っぽい薄緑色をしているのも特徴です。 …

チーマ・ディ・ラーパと豚バラのマスタード炒め cima di rapa e pancetta saltato con senape in grani

チーマ・ディ・ラーパと豚バラの粒マスタード炒め

チーマ・ディ・ラーパ(cima di rapa)とはイタリアのカブの菜の花のこと。ほんのりとした苦みとわずかに感じる酸味がとても美味しい野菜でイタリアの冬には大抵のスーパーで売っている定番野菜の一つ。イタリアでは略してチーマと呼ばれたりもします。 このチーマを使った簡単で美味しい一皿がこの豚バラと合わせた粒マスタード炒め。 チーマ・ディ・ラーパの代表的な料理というか、組み合わせにサルシッチャというイタリアのソーセージを合わせるのが典型的な食べ方だけれどなるほどこのチーマと豚肉というのはやはりしっくりきます。またここへ加える粒マスタードの酸味が豚肉の脂身をさっぱりと仕上げてくれるのでモリモリ食べれる一品に。 ちょっとしたコツとしては全体に塩胡椒をするのではなく豚バラのみにしっかりと塩胡椒を効かせると味の強弱というか、リズムが生まれてより美味しくなりますよ。 また豚バラを炒める時はフライパンに豚肉を入れてから火にかけると、豚の脂身が固くならずに上手く脂が溶け出してくるのでじっくりと炒めるのがおすすめ。   ご飯のおかずにもイタリアンの副菜にでもいけるこの一皿。 チーマ・ディ・ラーパが無ければ日本の菜の花でも代用できるので菜の花レパートリーの一つにいかがでしょうか? …

ブイヨン ブロード

【基本&裏技 どちらも解説!】ブイヨン/ブロードの作り方と保存方法

「ブイヨンを家庭で作ってみたいけど難しそう。」 そう思う人は多いです。 でも美食大国イタリアでは今でも多くの人が “普通に” “家庭で” ブイヨンを作っているんですよ。 イタリア語でブロードと呼ばれるこの料理について、 本格的な作り方 から 超お手軽な作り方 まで詳しく解説していきます。 ブロード(ブイヨン)とは? イタリア料理において、日本の “出汁” に相当するものがこのブロード (brodo)。 日本ではブイヨン、またはブロスと呼ばれているスープのことで、様々な料理に使われる、まさしく日本の出汁と同じような存在です。 …

shogayaki maiale allo zenzero 豚の生姜焼き

白ワインで作る柔らか豚の生姜焼き

日本の家庭料理の大定番の一つ、豚の生姜焼き。 普通は酒やみりんで作るのだけど、イタリア暮らしの我が家は手に入りやすくて値段も安い白ワインでよく作るんです。   さて、豚の生姜焼きは家庭によって様々なレシピや味があると思う。 我が家のレシピは “豚肉をたれに漬け込む作り方”。 ワイン、醤油、ブラウンシュガーに生姜の液に漬け込むことでしっかり目に火を通しても豚肉は柔らかいままに仕上がります。   これは一体どういうことか?   肉のタンパク質は酒やワインに漬け込むと各種酸の働きで酸性に傾きます。酸性に傾いた肉というのは保水量が増えて柔らかくなるためこうして酒やワインで漬けこんで肉を柔らかくするという方法は日本でもイタリアでも王道なやり方。 …

torta di mosto cotto e frutta secca モストコットのケーキ

モストコットとナッツのケーキ

日本ではまだまだ知られていないイタリアの食材の一つがこのモスト・コット(mosto cotto)。 モストコットとは一言でいうと『葡萄の濃縮液』でぶどうの絞り汁を何時間も煮詰めてソース状にしたもの。イタリアではこのモストコットを使った伝統菓子が各地にあるんです。 さてこのモストコット、イタリアではこうしてお菓子づくりによく使われるのだけど、定番の組み合わせがカカオやオレンジ、そしてナッツ。やはりモストコットのあの味にこれらの香りはよく合います。 イタリアではモストコットのお菓子はよくヴェンデミアと呼ばれる葡萄の収穫後、11月~クリスマス時期にかけて作られるのですが、この香りをかぐと『イタリアの秋』を感る、そんな味。   日本ではまだまだ珍しいモストコット。 イタリアではこんな風に使っているんですよ。   モストコットとナッツのケーキの作り方 …

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