スペッツァティーノとは聞きなれないイタリア料理かもしれませんね。でもイタリアの家庭ではとてもよくスペッツァティーノを作るんですよ。
次から「イタリアのスペッツァティーノとはどんなもの?」 「どうやって作るの?」 について詳しく解説していきますね!
スペッツァティーノとは?
スペッツァティーノ(spezzatino) とはひと口大にカットした肉を煮込んだイタリア料理。
とろりとしたシチューのようなスペッツァティーノもあればスープタイプのものもあり、一口に『スペッツァティーノ』と言ってもそれはそれはいろんな種類がある、とても幅の広い料理です。
使う肉にとくに決まりはありませんが、スペッツァティーノと言うと一般的には牛肉がよく使われます。
また、一緒に煮込むのも野菜だったり、赤や白のワインだったり、トマトソースだったり、と『スペッツァティーノと言えばコレ!』という決まった形のない料理なんです。
スペッツァティーノの意味は?
スペッツァティーノとは、動詞 『spezzare (スペッツァーレ) =ちぎる、分割する』から来る言葉。そしてイタリア語で語尾に『○○ティーノ』とつく言葉は『小さな○○』という意味になるんです。つまり、スペッツァティーノとは、『小さくちぎった(切った)もの』という意味なんですよ。
スペッツァティーノを美味しく作るコツ
今回紹介するのは赤ワインとブイヨンで煮込むとてもシンプルなスペッツァティーノ。これを美味しく作るコツは玉ねぎキャラメル、肉を焼き付けること、そして一晩寝かせること。
玉葱キャラメル
玉葱はよく“飴色玉ねぎ”と言われるように、じっくり炒めることで甘味が出て美味しくなります。が、これは本気でやるとかなり時間(1時間ほど)かかるんですよね。なのでここでは “ちょっとズルい” 方法でやっています。玉ねぎを炒める時に少量の砂糖を加えてキャラメライズしてしまうんです。
でもこのずるい方法だと10分程度で済むし何度やっても美味しいんですよ。なので下のレシピで包み隠さず書いてます。※飴色玉ねぎそのものの味、というより最終的な仕上がりが美味しい気がします。もちろん、じっくり1時間炒めてもよいですよ!
肉を焼き付ける
肉を入れた時によく焼きるけること。これも何度もスペッツァティーノを作ってみて気づいた点。そして鍋肌に残った焼き汁をこそげ落とすように後で加える水分と混ぜ合わせると味に深みが出てきます。
一晩寝かせる
王道ですね。やっぱり一晩寝かせるとより深みとコクが出てきます。
スペッツァティーノの作り方・レシピ
材料 (4-5人分)
- シチュー用牛肉 (少し筋が入っているものがおすすめ)700g
- 玉ねぎ 2個
- 赤ワイン 150ml
- トマトピューレ 200ml
- ブイヨン 800ml
- 砂糖 小さじ1.5杯
- ローリエの葉 3枚ほど
- 小麦粉 適量
- サラダ油 適量
- 塩 少々
- 胡椒 少々
※ブイヨンは市販のものでもいいし、『ブイヨンの作り方 基本と裏技』で紹介しているとっても簡単な裏技ブイヨンを私はよく使います。また、野菜のブイヨンよりもやはり肉のブイヨンの方が味に深みが出ます。
作り方
1)鍋にサラダ油少々を入れ、スライスした玉ねぎと砂糖を入れて軽く1分ほど炒めながら混ぜる。
2)水大さじ1-2杯程度を加え全体を馴染ませる。
※水は入れ過ぎると玉ねぎを “煮て” しまうので、“湿らせる程度の量” で大丈夫です。
3)蓋をして玉ねぎが焦げない程度に火加減を強め、鍋肌に軽く茶色い炒め汁がつくまで待つ。
※火加減はお手持ちの鍋によって調整する必要があります。“真っ黒こげにならない程度の強めの火”で加熱してください。
4)『少し茶色くなり出したら全体を混ぜて蓋をし、再び強めの火で加熱』を何度か繰り返して全体が飴色になるまで蒸し炒める。焦げ付きそうなら水を少々加えて下さい。だいたい10-15分程度で飴色になります。
5)一口大に切った牛肉に胡椒と小麦粉一握りほどをまぶし、手で全体をほぐすように肉にまんべんなく小麦粉を馴染ませる。
※スプーンなどで混ぜるより、手でザッザっとやる方がうまく混ざります。
6)5の牛肉を加える。強めの火で鍋肌に牛肉をぎゅっと押し当てながら肉に軽い焦げ目が付くように炒める。
※ちゃかちゃかと混ぜるのではなく、『ぎゅーーーと鍋肌に肉を押し付けながら炒める』感じです。ここで肉汁が鍋肌につくのでそれをこそげ落とすように混ぜながら炒めて下さい。
7)赤ワインを加えて強火でざっと混ぜる。
8)トマトピューレ、ブイヨン、ローリエの葉、塩少々を加える。
※市販のブイヨンを使う場合は塩味がついているので塩はここでは加えない。塩味は最後に調整してください。
9)蓋をしてはじめは中火、煮立ってきたら弱火にし、3時間ほど煮る。鍋底が焦げないように、時々かき混ぜて下さい。
水分が⅔ほどになるまでじっくりと時間をかけて煮ていきます。
9-補足)イタリアではこうして木のスプーンを置いて少し蓋をあけて煮るのが定番。こうしてゆーっくりと水分を飛ばしていきます。
10)一晩寝かせて翌日に温めなおして完成!ポレンタと一緒に召し上がれ!