永遠の都、ローマを旅したことがある人なら このスップリを目にしたことはあるのではないでしょうか?
次からローマっ子たちが愛する このとっても美味しいスップリについて解説していきますね!
スップリとは?
スップリ(suppli)とは牛ミンチやサルシッチャ、生ハムなどとお米をトマトソースで煮て、そのトマトライスにモッツアレラを詰めて揚げたイタリア、ローマのライスコロッケ。
イタリアではスップリ・アッラ・ロマーナ(ローマ風スップリ)やそのままシンプルにスップリとも呼ばれています。またローマではふたつに割った時に伸びるモッツアレラが電話のように見えることからスップリ・アル・テレフォノ(テレフォン・スップリ)なんて呼ばれたりもするんですよ。
ローマ料理として観光客によく知られるのはカチョエペペ、カルボナーラ、アマトリチャーナのローマ3大パスタですが、このスップリもローマの代表的なグルメの一つです。
ラグーソースのライスコロッケの中からモッツアレラがとろけ出すこのスップリはローマっ子が大好きなストリートフード。
イタリア旅行で訪れたローマで地元っ子がこのスップリをかぶりながら歩いているのを見た人も多いかもしれませんね。またはトラットリアでの典型的な前菜の一つでもあります。
もともとは余りものの材料を利用して作られていた料理なので、よくレバーなどの価値の低い、安い内臓部位も混ぜて作られていました。
今でもスップリに鶏レバーなどを混ぜたスップリもイタリアにはあるんですよ。
スップリの名前の由来
さてこのちょっと変わったスップリという名前、一体どこからついたのでしょうか?
1800年代のローマはフランスのナポレオンの支配を受けていた時代。その時代にフランス語でサプライズを意味する “スールプリーズ(surprise)” がこのスップリの語源になったと言われています。
この時代にローマにいたフランス人達がスップリの中から出てくる美味しい具を見て、 “サプライズがある食べ物” と表現したのもなるほど、と思えますね。
スップリとアランチーニの違い
イタリア、イタリア料理好きの方ならご存じの方も多いシチリアのライスコロッケのアランチーニ。スップリとアランチーニはとてもよく似ているのですが一番大きな違いは形。
アランチーニはこぶし大ほどの三角や涙型に作るのが一般的ですがローマのスップリは俵型に成形します。
他にもアランチーニにはサフランを使うとか、グリーンピースを入れる、モッツアレラ以外のチーズも使うなどのパターンも多いですがアランチーニもスップリもそのバリエーションは様々。はっきりと線引して分けるのは難しいと言えるでしょう。
ただローマのスップリの方が割とシンプルな材料で俵型なので揚げやすいため、スップリの方が家庭では作りやすいかと思います。
スップリの作り方
ローマの家庭料理でもあるスップリは牛ミンチだけで作るレシピ、サルシッチャ(イタリアのソーセージ)や生ハムを加えるタイプなどそのバリエーションは家庭やお店によって様々。共通している点はラグーソースでお米を煮ることと中にモッツアレラを詰めて揚げること。
あとはその時に手に入る材料でぜひ気軽に作ってみてくださいね!
材料 (約20個分)
お米のラグー
- 生米 350g
- トマトピューレ 400㎖ (もしくはトマト缶1缶)
- 牛ミンチ 300g
- ブイヨン 約800㎖
- 生ハム(あれば)70g
- すりおろしたパルミジャーノ 50g
- 白ワイン 100㎖
- 玉ねぎ 1個
- 人参 1本
- EVオリーブオイル 適量
- 塩
- 胡椒
仕上げ用
- モッツアレラ 250g
- 卵 2個
- パン粉 適量
- 揚げ油 適量
作り方
1)鍋にオリーブオイル、玉ねぎと人参のみじん切りを入れて玉ねぎに透明感が出るまで弱火で炒める。
2)牛ミンチと細かく切った生ハムを入れて強火にし、白ワインを加えてアルコールを飛ばすように炒める。
3)トマトピューレ(もしくはトマト缶)、塩少々を入れて数分煮る。
4)お米を加える。ブイヨンを少しずつ加えながらお米に火が通るまで煮る。緩いお粥のような状態だと後で成形するときに崩れてしまうので、ブイヨンは少しずつ様子を見ながら加えて下さい。
5)パルミジャーノを加えてひと混ぜし、塩で味を調える。
6)5を1㎝ほどの厚みになるように広げてよく冷ます。オーブンの天板にオーブンシートを敷いてもやりやすいです。
7)モッツアレラは小さく切ってしばらくキッチンペーパーで挟んで置き水切りする。お米のラグーがよく冷めたら7㎝四方程度に切り取ってモッツアレラを入れて俵型に包む。※手を水で塗らすとやりやすいです。
8)こんな感じでどんどん作っていきます。
9)溶き卵にくぐらせる。
10)パン粉をつける。軽く押さえながらしっかりとつけて下さい。
11)180℃の油で時々回転させながら揚げたら出来上がり!いっぱい作って余った分は温め直して食べてももちろん美味しいですよ!