イタリアの高級食材として知られるボッタルガ。
ボッタルガとはどんな食材なのか?イタリアではどんな食べ方をするのか?について詳しく説明していきます。
ボッタルガとは?
ボッタルガ(bottarga)とは魚の卵巣を塩漬けにして乾燥させたイタリアのカラスミのこと。大きく分けて2種類あり、一つはボラ(イタリア語でムッジネ/muggine)の卵巣から作られたのもと、マグロ(イタリア語でトンノ/tonno)のものとがあります。イタリアではサルデーニャ、シチリア、トスカーナが主な生産地として知られています。
ボッタルガの種類
ボラ(ムッジネ)のボッタルガ
高級品とされるのはボラ(ムッジネ)のボッタルガで色は琥珀色をしており、味もまろやかでクリーミー、そしてねっとりとした食感が特徴です。上の写真はムッジネのものでその色からムッジネのボッタルガの産地として有名なサルデーニャでは“サルデーニャの金”とも言われています。サルデーニャ以外にもトスカーナのオルベテッロ(Orbetello)などでも生産されています。
マグロ(トンノ)のボッタルガ
一方マグロ(トンノ)のボッタルガはボラのものに比べて赤っぽい茶色で、味はボラのものに比べるとはっきりとしていています。クリーミーさはボラのものに比べると劣りますが、ボラのものよりも安価に手に入るのでいろいろな料理に使いやすいです。マグロのボッタルガは主にサルデーニャやシチリアで生産されています。

ボッタルガの作り方
ボッタルガの作り方はまず水揚げされたボラから卵巣を取り出して塩漬けにします。その後、塩を内部まで浸透させるためにプレスして平たくし、伝統的な手法では3カ月間ほど風に当てながら天日干しにしたものがボッタルガとなります。※現在はこの乾燥の工程を乾燥機で1週間ほどで行うことも多いです。
ボッタルガの起源
ボッタルガの起源は古く、古代ローマよりも以前のフェニキア人の時代から存在していたそう。ボッタルガという語源はアラビア語で魚の塩漬けを意味する “バターレフ” に由来すると考えられています。今では高級品とされるボッタルガも1950年までは遠洋に出る漁師達の質素な保存食として利用されていたそう、今考えると当時の“質素”とはとんでもない贅沢ですよね。
イタリアのボッタルガ
イタリアではサルデーニャ産のボラのボッタルガものがよく知られており、特にサルデーニャ島の中でもカブラス(Cabras)のものは最高級品とされます。イタリア国内でもカブラス産のボラのボッタルガの販売価格は大体250ユーロ/㎏とかなり高額になります。なぜこのカブラスでボッタルガ作りが発達したかと言うと、そのラグーン(潟)の水や気候がボラの生育に適していたから。カブラスではボラがよく肥える8~9月に漁が行われます。
現在イタリアでサルデーニャ産と表示されているものは実はサルデーニャのボラではなく、モーリタニアなどのアフリカの海や大西洋でとれたボラの卵巣を使用しサルデーニャでボッタルガへの加工を行っているものが多いです。こちらはイタリア国内での値段も100ユーロ/kgと買いやすく、これでも十分美味しいです。カブラス産のボッタルガはイタリアでも流通量が少なく、なんとイタリア国内よりも日本やドイツへ多く輸出されているんですよ。

ボッタルガの食べ方
薄皮を剥いてから、そのままスライスして食べても、パスタに和えても美味しいです。
パスタに和える場合は瓶詰めのパウダー状のものが便利。このすりおろしたボッタルガはフリットにまぶしても美味ですよ。

ボッタルガのレシピ集
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ボッタルガ料理と言えばまずこのシンプルなスパゲッティを試して欲しい。シンプルだけれどボッタルガだけでとっても美味しい一皿。

薄くスライスしたボッタルガにセロリ、オリーブを合わせたサラダ。プロセッコや白ワインにピッタリな一皿。

プンタレッラというほんのり苦みのあるイタリア野菜のフリットにボッタルガパウダーと塩をまぶした一品。プンタレッラでなくてもその他の野菜のフリットや天ぷらにボッタルガパウダーをかけても美味しいですよ。