ブイヨン(ブロード)の作り方と保存方法

ブイヨン(ブロード)の作り方と保存方法

ブロード(ブイヨン)とは?

イタリア料理において日本の “出汁” に相当するものがこのブロード (brodo)

日本ではブイヨンやコンソメ、またはブロスと呼ばれているスープのことで様々な料理に使われる、まさしく日本の出汁と同じような存在です。

 

ブイヨンと言えば、固形ブイヨンや顆粒の市販されているものを使う人が多いと思います。市販のものを利用する一番の理由は “手軽だから”  ですが実は手作りのブイヨンスープはそんなに難しいものではないんですよ。

特に野菜のブイヨンなんかアッという間に出来てしまいます

肉のブイヨンはそれなりに時間はかかるけれど、深みと旨味の強さはやはり肉のブイヨン独特のものです。

そして両方のブイヨンとも冷蔵庫で保存すれば1週間ほどは持つので、時間のある時に作っておくのもおすすめ。

ここでは家庭で出来る簡単なブイヨンの作り方を紹介します。ページの最後に簡単に出来る裏技を書いていますのでまずは手軽に作ってみたいという方はそちらからどうぞ。

 




 

基本のブイヨンの作り方

ブイヨン ブロード
ブイヨンの基本的な材料

 

-材料-

野菜のブイヨン
  • 玉ねぎ 小2個 (大きければ1個でも)
  • 人参  2本
  • セロリ 2本
  • 水   1.5Lほど
  • EVオリーブオイル 少々
  • その他、手元にある野菜、ローリエやパセリ、ニンニクなどをお好みで

※野菜のブイヨンは1リットルほどの少量からでも手軽に作れます。

肉と野菜のブイヨン
  • 牛ブロックや鶏肉(出来れば骨付き)1.5㎏ほど
  • 玉ねぎ 2個
  • 人参  2本
  • セロリ 2本
  • 水   3-3.5Lほど
  • EVオリーブオイル 少々
  • その他、手元にある野菜、ローリエやパセリ、ニンニク、クローブやシナモンスティックなどをお好みで。ニンニクは香りが強いので1-2片程度を皮つきのまま入れます。

※肉のブイヨンはなるべく大き目の寸胴などの鍋で大量に作った方が美味しくできます。

 

-作り方-

 

ブロード ブイヨン

 

  1. 野菜は皮を剥き、適当な大きさに切る。肉も大きめに切る。※細かく切ると濁りが出るのでなるべく大き目に切った方がいいです。
  2. 全ての材料と塩少々を鍋にいれ、最初は中火で、煮立ったらフツフツと沸く程度の弱火で煮る。煮込み時間は野菜ブイヨンの場合は20~30分ほどでOK。肉のブイヨンは3〜4時間ほどアクを取りながら水が¾〜2⁄3程度になるまで煮る。濾して具を取り除いたら出来上がり。

※煮詰め加減はブイヨンを水の代わりに使う場合は軽めに、スープとして利用したい場合はしっかり煮詰めます。

塩は初めに少々入れることで素材の旨みを引き出しますが、煮詰めていくうちに塩辛くなり過ぎないように少々にして下さい。塩味の調整は最後にします

※野菜は玉ねぎ、セロリ、ニンジンが基本だけれどそれ以外にトマト、ズッキーニ、その他の野菜くずなどを加えるとさらに美味しくなります。特にトマトは色付け、旨味を増すためにもあれば少々入れるとよいです。

 




 

ブイヨンの保存方法

清潔な瓶(出来れば煮沸消毒をしたもの)にブイヨンを熱いまま注ぎ口の少し下あたりまで入れ、蓋を閉めて常温で冷ます。粗熱が取れたら冷蔵庫で保存。一週間ほどは持ちます。

冷ます時に熱い瓶を冷水などにつけないこと。急激な温度変化はガラスが割れる原因となり、危険です

冷凍保存する場合は2-3カ月ほど持ちます。また冷凍する場合はブイヨンを冷ました後にジップロックなどに入れて保存しても解凍しやすいです。

 

※瓶を開ける時は中の空気が圧縮され、蓋がかなり固くしまっています。

その場合は写真のように蓋と瓶の間にナイフ等を差し込み、テコのようにして軽くこじ開けて、ポンっと空気が入ったら簡単に開封できます。

 




美味しいブイヨンを作るコツ

1.使用する肉について

ブイヨンにはビーフブイヨン、チキンブイヨンそして牛と鶏のミックスブイヨンがあります。料理やそれぞれの好みに合わせて作り、使用する部位も家庭によって様々ですが以下の写真の部位がブイヨンにはよく使用されます。

またいずれの場合も骨を入れた方が旨味が増すので、ぜひ骨ごと入れてみて下さい。ブロードの基本は骨付き肉を使うことです。

私はよく牛ブロック肉を使用しますが、牛と鶏を合わせるともっと旨味が増します。ただ鶏などの白身肉を使うとやはり少々臭みが出るのでニンニクなどを合わせて入れると美味しくできます。イタリアの義母はよくシナモンスティックを入れているけど、これも香りづけにお勧め。

 

 

