『貝と豆』というのは少し意外な組み合わせでしょうか?
けれどイタリアではこういう組み合わせのパスタがあるんです。
このとっても美味しいパスタについて、次から詳しく解説していきますね!
ムール貝とひよこ豆のパスタ(サニェ・チェーチ・エ・コッツェ)とは?
このムール貝とひよこ豆で作るパスタはサニェ・チェーチ・エ・コッツェ(sagne ceci e cozze)と呼ばれるイタリアのアブルッツォ州の郷土料理。
カタカナにするととても長い名前ですが、チェーチとはイタリア語でひよこ豆のこと。そしてコッツェとはムール貝。合わせるパスタはサニェ(sagne)という平打ちのショートパスタでこの3つの名前をつなげただけなんですよ。
ムール貝のうま味、ひよこ豆のホクホク感、そして手打ちパスタ。
『あぁ、これは絶対に美味しいな。』
と食べる前から想像できますよね!
南イタリア全般でよく見られる『ムール貝と豆類』の組み合わせ
このように “ムール貝と豆” の組み合わせは実は主に南イタリアでちょくちょく見られる食べ方。ナポリのあるカンパーニア州やプーリア州、カラブリア州ではひよこ豆がインゲン豆に代わり、ファジョーリ・エ・コッツェと呼ばれる料理もあるんですよ。※ファジョーリ(fagioli)とはイタリア語でインゲン豆のこと。
使うパスタは地域によって異なりますが、いずれもショートパスタを合わせるのが定番。豆類のパスタはやはりショートパスタがよく合います。
ムール貝とひよこ豆のパスタの作り方
材料 4人分
ソース用
- ムール貝 1㎏
- 水煮したひよこ豆 300g
- 玉葱 1/2個
- ニンニク 2辺
- ミニトマト 6-7個
- 白ワイン 50mlほど
- ローズマリー 少々
- タイム(あれば) 少々
- イタリアンパセリ 少々
- EVオリーブオイル 適量
- 塩 少々
パスタ用
- セモリナ粉 300g
- 水 150ml
- 塩 ひとつまみ
- オリーブオイル ひとまわしほど
作り方
パスタ編(ソース作りの前に用意する)
1)ボウルにセモリナ粉、塩、オリーブオイルをひとまわしほど入れて水を加えながらフォークでよく混ぜる。ポロポロとした状態になったら手である程度まとまるまでボウルの中で捏ねる。
2)生地を作業台に移し、滑らかになるまで力強く捏ねる。生地を丸めてボウルへ戻し、固く絞った濡れ布巾をかぶせて30分以上休ませる。
3)打ち粉(分量外)をした台で麺棒で0.7㎜ほどになるまで延ばしていく。時々生地をひっくり返しながら生地がくっつかないように打ち粉をする。
4)幅7㎜、長さ4㎝ほどにカットする。カットした後は打ち粉をまぶしておく。※カットする時はナイフでグッと押し切るようにするとキレイにカットできますよ。
ソース編
1)ムール貝は金だわしで表面の汚れを落として水でよく洗う。髭のような足糸(そくし)は貝が開く方へひっぱり取り除く。※足糸を取った後は貝は死んでしまいますのでなるべく早く調理してください。
2)鍋に洗ったムール貝、1㎝ほどにカットしたトマト、小さく切ったニンニク、タイム(なくても可)白ワインを入れてアルミホイルで落とし蓋をし、鍋のふたをする。強火で2分ほど貝の口が軽く開くまで一気に蒸す。※アルミで覆うことで上下の火の通りのムラを防ぎます。
3)貝を開いて身を取り出す。ここで何個か飾り用に貝殻付きのまま置いといてもいいですね。
4)鍋に残った汁はムール貝の強い旨味の詰まったスープです。後で使うのでこうして茶こし等で濾して取っておく。
5)フライパンにみじん切りにした玉ねぎ、ローズマリー、たっぷりのオリーブオイルを入れて弱火で玉ねぎに透明感が出るまで炒める。
6)水煮したひよこ豆と豆の煮汁(なければ水)をひたひたになるまで加えて10分ほど煮る。
7)4のムール貝の汁を加えてさらに5分ほど弱火で煮る。※ソースは水分たっぷりのスープ状になるように。このパスタはスープパスタのような食べ方をします。
8)最後にムール貝の身、トマトを加えてさっと1-2分ほど軽く煮る。ムール貝の汁は塩分強いのでこの時点で味見をして塩味が足りなければ塩で味を調える。※ムール貝に火を通し過ぎると身が縮んでしましますので、さっと馴染ませる程度に火を通して下さい。
9)沸騰した湯に塩を1%ほど加えてパスタを2分ほど茹でる。茹でたら8のソースと和えて出来上がり!