日本でニョッキというとジャガイモのニョッキが一般的かと思います。でもニョッキの本場イタリアではこのローマ風ニョッキの存在も忘れてはいけません。
ローマ風ニョッキとは一体どんなものなのか?どうやって作るのか?
次から詳しく説明したいと思います。
ニョッキ・アッラ・ロマーナ(ローマ風ニョッキ)とは?
ニョッキ・アッラ・ロマーナ(gnocchi alla romana)とは穀物の粗びき粉であるセモリナ粉と牛乳で作るニョッキにバターやペコリーノチーズやパルミジャーノ等のチーズをかけて焼き上げたもの。ローマの郷土料理としてイタリアでは広く知られている料理です。
一般的なニョッキはジャガイモから作られるのに対してこのニョッキ・アッラ・ロマーナはジャガイモを使用しません。
じゃがいものニョッキがいろいろなソースに合わせられるのに対し、このセモリナ粉で作るニョッキはバターとチーズと一緒に焼き上げるこのローマ風の食べ方が一番スタンダードな食べ方です。
セモリナ粉とは?
ニョッキ・アッラ・ロマーナに使われるのはイタリア語で セモリーノ(semolino)と呼ばれる粉。セモリーノとは小麦や米やトウモロコシなどの穀物から作られる粗びきの粉全般を指します。
少しややこしい話になるのですが、パスタの原料であるデュラム小麦のセモリナ粉 はイタリア語でセーモラ(semola)と呼ばれます。セモリーノもセーモラも日本語では “セモリナ粉” と訳されますが、セモリーノは上で書いたように穀物全般の粗びき粉のこと。対してセーモラはデュラム小麦から作られる粉を指します。
とはいえ、現在のイタリアでは “ローマ風ニョッキ用” として売られている粉はデュラム小麦のセモリナ粉、つまりセーモラ(semola)である事も多いです。
ニョッキ・アッラ・ロマーナ(ローマ風ニョッキ)を上手に作るコツ
このニョッキ・アッラ・ロマーナの作り方自体はとても簡単でセモリナ粉を牛乳で炊いてピュレ状になったものを筒状に成型し、切って焼くだけ。
コツとしては熱々のうちに成型し、その後しっかり冷ましてから切ることです。
熱々のうちに成型しないと生地がうまくまとまりません。そして筒状にした後に切る時に冷えていないと今度は生地がポロポロと崩れてしまいます。
スライスした後はたっぷりのバターとチーズをかけて焼くだけととても簡単なのでぜひチャレンジしてみて下さい。
ニョッキ・アッラ・ロマーナ(ローマ風ニョッキ)の作り方
材料 (4人分)
- セモリナ粉 250g
- 牛乳 1ℓ
- バター 80g
- 卵黄 2個
- パルミジャーノ・レッジャーノ(生地へ入れる分) 80g
- ペコリーノチーズ or パルミジャーノ 50g(仕上げにふりかける分)※
- ナツメグパウダー 少々(無ければ省略可)
- 塩 少々
※ペコリーノチーズはペコリーノ・ロマーノではなく、塩分も味も穏やかな一般的なペコリーノチーズを使います。ペコリーノ・ロマーノを使う場合は塩分が強いのでパルミジャーノと合わせるなどして下さい。
作り方
1) 鍋に牛乳とバター40gを入れて温め、ふつふつと沸いてきたら泡だて器でよく混ぜながらセモリナ粉を振り入れる。
2)火加減を弱め、塩少々とナツメグパウダーを加えて滑らかになるまで10分ほどよく混ぜ続ける。
3)火を止めて卵黄とパルミジャーノのすりおろし80gを加えてよく混ぜる。
4)オーブンシートの上で生地が熱いうちに火傷に注意しながら直径5㎝ほどの棒状に固める。
5)オーブンシートできっちりと包み、そのまましっかりと冷ます。
6)冷めたら1㎝弱にスライスする。バター(分量外)を塗った耐熱皿に並べてペコリーノチーズ(or パルミジャーノでも)をたっぷりとすりおろす。
7)残りのバター溶かしてまんべんなくふりかける。180℃に予熱したオーブンで25分ほど焼いたら出来上がり!
※耐熱皿へのニョッキの詰め方は層にせずに一段だけの方がすべてのニョッキの表面がこんがりと焼けて美味しいです。耐熱皿の大きさによって2層ほどで詰める場合はチーズの量を増やし、各層の間にしっかりとチーズをすりおろして下さい。