もちっ! ジュワ~!
と、とーっても美味しいこのイタリア料理、 パッロッテ・カーチョ・エ・オーヴェとは一体どんな料理なのか?
次から解説していきますね!
パッロッテ・カーチェ・エ・オーヴェとは?
パッロッテ・カーチェ・エ・オーヴェ(pallotte cace e ove)とは南イタリア、アブルッツォ州の郷土料理。
パッロッテとはお団子、カーチェはチーズ、オーヴェは卵のことで、その名の通りすりおろしたチーズに卵、そして少々のパンを混ぜてお団子状にして揚げたものをトマトソースに絡めて食べる素朴な一品です。
ジュワ、もちっと揚がったチーズのお団子にトマトソースが染み込んだパッロッテを口に放り込む幸せといったら!一度食べると本当に癖になります。
ちなみにカーチェ・エ・オーヴェはアブルッツォの方言。これをスタンダードなイタリア語にするとカーチョ・エ・ウォーヴァ(cacio e uova)となります。イタリア語でエ(e)とはアンド(&)のことなので和訳するとそのまま『チーズと卵のお団子』という料理名なんですよ。
使うチーズやトマトソースはどんなもの?
使うチーズは羊牧の盛んなアブルッツォ州ならではのペコリーノチーズ(羊のミルクから作られるチーズ)をメインにパルミジャーノや他の牛乳のチーズをミックスさせたりと家庭によってその配合は様々。
本来ならアブルッツォのペコリーノチーズで作るのが一番現地の味が出せるけれど、日本ではなかなか手に入らないと思うのでまずは手に入るペコリーノチーズかパルミジャーノなどのチーズで作ってみるのも手。
※ペコリーノチーズでもペコリーノ・ロマーノなどの塩分のよく効いたチーズを使う場合はチーズの分量、配合に注意して下さい。塩辛くなりすぎてしまいます。
そしてチーズのお団子と合わせるトマトソースはいろいろ加えずシンプルに。
チーズの揚げ団子がそもそも旨味たっぷりで美味しいので、それに合わせるソースはトマトの酸味でさっぱりと仕上げるというのは、なるほど理にかなった組み合わせ。
この料理、もともとはクチーナ・ポーヴェラ(cucina povera / 質素な料理)と言われるもの。
ところが昨今のイタリアではこういった昔ながらの素朴な料理が見直され、再評価されてきているんですよ。
食べてみるとその理由がお分かりいただけるかと思います。
「これが質素な料理?こんなにも美味しいのに!」
と。
パッロッテ・カーチョ・エ・オーヴェの作り方
材料 (4㎝程のお団子約10個分)
チーズ団子用
- ペコリーノチーズ 150g (無ければ手に入るチーズでもOKですがペコリーノ・ロマーノは塩分がかなり強いので使う量を50g程度にし、他のチーズと混ぜて下さい)
- パルミジャーノチーズ 50g
- 卵 3個
- 固くなったパン 30gほど
- 薄力粉 少々
- 揚げ油 適量
トマトソース用
- トマトピューレ 400㎖ (もしくはトマト缶 1缶)
- 赤パプリカ 1個
- ニンニク 1片
- バジルの葉 数枚
- EVオリーブオイル
- 塩
作り方
1)ペコリーノチーズ、パルミジャーノをすりおろす。
2)卵を別のボウルで割りほぐし、すりおろしたチーズに加えて混ぜる。すりおろしたパンを少しずつ加えて混ぜ、耳たぶほどの柔らかさの生地になるように調整する。※チーズの塩分があるので塩は加えない。
3)4㎝ほどのお団子状にして薄力粉を軽くまぶす。
4)油できつね色になるように表面をさっと揚げる。※後でトマトソースと煮るので中まで火を通そうとしなくてもいいです。じっくりと揚げるとお団子が固くなってしまいます。
5)トマトソースを作る。フライパンにたっぷりのオリーブオイルを入れ、適当な大きさに切ったパプリカ、みじん切りにしたニンニク、バジルの葉を入れて弱火で軽く炒める。
6)トマトピューレと塩を加えて蓋をし、弱火で10分ほど煮る。
7)チーズのお団子をソースのフライパンに入れ、ソースを時々上からかけながら蓋をして弱火で5分ほど煮る。