イタリアのメルカートで春から夏にかけて出回る花ズッキーニ。
今日の前菜はこの花ズッキーニのイタリアでの一番の定番料理、フリット。
フリットと言ってもそのまま揚げるのではなくて、花の中にモッツアレラチーズとアンチョビを詰めるのがイタリア流で、揚げたて熱々の花ズッキーニの中から溶け出すモッツアレラにアンチョビの塩味のハーモニーがたまらなく美味しい一品です。
花ズッキーニはとてもデリケートな食材なので少し下処理には注意が必要だけど、春~夏のこの時期にイタリア人がこぞって作る、イタリアでもみんな大好きな一皿なんですよ。
デリケートな食材でもある花ズッキーニの扱い方も詳しく説明しています。
このフリット以外にも花ズッキーニを使ったパスタやリピエノなど、その他の美味しいレシピ集もありますよ!
花ズッキーニのフリットを美味しく作るポイント
さてこのフリット、揚げ物なので衣をつけて揚げればいいだけなんだけれど、美味しく仕上げるコツは以下の3点。
- モッツァレラの水切り
- 衣の作り方
- 油の温度
まず1のモッツァレラの水切りについて。モッツァレラはフレッシュチーズの中でも特に水分を多く含むチーズ。これをひと口大ほどにカットして花に詰めるわけだけれど、そのまま詰めると少し水っぽく仕上がってしまうし、油に水分が溶け出すとひどい油跳ねとなってしまいます。そこでモッツァレラをカットして常温でそのまま15-30分ほどキッチンペーパーを敷いたお皿等に入れて置いておき、モッツァレラの水分を抜くのが美味しく仕上げるポイント。
2の衣はシンプルに小麦粉、塩、水の3点のみ。そして花ズッキーニのフリットの場合、天ぷらよりも少し重めの衣にするといいかと思います。具体的には小麦粉1に対して水1.2~1.5くらいの割合。この割合が経験上、しっかりと衣が素材についてサックリと仕上がります。また衣を溶く水をよく冷えた炭酸水にすると更にサクサク感がUPするので手元にあるならば試してみて下さい。
そして3の揚げ油の温度。これは天ぷらにも言えることだけれど、油の温度が低いと仕上がりはべチャっと重たくなってしまいます。またこの花ズッキーニのフリット場合、温度が低い油に入れると揚げてる途中に花が開いて中のモッツァレラが溶け出し、ひどい油はねとなってしまうのでこの温度には少し注意が必要。衣を油に数滴落とし、すぐに浮き上がってくる温度になるまでしっかりと油を加熱してください。
以上の点に注意するだけで、抜群に美味しいフリットが出来るので後は揚げたてを口に放り込むだけ。
よく冷えた白ワインと共に味わうこの花ズッキーニのフリット。
「あ~!たまらない!」
と思わず叫んでしまう季節の一皿をイタリアよりお届けします!
花ズッキーニのフリットの作り方
材料
- 花ズッキーニ 12個
- モッツァレラチーズ 200g
- アンチョビ 10gほど
- 薄力粉 130g
- 炭酸水 200㎖
- 塩
- 揚げ油
※もちろん、もっと少量でも作れますがうちは大抵この量でつくります。イタリアの家庭なのでw。
作り方
1)モッツァレラはひと口大にカットしてキッチンペーパーを敷いたお皿に15-30分ほど置き、水切りをする。花に詰める前にさらに上からキッチンペーパーを被せて軽く押して水分を取る。アンチョビは1-2㎝程度に切る。
2)花ズッキーニはガクの部分と雄しべ、めしべを取り優しく洗ってキッチンペーパーで水気を取っておく(詳しい下処理の仕方はこちら)。
3)花を開いて中にモッツァレラとアンチョビを詰める。
4)花びらの先を巻いてぎゅっと閉じる。
5)薄力粉、塩ひとつまみ、炭酸水を混ぜて衣をつくる。少しドロッとした生地です。この衣を手で塗るようにしてつけると衣が厚くなり過ぎず均一にきれいにつきますし、また花びらが傷つくのも防げます。花からモッツァレラが出ないようにきちんと衣をつけて下さい。
6)花ズッキーニに衣をつけて180℃の油で揚げる。※1衣を数滴落としてすぐに浮き上がる温度になるまで油を熱して下さい。低い温度で揚げるとべたっと仕上がってしまいます。
※2この写真は雌花のフリットです。雌花についているズッキーニが大き目の場合、実を縦に割くように切れ目を入れると火の通りが均一になります。
※3揚がった花ズッキーニを油から取り出すとき、油をきるのは鍋の上ではなくお皿等の上でして下さい。モッツアレラから出た水分が漏れて油跳ねの原因となります。また揚げる時には油跳ね防止の網や鍋の蓋等でブロックすると安心です。