ハンガリーを代表する料理、グヤーシュ(Gulyás/グラッシュ、グラーシュ)。
ひと口にハンガリーのグヤーシュと言っても実に様々なレシピがあり、根セロリを入れたり、白い人参のようなパースニップという野菜をつかったりなど、100人いれば100通りのグヤーシュが存在します。
今回のレシピはハンガリー人のお母さんから直々に教わったレシピ。
材料もシンプルで作りやすく、それでいてとっても美味しい “ハンガリーのお母さんの味” です。
グヤーシュにはいろんなレシピがあるけれど、グヤーシュには欠かせない材料というものがあります。
それはパプリカとパプリカパウダー。
実はハンガリーはヨーロッパでは言わずと知れたパプリカ大国。
ハンガリーの市場へ行けば、ところ狭しと並んだパプリカを見ることが出来るんですよ。
グヤーシュの定番の付け合わせ ノケドリ
グヤーシュには茹でたお米を合わせることも多いけれど、今回はとことんハンガリーにこだわって、ハンガリーのパスタ、ノケドリ(nokedli)を作ろう。
ハンガリーの家庭ではこのノケドリの成型に大根おろし器のような専用器具を使います。
器のような部分に液状の生地を流し込んで前後にスライドさせながら生地を湯に落としていきます。
こうすると形の不揃いなノケドリが出来きるのですが、その不揃いさがグヤーシュによく絡んで美味しんですよ。
そうそう、そして大事なことを最後にもう一つ。
なんとこのグヤーシュ、本場ハンガリーではグヤーシュとは呼ばないんです。
ではこの料理名は一体何なのか、についてはレシピの後で説明しますね。
材料 (4人分)
グヤーシュ用
- シチュー用の牛肉 1㎏
- 玉ねぎ 2個
- 緑パプリカ 1個
- トマトピューレ 150㎖
- 水 750㎖
- パプリカパウダー 大さじ4
- サラダ油
- 塩
ノケドリ用
- 薄力粉 250g
- 卵 2個
- 水 適量
- 塩 少々
作り方
グヤーシュ
1)玉ねぎはみじん切りにする。鍋にサラダ油を入れて玉ねぎを透明になるまで炒める。
2)牛肉を加えて炒める。
3)パプリカパウダーを加えて軽く炒める。
4)トマトピューレ、水、縦四等分に切ったパプリカを加える。蓋をして弱火~中火で2時間ほど煮込む。
5)水分が半分以下になり、トロリとしたソースになったら塩で味を調えて出来上がり。
ノケドリ
1)ボウルに小麦粉と卵、塩少々を入れてよく混ぜる。水を少しずつ加えてよく混ぜる。生地の水分量の目安はスプーンですくってポタポタと落ちる程度です。
2)沸騰した湯に塩少々を加える。ノケドリ板の器の部分に生地を入れて前後にスライドさせながら生地を湯に落としていく。ノケドリが浮かんで来たらすくって湯をよく切る。
実はハンガリーではこの料理はグヤーシュと呼ばない???
実はこの料理、タイトルに括弧をつけてペルケルトとしているけれど、本場ハンガリーではグヤーシュではなく、ペルケルト(pörkölt)が正しい名前。
なぜかハンガリー以外の国ではこのペルケルトがグヤーシュと呼ばれているんです。
本場のハンガリー国内ではグヤーシュとは肉と野菜のスープでペルケルトとはちょっと異なる料理。
ちょっとややこしいことを書いてしまったけれど、一般的には (ハンガリー以外の国では) この牛肉のシチューのことをグヤーシュと呼ぶのでここでもグヤーシュとしています。
ハンガリーでもブダペストのような観光地以外ではグヤーシュと言ってもこの牛肉のシチューは出てこないのでご注意を!
ブダペスト旅行記にてこの美しい町並みや、素朴なハンガリー料理やハンガリーのついて紹介しています。