イタリアでは定番料理の一つなのに、日本ではまだまだ知られていない絶品料理のオッソブーコ。
このオッソブーコについて、本場イタリアより解説していきますね!
オッソブーコとは?
オッソブーコ(ossobuco)とは仔牛の骨付きすね肉を煮込んだイタリア、ミラノの郷土料理。
オッソ(osso)はイタリア語で “骨”、そしてブーコ(buco)は “穴” を意味し、その名の通り骨付きすね肉は調理すると中心に穴の開いたような形になるのが特徴です。
さて、肝心のオッソブーコの作り方は難しいものではなく、必要なのは時間。
1時間半~2時間ほどブイヨンと肉を弱火でじっくりと煮ることで肉がほろりと柔らかく、そのソースも肉の旨味がギュッと詰まったとても美味しいものとなります。そしてとろりと溶けた骨の髄をスプーンですくって食べるのがなんともグルメな食べ方。
使うブイヨンは肉のブイヨンがやっぱり美味しいと思います。本格的に作ってみたい方はブイヨンから手作りしてみるのもお勧めだけれど、ブイヨンから作るとかなりの時間がかかるので市販のものを使ってももちろんOK。
大量に作って保存も出来るので一度手作りに挑戦してみるのもいいかもしれませんね。意外と簡単に出来ますよ!
オッソブーコにはトマトを使うバージョンもあるけれど、今回はトマト無しのレシピ。
というのもオッソブーコの歴史は古く、なんと中世の時代にさかのぼるんです。そのためオッソブーコにはトマトを使わないのがオリジナルのレシピ。
そう、この料理が誕生した時代、イタリアにまだトマトは存在しなかったんです。
トマトを使ったレシピは1492年にコロンブスが新大陸を発見し、トマトがヨーロッパに広まった後の話。
ここはひとつ裕に1000年以上の歴史があるオッソブーコの伝統に敬意を表し、オリジナルのレシピで行きましょう。
そしてオッソブーコにはグレモラーダ(gremolada)と呼ばれるイタリアンパセリ、ニンニク、レモンの皮のすりおろしを混ぜたものを仕上げにかけるのもよく見る食べ方で、ほんのりと香るレモンの香りがオッソブーコの美味しさをさらに引き上げてくれます。
ちなみにオッソブーコはミラノの方言ではオス・ビュス (òs büs)と呼ばれ、リゾット・アッラ・ミラネーゼと呼ばれるサフランリゾットと合わせるのが大定番。オッソブーコのソースとリゾットを軽く混ぜながら食べるとそれはそれは美味しい、幸せな一皿となります。
このリゾットの作り方と美味しくつくるコツはリゾット・アッラ・ミラネーゼ(サフランリゾット)のページにあります。
材料も作り方もシンプルで簡単なのでぜひオッソブーコと一緒に味わってみて下さい!
しかしまぁ、1000年以上も前にイタリア人はこんなに美味しいものを食べていたのかと思うと、その歴史と食文化に圧倒されます。
❝美食大国は一日にしてならず❞
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オッソブーコの作り方
材料 (2~3人分)
※1枚400g-500gほどのボリュームのすね肉を使います。かなり量が多いように感じますがやはりオッソブーコは一人一切れずつ食べるものなのでこの分量になっています。と~っても美味しいので意外と食べれちゃいますよ!
オッソブーコ
- 骨付きすね肉 2枚 (1枚400gほどのなるべく分厚いものがいいです)
- ビーフブイヨン 200-300㎖
- 人参 1本
- セロリ 1本
- 玉ねぎ ½個
- 白ワイン 100㎖
- 薄力粉 少々
- バター 30g
- 塩 少々
- 胡椒 少々
グレモラーダ
- レモン(皮を使用するので防腐剤のついていないもの)
- イタリアンパセリ 少々
- ニンニク 1片
作り方
(下準備)
- 玉ねぎはみじん切りにする。
- 人参、セロリは合わせてみじん切りにする。
- (グレモラーダを作る)イタリアンパセリとニンニクを合わせてみじん切りにし、レモンの皮のすりおろしを加えてまぜる。
1)すね肉の周囲にある薄皮を包丁で2、3か所切り目を入れる(加熱中に肉が反り返ってしまうのを防ぐため)。切れ目を入れたら肉に胡椒をふって薄力粉をまぶし、余分な粉をはたいて落とす。
2)フライバンにバターをとかし、玉ねぎを透明になるまで炒める。
3)薄力粉をまぶしたすね肉をフライパンで両面軽く焼き色をつける。
4)白ワインを加えて強火にし、アルコールを飛ばす。
5)人参、セロリのみじん切りを入れ、ブイヨンを加える。蓋をして弱火で1時間半から2時間ほどじっくりと煮る。途中で塩を加え、肉をひっくり返す。時々ソースを肉の上からかけて下さい。仕上げにグレモラーダをかけてソースと一混ぜしたら出来上がり!
(ポイント)
ブイヨンを入れた後、火加減を強めたくなりますがグッと我慢して弱火でじーっくりと煮て下さい。強火にしてしまうと肉が固くなってしまいます。途中で水分が少なくなり、焦げそうな場合はブイヨンをこまめに少量ずつ足して下さい。