シャット(そば粉とチーズのフリット)

シャット(sciatt)とは角切りにしたチーズにそば粉の衣をつけて揚げた、北イタリアのロンバルディア州のヴァルテッリーナ地方の郷土料理。
この料理に使うチーズはポレンタ・タラーニャやピッツォッケリにも使われるヴァルテッリーナのチーズ、カゼーラ(casera)。
加熱するとよく伸びるチーズで、さっくりとしたそば粉の衣の素朴な香りとこのとろけるカゼーラチーズの組み合わせは何個でもいけてしまう美味しさ。
日本ではカゼーラは簡単に手に入らないと思うので、セミハードタイプの他のチーズで作ってももちろん美味しい。

そしてもうひとつ、このシャットの重要な材料がそば粉。このヴァルテッリーナ地方は北イタリアのスイス国境付近に位置する場所。ここでは寒冷地でも育つ蕎麦の栽培が昔から盛んでこの地方の料理にはそば粉は欠かせない存在。
このそば粉の衣をたっぷりとつけて揚げると、油のなかである生き物の形に見えてくる。それがこのシャットの名前の由来。
そう、シャットとはヴァルテッリーナの方言で “ヒキガエル” という意味。 確かにころんとした形にちょんちょんと手足が伸びたカエルに見えなくもない。
そしてこのたっぷりとつける衣をさっくりふんわりにしてくれるのがビール。
イタリアではよくフリットにビールを加えるけれど、これだけで簡単にふんわりと揚がる。
ヴァルテッリーナではこのシャットはサラダと共にサーブするのが定番で、チコリ系の苦みのあるものとよく合わせられる。
でもこれちょっと危険かもしれない。
なぜなら、揚げたてのシャットの美味しさとサラダのさっぱり感で本当に何個でもいけてしまうから(笑)
ingredientis (約15-20 個分)
- 薄力粉 80 g
- そば粉 70 g
- 好みのチーズ 100 g
- ビール 120 ml
- 炭酸水(普通の水でも可)40 ml
- グラッパ(無しでも可) 大さじ1
- 塩
- 胡椒
- 揚げ油
how to cook
- ボウルに薄力粉とそば粉、塩小さじ1程度、胡椒少々を入れて泡立て器で混ぜ合わせた後、ビール、炭酸水、グラッパを加えてもったりとした生地になるまでよく混ぜる。
- 1㎝程度に角切りにしたチーズに衣をたっぷりとからめ、スプーンですくって170℃に熱した油できつね色に揚げる。