少し前の週末、いつものようにマッシモの八百屋さんで買い物をしているとビーツを見つけた。イタリアでも割とメジャーな野菜だけれどビーツから連想するのはやはり ”ボルシチ“。
と言うことで、夫ともこの日はボルシチにしようと意見が合致。さっそくレシピを探してみると、私の長年の大きな勘違いが明らかになってきた。
まず第一に、ボルシチはロシア料理と思い込んでいたのだが、実はウクライナが発祥らしい。ただロシア人の書いているレシピには当たり前だけれどロシアが発祥と言っているものもある。でも大半がウクライナと書いてあるのでやはりウクライナの郷土料理なのだろう。
そしてもう一つの勘違いはボルシチは肉類とビーツを一緒に煮込むシチューだと思っていたこと。ところがこれも調べてみるとシチューと言うよりもスープ、日本でいうお味噌汁のような存在だということを知った。そしてほとんどのレシピはまず牛肉のスープ(ブイヨン)を作り、肉はいったん取り出して最後にまた加える、とある。もしくは肉はスープの出汁とりのみでボルシチに加えないレシピもある。その辺から見てもやはり、シチューと言うよりもスープだ。
知っている人にとっては当たり前のことなのだろうけれど、ロシア料理や東欧の料理はあまり詳しくない私にとっては結構新鮮な発見だった。料理と言うのは文化、歴史だなぁとつくづく思う。掘り下げていくといくつもの発見があり、学生時代に大好きだった世界史とリンクすることが多くて面白い。”料理から学ぶ世界史” とかの授業があったらめちゃくちゃ面白いだろうな、と今ふと思った。
話しは戻り、このボルシチ、日本のお味噌汁がそうであるように、そのバリエーションは数え切れない。各家庭によって様々なレシピがあり、これがボルシチ!と断言できるようなものが見つからない。
と言うことで、いろいろなレシピを調べたのち、だいたいこの辺りがスタンダードかなぁ、というレシピを作ってみた。
とっても美味しく出来たので、夫と二人で
「これ、本場の味じゃない?」
と言って、笑った。
ボルシチに詳しい方々、どうでしょうか?(笑)
材料 (4人分)
- 牛ブロック 500g
- ビーツ(大) 1個
- キャベツ 200g
- 人参 1本
- 玉ねぎ 2個
- トマトピューレ 100㎖
- 砂糖 大さじ1
- ワインビネガー 大さじ2
- ディル 少々
- サワークリーム 少々
- 塩
- 黒胡椒
作り方
- 人参とビーツは皮を剥き、適当な大きさに切る。キャベツは千切りに、玉ねぎも皮を剥き薄切りにする。牛肉は大き目に切る。
- 牛肉を1.5ℓほどの水で1時間半ほど煮てスープを作る。牛肉が柔らかくなったらスープを鍋に残して牛肉を取り出し、1㎝角ほどに切っておく。
- 別の鍋にキャベツ以外の野菜と砂糖、ワインビネガー大さじ1、トマトピューレ、牛肉のスープをお玉2-3杯ほど入れて20分ほど蓋をして煮る。
- キャベツを加えて更に20分ほど煮る。
- 牛肉と残りのスープ、塩、胡椒、ワインビネガー大さじ1を加えて5分ほど煮る。お皿に入れたら仕上げにサワークリームとディルをのせて出来上がり。