簡単に出来るのに とっても美味しいイタリアのパスタ料理、プッタネスカ。
次からこのプッタネスカについて、本場イタリアより解説していきますね!
プッタネスカとは?
なんとも刺激的な名前、プッタネスカ(puttanesca)。
プッタネスカとはイタリア語で “娼婦風の” という意味。
どんなパスタかと言えば、トマトをベースにオリーブ、ケイパーを加えた至ってシンプルなソースのパスタ。
プッタネスカの発祥は?
発祥はナポリとされるけれど、もはやイタリア全体でどこでも作られるお馴染みの一皿で、ナポリから少し北上し、ローマのあるラツィオ州ではここへアンチョビを加えるのが定番です。
そして不思議なことにこの一皿は発祥のナポリではプッタネスカと言うよりもオリーヴェ・エ・カッペリ(olive e capperi/オリーブとケイパー)という言い方のほうが普通。ちなみにナポリの方言ではアウリーヴ・エ・キャッパリエッル(aulive e chiapparielle)となります。
プッタネスカ作りで、イタリア人が大事にしていることは?
このプッタネスカ 材料も作り方もとてもシンプルなので美味しさの秘訣はなんと言っても素材の質。美味しい完熟トマトやオリーブ、ケイパーはこのパスタに欠かせない重要な存在です。
さて、このパスタがどんなものか紹介したところで、この名前の由来が知りたくなってきた方も多いでしょう。
こういう一皿に、 “伝説” は付き物。その辺りのお話については、レシピの後で紹介しますね。
プッタネスカの作り方
材料(たっぷり2人分)
- パスタ(定番はスパゲッティですが写真のようにペンネでも) 230g
- 完熟トマト 650g (or 完熟トマトが無ければトマトピューレ400~500mlほど、もしくはトマト缶1個)
- オリーブ 50g(約20粒)
- 塩漬けケイパー 10-15粒ほど
- オイル漬けのアンチョビ 3-4切れ
- ニンニク 1片
- オレガノ 少々(イタリアンパセリでも)
- 好みで唐辛子 少々
- EVオリーブオイル 大さじ3-4杯ほど
- 塩
作り方
1) 塩漬けケイパーは水で塩を洗い落とす。ニンニクはみじん切りにする。フライパンにオリーブオイル(たっぷり!)、オリーブ、ケイパー、アンチョビ、ニンニクを入れて弱火で数分軽く炒める。
2) 完熟トマトを適当な大きさにカットしてフライパンに加える
3) オレガノを加えて弱火〜中火で15分ほど煮て塩で味を調える。茹でたパスタとよく絡めて出来上がり!※アンチョビやケイパーは塩分がよく効いていますので塩はソースが煮えてから様子を見ながら加えて下さい。
プッタネスカの名前の由来
さてこのプッタネスカ(puttanesca)、冒頭で書いたように “娼婦風” という意味。
いつ頃から存在していた料理かと言えば、1837年にイッポリト・カヴァルカンティ(Ippolito Cavalcanti)がナポリの料理について記した書、“クチーナ・テオリーコ・プラティカ(Cucina teorico-pratica)” にこのプッタネスカについて書いているのが最初。なのでそれ以前から存在していたと考えられます。
発祥にはそれはそれはいろいろな説があるけれど、ナポリ中心部のスペイン地区(Quartieri Spagnoli)というところで生まれたとされるのが有力な説。
このスペイン地区、1900年代初頭まで娼婦街として有名だった場所なんです。ちなみにこのスペイン地区という名前は1500年代にスペインの支配を受けたナポリでスペイン人の居住地区だったことからついた名前。現在はもちろん娼婦街ではなく普通の住宅街、繁華街といった様相になっています。
このナポリの娼婦たちがナポリのあるカンパニア(Campania)州で欠かすことの出来ない定番食材、美味しいトマトにオリーブやケイパーを使ったこのパスタをお客に振る舞っていたとされることからついた名前というのが一番定番の説。
もしくはこのトマトやオリーブの鮮やかな色が娼婦達の “衣装” を思わせるカラフルさだったからとか、娼婦達の仕事前のエネルギー源だったとか、多くの伝説が存在します。
そしてどの説も確証などなく、本当のことなど誰にも分らないんです。
でもこのプッタネスカ、このパスタはそんな “怪しげなベール” がかかったままのほうがいいと思う。
数多くの “伝説” も、この一皿の魅力かもしれないですね。
こちらの料理もトマト、オリーブ、ケイパーで作るソースを牛肉と合わせた抜群に美味しくってとっても簡単な一皿です。
ピッツァイオーラについて詳しくは牛肉のピッツァヨーラの作り方のページに書いています。日本でも手に入る材料で簡単に作れるので牛肉メニューのレシピの一つにいかがでしょうか?