イタリア料理は日本でも幅広い世代に愛される料理。けれどこの カネーデルリ について知っている人はまだまだ少ないのではないでしょうか?
このページではイタリアアルプスの伝統料理 カネーデルリ について詳しく解説していきます。
カネーデルリとは?
カネーデルリ(canederli)とは北イタリアのアルプス地域、特に南チロル地方の郷土料理で、パンと卵をお団子状にして茹でたもの。カネーデルリはドイツ語圏諸国~イタリアの南チロル地方で一般的な料理で地域によりいろいろなタイプがありますが、イタリアでの一番スタンダードなカネーデルリはパン、卵にスペック(Speck)という燻製生ハムを加えたバージョンです。
ブロード(ブイヨンスープ)に入れて食べたり、また上の写真のようにセージで香りづけした溶かしバターとパルミジャーノをかけて食べるのがイタリアでよく見る食べ方。ほかにも溶かしチーズをかけたりするのもアルプス地域ならではの食べ方でとても美味しいんですよ。
ヨーロッパにはいろいろなカネーデルリがあるのですが、レシピの下ではカネーデルリとよく似たドイツのクネーデルとの違いや、カネーデルリと名前の似ているチェコのクネドリーキとは?についても説明しています。
気になる方は読んでみて下さいね!
基本のカネーデルリの作り方
材料 (4人分)
- パン 250g
- 卵 2個
- 玉ねぎ 小½個
- スペック 120-150gほど (無ければ生ハムで代用)
- イタリアンパセリ 少々
- 小口ネギ 少々
- バター 30gほど
- 塩 少々
作り方
1)みじん切りにした玉ねぎをバターで弱火でじっくりと炒める。
2)細切り、または5㎜程度のダイス型にカットしたスペックを加えて数分炒める。
3)ボウルに1㎝角程に切ったパン、炒めた玉ねぎとスペック、刻んだイタリアンパセリ、溶き卵、小口切りにした葱、牛乳、塩を加えてよく捏ねる。牛乳はパンの水分量によって調整してください。※スペックの塩分がしっかりあるので塩は控えめに!
4)5㎝程度のお団子状にし、そのまま15分ほど休ませる。こうして休ませることで生地が安定し、茹でる時に崩れるのを防ぎます。
5)沸騰した湯にカネーデルリを入れて10-15分ほど沸々と沸いている状態を保ちながら茹でる。茹でたら湯から上げてブロードと一緒にサーブしたり、バターやチーズ等をかけて召し上がれ!
カネーデルリのアレンジレシピ集
普通は茹でて作るカネーデルリですが、オーブンで作るとふんわりとくちどけの良いものが出来ます。加える具材をアレンジしていろいろなカネーデルリを楽しんでみてくださいね。
※料理名をクリックするとレシピのページに移動します。
ビエトラ(スイスチャード)を加えて作るカネーデルリ。ビエトラが無ければほうれん草でも作れます。
林檎とゴルゴンゾーラ、そしてくるみを加えたカネーデルリ。ワインにもピッタリ!
タラッサコとは西洋たんぽぽのこと。苦みが美味しい大人のカネーデルリです。
ヨーロッパのいろいろなカネーデルリ
カネーデルリとクネーデルの違いは?
カネーデルリとよく似たものに「ドイツ、オーストリアのクネーデル(Knödel)なら聞いたことがある。」という方も多いのではないでしょうか。
どんな違いがあるのかと言えば、まずカネーデルリとはイタリア語、クネーデルとはドイツ語での呼び方。言語の違いはあるものの基本的にはどちらも『パン等をベースにしたお団子全般』のことを指します。
ドイツでも南ドイツのバイエルン地方ではイタリアのカネーデルリのようにパンをベースにしたお団子ではなく、ジャガイモをベースにしたカルトッフェルクネーデル (Kartoffelknödel) があります。
ヨーロッパでも西欧からチェコなどの中欧諸国へ移動するとクネドリーキ(Knedlky)と名前が変わり、これは小麦粉で作る茹でパンのこと。カネーデルリ、クネーデルと名前はよく似ていますがお団子ではなく、パンとなります。下の写真のようにスライスして肉料理と合わせて食されます。
他にもデザートとして食べる甘いタイプなど、ヨーロッパにはいろいろなタイプのカネーデルリがあるんですよ。そんな各地のカネーデルリを食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。