ブロード ブイヨン
牛の骨付きあばら肉(ばら)。 旨みが強く濃厚な風味が出るのでイタリアでよくブイヨンに使われる部位。脂身も多いので他の赤身の部位と混ぜて使うのがおすすめです。
ブイヨン ブロード
首、肩などの赤身の牛ブロック。筋肉質で固い部位もブロードには向いています。
ブロード ブイヨン
ターキーレッグや鶏ももなど。いずれの部位も骨付き肉がよいです。
ブロード ブイヨン
イタリアのマンマがブロードに使う肉の例。左上から時計回りに牛肩肉、牛あばら肉、ターキーレッグ。筋肉質の部位、旨みの強い部位、骨つき部位をミックスして使っていますね。

 

ブイヨンに使用した肉はもちろん捨てることなく美味しく頂けます。その際はサルサ・ヴェルデと呼ばれるイタリアンパセリのソースなどをつけても美味しいです。またブイヨンで使用した野菜をフォークで潰したりブレンダーでペースト状にして塩を加え、肉にかけて食べたりもします。

 

2.火加減と野菜、肉を入れるタイミング

ブイヨンは強火でグツグツ煮てはいけない。

弱火でじっくりと煮ることで澄んだスープとなります。反対に強火で一気に煮ると濁りが出てしまうので焦らずじっくりと。火加減は初めは中火で煮立ったらフツフツとした状態を保つ弱めの火加減で煮ていきます。

また、野菜は水から入れて煮るのが基本ですが、イタリアでは “肉も水から入れる派” と “肉は沸騰してから入れる派” に分かれるんです。ブイヨンの伝統的な手法は “肉も水から入れる”  ですが、その理由は水温の上昇とともに肉の旨みが徐々に溶け出してくるから。コラーゲンは水温60℃あたりで溶け出してくるのでゆっくりとした水温上昇は肉の内部からの旨みを出すのに有効的とされます。反対にイタリアでレッソ(lesso)と呼ばれる茹で肉料理は沸騰した湯に肉を入れるのが基本。

ただしこの差はイタリアでも未だに決着がついておらず、「長時間煮込んだ後はその差はほとんど感じられない。」とする専門家もいるくらいなのでお好きな方法でどうぞ。

“水から” か “お湯から” よりも使う材料の質と火加減の方がブロードの味を左右する大きな決め手だと思います。

 

3.野菜や肉の切り方

ブイヨンを作るときは基本的に野菜も肉も大きく切ります。大きく切ることで澄んだスープとなります。特に肉を使用する場合は小さく切ると断面が増えて灰汁も出やすくなり、スープに濁りが出ます。反対に小さく切ると短い時間で肉や野菜の旨みが出ますので急ぎの場合は少し小さ目に切ってもいいかもしれません。

 

4.水の違い

ヨーロッパの水は基本的に硬水、反対に日本の水は軟水。ブイヨンを作るときは硬水の方が向いているとされます。

この水の違いについて、私達の経験からくる小話をひとつ。

私の日本の実家で夫がトマトソースのパスタを作ってくれたことがあるのですが、その時に使った材料はパスタ、トマト、オリーブオイル等、全てイタリアのもの。それなのにイタリアで作るものと何か違う。はて、何が違うのかと考えた結果、思い当たったのはそう、パスタを茹でる水の違い。やはりヨーロッパの料理には硬水が合うのかと気づいた瞬間でした。反対に日本の出汁は軟水の方が美味しくできます。やはり各地の料理はその土地の風土にあうように上手く出来てるものですね。

とは言っても何リットルもの水をわざわざ買ってくるのも大変なので普段使いのブイヨンならいつもの水で十分です。

 

 




それでもブイヨンを作るのが面倒な人への裏技

 

いくら “切って煮るだけ” のブイヨンでもやっぱりわざわざ作るのは面倒、と言う人へ。

裏技的な方法は、

 

カレーなどの煮込み料理をする際にスープをたっぷり作って取っておく。 

 

よく考えればカレーのルウを入れる前って玉ねぎ、ニンジンなどの野菜に肉、とブイヨンの材料そのもの。それを多めに作ってそのスープをお玉ですくって瓶詰めすれば簡易ブイヨンになるんですよ。試しにカレールウを入れる前のスープに少しの塩を加えて味わってみて下さい。ブイヨンの味に近いものが出来ているはずです。グルタミン酸やイノシン酸の溶け出した“旨みのスープ”に軽く塩味が加わると人は“美味しい”と感じるんですよ。

 

茶こしをセットしてお玉ですくって入れると簡単

 

この裏技ブイヨンでは少々濁りと雑味が出ますが、瓶に入れて数時間たてば上部に油脂の層、中間部に澄んだスープ、下部に沈殿物が溜まった3層になるので、この澄んだスープの部分をブイヨンとして利用すればOK。油脂の層は取り除けばあっさりとしたブイヨンに、加熱し溶かしてスープと混ざれば丸みと深みのあるブイヨンとなります。

もちろん数時間丁寧に煮込むブイヨンにはかないませんが、これだけでもちょっとしたブイヨン。ロールキャベツやリゾットなどをする時にも使えますよ。

 

何時間も煮込むのが面倒だな、という時はこんなお手軽ブイヨンもおすすめです。

 

本格的なブイヨンを作ろうと思うと面倒に感じるけれど、”カレーのついで”、と思えば一気に気軽な感じになりますよね。

 

まずはこんな簡単ブイヨンから手作りに挑戦してみてもいいかもしれませんね。

 

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