クロアチアの印象は “青” だ。
イタリアと同じアドリア海を眺める国なのにその青はイタリアのそれとは異なる。
ドブロブニクのオレンジ色の屋根を輝かせる青、パグ島の白い大地に映える青、そしてプリトヴィッツェの新緑と混ざりあう青。
2017年の夏、そんな美しい “クロアチアン・ブルー” を巡った旅について少し書きたいと思う。
イタリアとクロアチアの文化が溶け合う街 ロヴィニ
ミラノを朝から出発した私達は5時間ほどでクロアチアの最初の街、ロヴィニまでやってきた。
長いバカンスの始まりはのんびりと行こう。
ここロヴィニはかつてはイタリア領土だったこともありイタリア語がよく通じる。
そしてこのロヴィニにある鐘楼はベネチア共和国の支配下にあった影響でベネチアのそれとよく似ている。
街の雰囲気もイタリアの海辺の街のようだ。6月だけれどすでにバカンスの人々で賑わいを見せていた。
クロアチアもイタリアと同じく朝市がよく開かれるようだ。
滞在先のレジデンスのオーナーから街の中心で毎日メルカートが開かれると聞いた。
現地のメルカートには当然行ってみたい私達は翌日に早速朝市へ行ってみた。
地元の野菜や今朝取れた新鮮な海の幸が並んでいる。
チェバプチチというクロアチア名物の挽肉にパプリカなどの香辛料を混ぜて棒状にした皮無しのソーセージもある。
ここでいろいろな食材を買って早速料理をしよう。
完全にバカンスモードの私に夫が作ってくれたのは新鮮な海の幸で作ったブロデット・ディ・ペッシェ(魚のスープ)だった。
このロヴィニは夜の街歩きが楽しい。
夕食後は街へ夕涼みがてらの散歩。
いろいろなパフォーマーが海辺で街の楽しい雰囲気を作り上げている。
ジェラートを食べながらのんびりと街歩きを楽しみ、バカンスの初日は過ぎていった。
プリトヴィッツェ湖群国立公園 -世にも美しい奇跡の場所-
私がクロアチアで一番行きたかった場所、プリトヴィッツェ。
あのエメラルドグリーンのようなどこまでも透き通るブルーの湖に流れるいくつもの滝。
そしてそれを彩る新緑。
あの幻想的な美しさを一度この目で見たいと思うのは私だけではないだろう。
そしてプリトヴィッツェはその期待を裏切らない。
公園は大きくわけて上湖と下湖に分けられ、駐車場も広いメインの入口はエントランス1。
ただホテルのオーナーから
「今の時期は絶対にエントランス2から行きなさい。」
とのアドバイスをもらったのでそれに従ってエントランス2から入り、上湖群から周遊をスタートした。
これが大正解。
エントランス1から入っていたら大混雑でチケットを買うのも公園内のフェリーに乗るにも相当な時間がかかっただろう。
子供がまだ2歳だったのでしっかりと歩いてくれるか少し心配していたけれど全長8㎞ほどの高低差のあまりない道なので子供連れでも歩きやすい。
そして6月はもう夏だけれど遊歩道は木陰になっているところが多く、横を流れる小川から涼しい風が吹いてくるのであまり暑さも感じない。
途中で透き通った水の中を泳ぐ魚を見つけては面白そうに眺めている娘、数メートル歩く度に写真に収めたい光景が現れるので立ち止まる私達。
そんなのんびりペースで散策したのでたった8㎞のルートに丸一日かかってしまった。
そして心配していた娘の体力。
最後の高低差のある階段を登らなければいけないところでなんと娘がウトウト。。
しかし抱っこして汗だくになりながら登り切った坂から見えたのはプリトヴィッツェを上から見渡せる絶景。
あのエメラルドグリーンと新緑の織りなす見事な色彩。
疲れも吹き飛んだ瞬間だった。
そして、もう一つここプリトヴィッツェでの締めくくりの思い出。
それは散策を終えて公園のパブのテラス席でトレッキングシューズを脱ぎ捨てて裸足で飲んだビール!
そんな散策後の一杯を楽しむママとパパを横目にお昼寝から覚めた娘は公園内にいた猫と楽しそうに遊んでいたのだった。
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