ピッツァ・エ・フォイユ

“ピッツァ” とあるけれどよく見るあの ”ピッツァ” ではない。
これは夫の出身地、イタリアのアブルッツォ州の郷土料理。トスカーナやシチリアのように有名な州ではないので日本人にはあまり馴染みのないところであろう。かく言う私も夫と知り合うまではアブルッツォ州のことを何一つ知らなかった。
美しいアドリア海とグランサッソ山やマイエッラ山に囲まれた自然豊かなところで観光地化され過ぎていない分、素朴なイタリア、古き良きイタリアが味わえる。
そんなイタリアの大いなる田舎でもあるアブルッツォ、郷土料理もやはり素朴で優しい味わいのものが多い。
このピッツァ・エ・フォイユ(pizz e fuoje またはfujeと言う地域も)とはアブルッツォの方言で ”ピッツァと葉野菜” という意味。文字通り青菜をふんだんに使った冬の定番料理だ。
そしてこのピッツァとはトウモロコシの粉を捏ねて表明をカリッと焼き上げたもの。それを細かくちぎって炊いた野菜と混ぜて食べる。昔は家の暖炉でこのピッツァを焼いていたそうだ。
使う野菜は特に決まりがないが葉物野菜を4~5種類ほど混ぜるのが定番。
先日のオレッキエッテのレシピで紹介したチーマ・ディ・ラーパ、そしてカタローニャ、エルベッテ、ボラージネ(和名:ルリジサ)といった4種の野菜を今回は使用した。少し苦みのある野菜を入れるのが我が家のレシピ。
美味しく仕上げるポイントとしては良質のエキストラバージンオリーブオイルをたっぷりと使うこと。風味がぐんとよくなる。
ただどれも日本では手に入りにくい野菜なので、日本の野菜で作ってみてもいいかもしれない。いろいろな青菜を試してお気に入りの組み合わせを見つけるのも面白い。
おおらかな人が多いアブルッツォ。そう、料理だってルールを決めずに自由でおおらかに行こう。




ingredients (for 4 persons)
- カタローニャ 500g
- チーマ・ディ・ラーパ 500g
- エルベッテ 300g
- ボラージネ 200g
- ニンニク 2片
- パプリカパウダー 大さじ1
- オリーブオイル 100㎖ほど
- 塩 少々
トウモロコシのピッツァ用
- トウモロコシ粉 250g
- 水(熱湯) 250㎖
- オリーブオイル 20㎖程度
- 塩 少々
preparation
- 全ての野菜をよく洗い適当な大きさに切り、沸騰した湯で5分ほど塩ゆでにして湯をきっておく。
- 鍋にたっぷりのオリーブオイルとみじん切りにしたニンニクを入れ弱火で焦がさないように数分炒め、香りを出す。
- 茹でた野菜、パプリカパウダー、塩を鍋に入れ、弱火で30分ほど時々かき混ぜながら煮る。
- 野菜を煮ている間にボウルにトウモロコシ粉、オリーブオイル、塩を入れ、熱湯を注ぐ。火傷しないように注意しながらある程度まとまるまで混ぜる。熱したフライパンにオリーブオイルをひき、生地を手で押しながら1㎝ほどの厚さになるように広げ、両面をそれぞれ6~8分ほど軽く焦げ目がつくように弱火で焼く。
- ピッツァが焼けたら細かくちぎり、炊けた野菜と混ぜて出来上がり。


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