イタリアでの “残り物を使った” 代表的な料理がこの パッパ・アル・ポモドーロ。
パッパ・アル・ポモドーロとは一体どんな料理なの? どうやって作るの?
次から詳しく解説していきますね!
パッパ・アル・ポモドーロとは?
パッパ・アル・ポモドーロ(pappa al pomodoro)とは固くなったパンをトマトソースで柔らかくして食べるトスカーナの家庭料理。
もともとは固くなったパンを美味しく再利用するためのクチーナ・ポーヴェラ(cucina povera/質素な料理)と呼ばれる料理だけれど、美味しいトマトがあれば固くなったパンもこんなに美味しく食べられるのかと気づかされる “イタリアのマンマの知恵” 的な一皿と言えるでしょう。
パッパ・アル・ポモドーロで大事な材料とは?
究極にシンプルなこの料理の美味しさの秘密は何といってもトマトソース。
これが美味しければパッパ・アル・ポモドーロはそれだけでもう完成したようなもの。夏場ならぜひ完熟トマトで作ってみてほしいし、それ以外の季節なら美味しいトマトピューレを使うのが大事。
酸味の強いトマトを使う場合は砂糖を少しだけ加え、甘味を少しプラスするのもありです。
パッパアルポモドーロにはどんなパンを使うの?
そしてこの料理の主役でもある “固くなったパン” はイタリア語で pane raffermo (パーネ・ラッフェルモ)と呼ばれ、イタリアのレシピには“材料”としてよく登場するんです。
というのもイタリアのパンはバターなどを使わないで小麦粉、水で作るシンプルなパンが主流。そして乾燥した気候のためパンにカビなどが生えることなくカチカチに乾燥するというのはよくあること。
イタリアでは固くなったパンは捨てるものではなく、“固くなったら料理に使うもの” と捉えられているんです。
ちなみにこのパッパ・アル・ポモドーロに使われるのはトスカーナ特有の塩が入っていないパン。
このトスカーナのパンが絶対に必要とするイタリア人も多いけれど、この料理の本質は “余りものを、手軽に、美味しくする” ことにあるので使うパンにはあまり拘らなくてもいいのかも、と思います。
日本でもお米が大事な作物であるようにイタリアでも昔の人は貴重なパンを捨てることなくいろいろな料理に利用してきたんです。どうしても捨てなければいけない時はバーチョ(キス)をパンにして謝罪や感謝の気持ちをこめてから捨てていたそう。
こんな飽食の時代にあっても固くなったパンで作るこんな質素な料理が大好きなイタリア。
なんかちょっといいですね。
パッパ・アル・ポモドーロの作り方
材料 (2-3人分)
- 固くなったパン 250-300g
- トマトピューレ 800ml (量はトマトピューレの濃さによって調整してください。トマト缶を使う場合は2缶ほどをブレンダーでピューレ状にしてください)
- 玉ねぎ ¹⁄3個
- ニンニク 1辺
- バジルの葉 少々
- EVオリーブオイル 50ml
- 塩 少々
- ※野菜のブイヨン 200mlほどで固くなったパンを戻してもいいです。
作り方
1)みじん切りにした玉ねぎ、にんにく、バジルの葉をオリーブオイルで弱火でしんなりとするまで炒める。
2)トマトピューレと塩少々を加えて蓋をし、弱火で15分ほど煮る。濃厚なトマトピューレを使う場合は水少々を加えて下さい。後で加えるパンに水分を吸わせるのでサラサラとしたスープ状のトマトソースになるようにして下さい。※好みで野菜のブイヨンを加えてもいいです。野菜のブイヨンを使う場合は玉ねぎを抜いてもいいかと思います。
3)一口大程度にカットしたパンを加えてひと混ぜして蓋をし、15-30分ほどおいて馴染ませる。
4)木べら等でパンを崩すように混ぜ合わせる。仕上げにオリーブオイルをたらしたら出来上がり!