この野菜について知っていたら、かなりのイタリア通と言えるかもしれません。
知る人ぞ知る イタリア野菜のカルドとは? どうやって食べるの?
次から詳しく解説していきますね!
カルド(カルドン)とは?
カルドとはカルチョーフィ(アーティチョーク)の仲間のキク科の野菜。
イタリアではスーパーやメルカートで割とよく見かける野菜でイタリア語ではカルド(cardo)、もしくは複数形のカルディ(cardi)と呼ばれます。園芸好きの方ならカルドンという英語名で観賞用の花として聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
旬は10月末から2月ごろの秋冬で葉を取り除いた茎の部分が可食部となります。淡い緑色のセロリのような見た目ですが、大きいものだと1〜1.5mほどの大きさにもなります。
味はフキのような繊細で淡泊な味で軽くアーティチョークやゴボウのような香りがします。
ピエモンテ州の特産であるカルド・ゴッボは生でも食べられますが一般的なカルドは生では苦みが強く、繊維質で固いので表面のトゲやスジを丁寧に取り除いた後に下茹でして食べます。
またカルドには観賞用のタイプのものもありそちらは濃い緑色をしていますが、食用タイプのものは苦みや固さを和らげるために布などをかぶせて光を遮断させる軟白栽培を行います。そのため色も白っぽい薄緑色をしているのも特徴です。
イタリアでカルドをよく食す州はピエモンテ州、アブルッツォ州、エミリア・ロマーニャ州(特にアドリア海側のロマーニャ地域)などがあります。
カルドン(カルド)の種類
1. カルド・ゴッボ
北イタリアのピエモンテ州、ニッツァ・モンフェラート周辺の特産品であるこのカルド・ゴッボ。ゴッボ(gobbo) =背の曲がったという名が示すように曲がった形が特徴でカルドの中でも一級品とされる品種です。
このカルド・ゴッボは初秋に盛土をして完全に日光を当てない栽培をするため色も白く柔らかいのが特徴。また盛土の中で光を求めて成長するためこのような曲がった形になります。このような軟白栽培のおかげでカルドの特徴である苦みや固さがなく、ほんのりとしたゴボウのような繊細な香りや甘味が感じられます。
カルドの中でも珍しい生で食べられるタイプで、ピエモンテの郷土料理であるバーニャ・カウダには欠かせない野菜です。このカルド・ゴッボの旬は11月〜12月にかけて、一般的なカルドよりも旬が早く、短い季節の野菜です。
2.ロマーニャのカルド2種
カルド・ジガンテ
ジガンテ(gigante)=ジャイアント、という名前が示すとおりのとても大きなタイプのカルド。1.5mほどの大きさになるにも関わらず、可食部である茎は柔らかく苦みも穏やかなのが特徴です。
ドルチェ・ディ・チェルヴィア
アドリア海沿いのチェルヴィア(Cervia)特産のカルド。ピエモンテのカルド・ゴッボと同じように盛土での軟白栽培がされるためこのカルドも生で食べられるタイプ。チェルヴィアでは盛土に海砂を使用するため特有の味と香りになるのが特徴です。
カルド(カルドン)の食べ方
カルドはそのままでは固く、あくや苦みも強いので以下のような下処理をしてから様々な料理に利用できます。生食が可能なカルド・ゴッボも側面のトゲや表面のすじを取ってから食べます。
また灰汁が強く手が真っ黒になるので処理の際はゴム手袋を使用するのをおすすめします。
カルドの下処理方法
1)茎の下の部分を少し切り落とし、茎を一つづつはがす。根元の部分は柔らかくて美味しい部分なので切り落としすぎないように!
2)葉と側面のトゲを削ぐように取り除く。
3)表面のスジを丁寧に取り除く。
4)料理に合わせて適当な大きさに切って水で洗う。切った後は黒ずんでくるのでレモン汁を入れて水に浸けておく。
5)レモンスライスと共に柔らかくなるまで茹でる。ゆで時間は大きなカルド(カルドン)の場合は40分ほど、時々味見をしながら柔らかくなるまで茹でて下さい。この下処理をした後にいろいろな料理に利用できます。
カルド(カルドン)のレシピ集
料理名をクリックするとレシピのページに移動します。
ボルロッティ(うずら豆)とカルドを煮込んだシンプルで素朴な料理。カルド・ゴッボでも普通のカルドでもどちらでも美味しくできます。
アブルッツォ州のクリスマスに食べられる郷土料理。しっかりと柔らかく茹でたカルドに小さな肉団子、卵とパルミジャーノがたっぷり入った旨み抜群でとっても美味しいスープです。
下茹でしたカルドに少しのブイヨン、パルミジャーノとともに焼き上げるグラティナータ。カルドの繊細な香りと味わいが存分に味わえる一品です。
カルド・ゴッボをアンチョビソースで軽く煮た簡単でお手軽な一皿。前菜にもピッタリです。シンプルだけれどカルド・ゴッボの美味しさについついワインが進んでしまいますよ!