カチョ・エ・ぺぺ

カチョ・エ・ぺぺ

アマトリチャーナ、カルボナーラと並んでローマの3大パスタとして知られるカチョ・エ・ぺぺ

カチョ(cacio)とはチーズ、ぺぺ(pepe)は胡椒と言う意味。

その名の通りすりおろしたチーズと黒コショウをパスタに和えたシンプルな一品。

このパスタ、イタリアでも簡単なようでいて難しいパスタの一つと言われている。

溶けたチーズがクリーミーにならずにボソボソとした塊となってしまい、うまくパスタと絡まないというのが一番代表的な失敗。

 

まず美味しいカチョ・エ・ペペを作るのに絶対必要なのはペコリーノ・ロマーノという羊のミルクから作られたチーズ。硬質タイプのチーズで塩分がよくきいている。これを一人分につき50gほど使用すること。かといって多すぎると今度は塩分が効きすぎるので50g前後が適量。

ペコリーノ・ロマーノ

 

なぜこのペコリーノ・ロマーノが必要かと言うと、その味はもちろんのこと、他の硬質チーズの代表、パルミジャーノ・レッジャーノと比較してクリーミーさにおいても差が出る

ペコリーノ・ロマーノをすりおろしているとよくわかるのだけれど、パルミジャーノに比べて体温でねっとりと少し溶け出してくる質感がある。これがあのクリーミーなソースに必要というわけだ。レシピの後にはその辺の化学的な説明を書いてみたので興味があれば読んで欲しい。

(左)ペコリーノ・ロマーノ、(右)パルミジャーノ・レッジャーノ。ペコリーノ・ロマーノの方が少し白っぽく質感もねっとりしています。

 

そして使うパスタはスパゲッティなどのロングパスタが定番。

今回はトンナレッリ(tonnarelli)という生パスタを使用した。カチョ・エ・ペペのパスタと言えばこのトンナレッリが代表的。やはり生パスタはクリーミーなソースによく合う。

トンナレッリ

 

ただ慣れないうちは乾燥パスタの方がいいかもしれない。

というのはチーズをすりおろす工程以外はパスタを茹でている間にこなす必要があるから

生パスタだとゆで時間がだいたい5-6分なので手際よくやらなければならず、結構慌ただしい。

 

このカチョ・エ・ペペをプリモピアットにしてセコンド(メインディッシュ)を同じくローマの郷土料理、サルティンボッカにすると気分はもうローマの街角のトラットリア。

 

それでは下のレシピで詳しい作り方を解説しますのでどうぞチャレンジしてみて下さい。

きっと本場で食べたあの味を再現できるはずですよ!

 

 

 

 

ingredients (2人分)

  • ペコリーノ・ロマーノ 100g(ソース用)+ 30g (仕上げ用)
  • 黒コショウ(粗びき) 適量
  • 好みの生パスタ 250g (乾燥パスタなら180g)

 

how to cook

1)ペコリーノ・ロマーノ100gをボウルにすりおろす。
2)沸騰した湯に塩を加えてパスタを茹でる。※ペコリーノの塩分があるのでここでは塩を控えめに
3)フライパンに黒コショウを入れ、パスタのゆで汁をお玉3杯ほど加えて中火で加熱し、ゆで汁に胡椒の香りを移す。※パスタのゆで汁はパスタを入れた直後ではなく軽く泡が出てからにしてください。
4)パスタのゆで汁をペコリーノに加えて泡立て器でよく混ぜる。ゆで汁は一度に加えず3回ほどに分けて加える。加えるゆで汁の量はペコリーノの1~1.2倍ほどになるように。100gのペコリーノに対して100-120gのゆで汁が理想的です。ここでしっかりと混ぜないと後でチーズが塊になってしまう原因となりますのでしっかりと混ぜて下さい。イタリアでは人によってこの工程をミキサーで行う人もいます。
5)パスタのゆで時間の3分の2ほどたったらパスタをフライパンに移し、アルデンテになるまでフライパンを揺すりながら火を通す。その後、火を消して10–20秒ほど軽くフライパンの熱を冷ます絶対にチーズに火を通さないこと、溶けて塊となってしまします!

 

6)ペコリーノのソースを加えてフライパンをゆすりながらよくパスタとソースを混ぜ合わせる。お皿にパスタを移し、仕上げにさらにペコリーノを削り下ろして出来上がり。

 

ペコリーノとクリーミーなソースの秘密について

冒頭でも述べたけれどこのカチョ・エ・ペペの一番難しいのが滑らかなソースを作ることでこれは本場のイタリア人も難しいと感じているところ。

まず、チーズというのはモッツアレラのように水分を含むフレッシュチーズの方がトロリと溶けやすい。反対に水分の少ないパルミジャーノ・レッジャーノなどは高い温度でないとトロリとしない。

重要なのはペコリーノチーズと水分をある温度でよく混ぜ合わせることで55℃くらいで一番滑らかなクリームとなる。そして65℃を超えると今度はチーズのタンパク質が固まってきてしまう。イタリアでも一番やってしまう失敗というのがこれ、チーズをクリーミーにしようとして火を通してしまうこと。これをやってしまうとクリーミーどころかチーズが固まって悲惨な出来になってしまう。

このチーズが塊になってしまう現象を防ぐのに活躍するのが “パスタのゆで汁”。ゆで汁に含まれるでんぷん質がタンパク質の凝固を遅らせる役目を果たすのだ。

余談だけれど、滑らかなチーズ料理と言えばチーズフォンデュ。チーズフォンデュにもグリュイエールチーズやエメンタールチーズの他にコーンスターチなどのデンプンが加えられている。ここでは白ワインの酸もチーズの凝固を防ぐ役割をしている。

 

材料はペコリーノチーズと黒コショウだけなので簡単と思われがちなこのカチョ・エ・ペペ。

 

でも実はこの一皿にはこんな化学も潜んでいるのだから料理というのはなかなか奥が深いものだ。






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