数あるリゾットの中でも一番簡単なリゾット、リゾット・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風サフランリゾット)。
簡単だけれど、『極上の一品』に仕上げるには、やはりいくつかの “コツ” がいるんです。このシンプルかつとても美味しいリゾットの作り方について、本場イタリアより解説していきます。
ミラノ風サフランリゾットとは?
ミラノ風サフランサフランリゾットとは、サフラン・お米・玉ねぎ・ブイヨンで作る、とてもシンプルなリゾット。イタリア語では、リゾット・アッラ・ミラネーゼ(risotto alla milanese)と呼ばれます。その名の通り、北イタリア ミラノの料理。同じくミラノの郷土料理であるオッソブーコと合わせるのが定番の食べ方です。
ちなみに本場のミラノでは、 リゾット・アッラ・ミラネーゼという名前よりも “黄色いお米” という意味のリズ・ジャルド(ris giald)と呼ばれるんですよ。
このリゾットの特徴でもある、鮮やかな黄色はサフランの色。サフランは高級食材のイメージですが、イタリアではどこのスーパーでも使いやすいパウダー状のものが簡単に手に入り、値段も5-7ユーロ程度なんですよ。
ミラノ風サフランリゾットを美味しく作るコツ
リゾットには美味しいブイヨンを!
このリゾット、味の決め手は料理名にもあるサフランかと思われるかもしれないけれどそうではないんです。
もちろんサフランは香りや色付けには重要であるけど、味のポイントはなんと言ってもブイヨン(イタリア語でブロード)。美味しいブイヨンさえ使えばもうそれだけでほぼ成功したようなもの。
ブイヨンは、是非しっかりと旨味と深みのあるビーフブイヨンを。市販のものを使ってもいいけれど、時間があれば一度手作りに挑戦してみるのもお勧めです。
もっと本格的に作りたければ、牛の髄を使ったブイヨンを使うと、その美味しさは飛躍的にUPします。というのもこのリゾット・アッラ・ミラネーゼは、オッソブーコと合わせて食べるのがイタリアでの定番。牛の髄から作るブイヨンはやはりちょっと大変なので、オッソブーコを作っている時のスープをこのリゾットに加えると本当に “絶品リゾット” に仕上がりますよ。
本格的な肉のブイヨン、簡単に出来る野菜のブイヨンの作り方はブイヨン(ブロード)の作り方と保存方法
のページにあります。
大量に作って保存も出来るので一度手作りに挑戦してみるのもいいかもしれませんね。意外と簡単に出来ますよ!
ブイヨンの温度と加え方に注意!
ブイヨンは熱いものを、少しずつ数回にわけて加えます。
まずブイヨンの温度ですが、冷たいブイヨンを加えてしまうと、その度に温度が下がりお米の火の通りをブロックしてしまいます。すると調理時間が長くなり上手くアルデンテに仕上りません。
またブイヨンは一度に加えずに、お米がひたひたになる量を数回にわけて加えます。お米に少しずつブイヨンを吸わすイメージで作ってみて下さい。
リゾットにはぜひ生米を!
もう一つのポイントはお米。
使うお米は手に入るならばカルナローリ米、アルボリオ米、バルド米などのリゾット用のものを使用した方が美味しく出来ます。そして、お米は洗わないでそのまま炒めるのが基本。なぜ洗わないで使うのかと言うと、お米の表面のでんぷん質を残すことで、クリーミーなリゾットに仕上がるんです。
お米の火の通し方も、お米を噛んだ時にしっかりと弾力を感じるアルデンテで止めるのが本場イタリア流。あまり煮すぎてしまうと、お粥のように仕上がってしまうのでご注意を。リゾットはお粥ではありません。パスタのようにアルデンテに仕上げるので、ぜひ生米から作ってみて下さいね。
※アルデンテ(al dente)とは “芯がある” という意味ではなく『歯に噛み応えを感じる』という意味です。芯が残っているのは生煮えです。
細かいコツは、下のレシピに詳しく書いているのでどうぞ本場の味を目指して作ってみて下さい。
きっとイタリアで食べた、あの美味しいリゾットを再現できるはずですよ!
ミラノ風サフランリゾットの作り方
材料 (2人分)
- 生米(カルナローリ米などリゾット用のものがお勧め) 200g
- サフランパウダー 1袋(0.15g)
- 玉ねぎ ¼個
- バター 40g
- ビーフブイヨン(温かいもの) 600-700㎖
- パルミジャーノ 30g
- 塩 少々
作り方
※工程写真は倍量で作っています。
1)みじん切りにした玉ねぎとバターを鍋に入れる。玉葱に透明感が出るまで弱火でじっくり炒める。
2)火加減を強めてお米を加え(お米は洗わない)、中火~強火で2-3分炒める。こうしてお米を先に炒めてコーティングすることで煮ている間にお米がベチャっと崩れるのを防ぎます。
3)熱いブイヨンをお米がひたひたになるくらいまで加え、サフランパウダーを加えて木べらで混ぜる。中火で煮て、残りのブイヨンをお米に吸わせるように少しずつ数回にわけて加える。
※あまりかき混ぜすぎると粘りが出過ぎてしまいますので、焦げ付かない程度に時々混ぜて下さい。
4)まだブイヨンの水分が表面に残りやや固めのアルデンテの状態になったら火を止め、蓋をしてそのまま1分ほど休ませる。
その後、残りのバターを加えて木べらで混ぜる。
※少し水分が残り、お米に若干の固さを感じる状態で火を止めて下さい。お皿に盛ってテーブルにサーブする数分の間に丁度いい状態に仕上がります。とは言え、芯が残り過ぎているのは“生煮え”。火を止めるタイミングをよく見極めるのが重要です。
5)仕上げにパルミジャーノをすりおろして一混ぜしたら出来上がり!
オッソブーコと一緒に作るならぜひその煮汁をリゾットに加えてみて下さい!忘れられない美味しさの一皿になりますよ!
作り方は『歴史と伝統の本格レシピ オッソブーコの作り方』のページにあります。