タユリン・エ・ファシュオーレ(うずら豆のパスタ)

アブルッツォ州の郷土料理、タユリン・エ・ファシュオール(tajuline e fasciuole)。

タユリン(tajuline)とはアブルッツォ州のパスタで幅1㎝、長さ4㎝ほどの平打ちパスタ、地域によってはサニェ(sagne)とも呼ばれる。

そしてファシュオール(fasciuole)とはアブルッツォの方言でインゲン豆のこと。

インゲン豆のパスタはイタリア全土でよくみるけれど一般的に、特に北イタリアではトマト無しの白いソースであることが多い。ところがこのアブルッツォではトマトを使った赤いソースとなる。

豆料理はどちらかといえば秋や冬場のイメージがあるけれど、このボルロッティ豆(インゲン豆の一種のうずら豆)は夏になるとメルカートでフレッシュなものが手に入る。

私達もこれを食べるのは夏が多く、夏の暑さのなかで

「美味しい!美味しい!」

と言いながら必ずお代わりをする一品。

ボルロッティ豆(borlotti / うずら豆)

ソースに使うパプリカも一般的なパプリカではなく細長いタイプ。

一般的な丸いパプリカよりも実が薄く、甘味、香りがやや強い。

義母や叔母たちはこのパプリカを軽く乾燥させてから使っている。そうするとパプリカの香りがソースの中でより強くなるからだ。

私達はこの “半乾燥パプリカ” が無い時はよくパプリカパウダー(辛くないスイートタイプ)を使う。パプリカパウダーなら日本でも手に入ると思うのでパスタやトマトベースのイタリアンを作る時にほんの少しだけ入れてみると風味がよくなるので試して欲しい。

細長いタイプのパプリカ

そして丁寧に作った美味しいソースにはぜひ手打ちのパスタ、タユリンを。

使う粉はデュラム小麦のセモリナ粉。デュラム小麦とは硬質小麦の1種でグルテンの含有量が他の小麦に比べて多いため、もちもちとした食感のパスタが出来る。南イタリアではこのデュラムセモリナ粉をパスタに使うのがスタンダード。北に行くほどイタリアパスタ料理の代表格、ラグーソースのタリアテッレのように軟質小麦の粉に卵を加えた歯切れのよい生地となっていく。

モチッとしたパスタにからむ極上のソース。

お代わりを間違いなくしたくなるパスタの出来上がり!

材料 (4人分)

パスタ

  • デュラムセモリナ粉 400g
  • 水 約200㎖
  • オリーブオイル 少々
  • 塩 少々

ソース

  • うずら豆 300g (鞘から取り出したフレッシュなもの or 水煮したものでも)
  • トマトピューレ 600㎖
  • パプリカ 1個
  • 玉ねぎ ½個
  • ニンニク 2片
  • パプリカパウダー(あれば) 小さじ1
  • バジルの葉 4-5枚
  • EVオリーブオイル
  • 唐辛子(お好みで)

作り方・レシピ

パスタ

  1. ボウルにセモリナ粉と塩、オリーブオイル少々、水を加えて手でよく捏ねる。水は一気に入れず少しずつ加えて生地がある程度まととまる程度で止める。
  2. 生地を打ち台に移し、滑らかな生地になるまで捏ねたら丸くまとめて再びボールに入れてラップをし、1時間程度休ませる。
  3. 生地を薄さ1-2㎜程度になるまで打ち粉をしながら伸ばし広げ、長さ4㎝、幅1㎝の程度に下にある写真のようにカットしていく。カットしたパスタはくっつかないように打ち粉をまぶしておく。
タユリンのカット

ソース

  1. うずら豆は水で洗い、30分ほど塩茹でする。玉ねぎ、ニンニクはみじん切りに。パプリカは5~6㎝ほどの大きさに切る。バジルの葉も1㎝程度に切る。
  2. 鍋にたっぷりのオリーブオイルを入れて玉ねぎとニンニクを弱火でしんなりするまで炒める。
  3. トマトピューレ、パプリカ、バジル、パプリカパウダー、唐辛子、塩を加えて更に10分ほど煮る。
  4. 茹でたうずら豆を鍋に加え、さらに40分ほど時々かき混ぜながら弱火でじっくりと煮る
  5. パスタを沸騰した湯で湯掻く。浮かんで来たら湯掻けたサインなので湯を切り、ソースと絡めて出来上がり。