イタリア料理にかかせない食材、トマト。
イタリアでのトマトの保存方法のひとつがこのドライトマトで、料理のアクセントとしてもよく使われます。次から家庭で出来るドライトマトの作り方や注意点について解説していきますね!
ドライトマトは家庭のオーブンで出来る!
このドライトマトの作り方はいたって簡単で、100度程度の低温のオーブンで乾燥させるだけ。
シンプルに塩だけをかけて乾燥させてもいいし、オリーブオイルやオレガノをかけても美味しいです。
出来上がったドライトマトはそのままワインのあてに食べたり、パスタに使ったりといろいろな使い方が出来ます。
ミニトマトは日本でも簡単に手に入る食材だけれどドライトマトとなるといつでもどこでも安く買えるというものでもないですよね。
それならいっそ手作りしてしまう、といのもおすすめですよ!
ドライトマト / セミドライトマト の作り方・レシピ
材料
- ミニトマト
- 塩
- その他好みで オリーブオイル、オレガノなど
作り方
- ミニトマトを水で丁寧に洗い、水気をふき取って縦半分に切る。
- 天板にオーブンシートを敷き、その上にトマトの皮を下にするようにして並べる。
- 塩をまんべんなく振り 100度のオーブンで100~120分ほど乾燥させる。トマトが焦げそうなら温度を90度程度に下げ、焦げないように注意してください。※好みでオリーブオイルやオレガノなどをかけても美味しいです。※上の写真は約100度で100分ほど焼いたもの。まだ少々水分が残っているセミドライの状態なのでこのまま食べるのも美味しいです。
長期で保存しようと思えば、様子を見ながらもう30分ほど焼いてもっと水分を飛ばして下さい。もしくはこの状態までオーブンで乾燥させてから1~2日ほど天日干ししても綺麗なドライトマトに仕上がります。
※日本で生のトマトから天日干しすると、湿度の高さもありカビが生えやすいです。イタリアでは天日干しで完全なドライトマトにする人も多いですが、やはり南イタリアの太陽と乾燥した地中海性気候のおかげですね。日本で作るならオーブン乾燥→天日干しのミックスでドライトマトにすると簡単で仕上がりもきれいですよ。天日干しにするときは必ず風通しのよいところに置き、夜露にあてないようにしてください。
ドライトマト / セミドライトマトの保存方法
※保存期間は乾燥具合や保存条件により異なりますのであくまでも目安です。
冷蔵庫で保存
袋や容器に入れて冷蔵庫保存できます。セミドライトマトの保存期間は乾燥具合にもよりますが冷蔵庫保存で2週間ほど。
冷凍庫で保存
袋や容器に入れて冷凍保存できます。保存期間は2-3か月ほど。
オイル漬けで保存
オリーブオイルに漬けての保存もイタリアではとても一般的です。
セミドライトマトのオイル漬け
- セミドライトマトを清潔な瓶や容器に入れてオイルが被るように漬ける。オイルが染みたセミドライトマトはそのまま食べても美味しいですよ!保存期間は冷蔵庫保存で2週間ほどです。
ドライトマトのオイル漬けの作り方と注意点(長期保存)
- 瓶と蓋は煮沸消毒(沸騰してから15分以上)をする。
- トマトはセミドライではなくしっかりと乾燥させること。
- オイル漬けする前に水:白ワインビネガー(酸度6%以上)=1:1の割合の液を沸騰させてドライトマトをさっと茹でる。その後キッチンペーパーで水分をよくふき取る。※この作業は、下記で説明する ボツリヌス菌による食中毒 の防止のために行います。
- ドライトマトがオリーブオイルに完全に浸かるようにする。オリーブオイルは空気を遮断して腐敗を防ぐ役目があります。また瓶にドライトマトを詰めたあとにオイルを注ぐ時、空気の泡が入り込みますのでスプーン等で軽く押して泡を逃すようにしてください。冷暗所保存で3-4ヶ月ほどもちます。
ドライトマトに限らず家庭で作る長期保存食のリスクはゼロではありません。また保存期間に関わらず膨張、異臭がするなど少しでも異常を感じた場合は味見をせずに破棄してください。
ボツリヌス菌はオイル漬けなどの低酸素、無酸素状態で強力な毒素を発生する菌でイタリアでは家庭で作るオイル漬けの保存食が原因で発生することが多いことで知られています。ボツリヌス菌については東京都福祉保健局のサイトに詳しく書いてありましたのでそちらをご覧ください。
またオイル漬けなどの家庭での保存食づくりが文化としてあるイタリアにはイタリア保健省の『保存食づくりのガイドライン→Conserve fatte in casa, 10 regole per evitare brutte sorprese (salute.gov.it)』なるものがあります。そこでも野菜のオイル漬けをする際に重要なのは水と白ワインビネガー(酸度6%以上)を1:1で混ぜた液で野菜を茹でて酸度をつけてからオイル漬けにすることがボツリヌス菌食中毒の予防に重要と記されています。
家庭で作る保存食のリスクはゼロではありません。また保存期間に関わらず異臭がするなど少しでも異常を感じた場合はもったいなくても破棄してください。
ドライトマト / セミドライトマト を使ったレシピ集
そのまま食べるのが一番美味しい自家製ドライトマトですが、沢山作って余ったら料理に使うのもおすすめですよ。
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麦を使ったヘルシーなサラダ。行楽シーズンのお弁当にもピッタリ。
意外に思われるかもしれないけれどチンゲン菜とドライトマトって実はとっても相性がいいんですよ。
南イタリア、プーリア州の郷土料理。チーマディラーパとはカブの菜の花のことでイタリアの代表的な冬野菜です。
イタリアでは蕎麦の実をこうしてサラダにして食べるのですがここでもアクセントとしてドライトマトがいい味を出しています。