colatura di alici コラトゥーラ 

イタリアのちょっと珍しい調味料、コラトゥーラ。

次からこのコラトゥーラについて、本場イタリアより解説していきたいと思います。

コラトゥーラとは?

コラトゥーラ(colatura)とはカタクチイワシを塩漬けにして熟成させて抽出したエキスのことで、いわゆるイタリアの魚醤。

コラトゥーラの作り方は水揚げされたカタクチイワシの頭と内臓を取り除いた後、塩とイワシを層になるようにして漬け込みます。そのまま熟成させると樽上部に旨みたっぷりのエキスが溜まります。樽の中心に穴をあけ、そのエキスを取り出し丁寧にろ過したものがこのコラトゥーラ。ちなみにコラトゥーラという名前はイタリア語のコラーレ(colare/水などがぽたぽたと落ちる、ろ過する)という動詞からきています。熟成期間は数か月から長いもので3年ほどになります。

色は写真のように澄んだ琥珀色をしており、その味わいは魚醤独特の香りがあるものの味はマイルドでとても強い旨みを感じます。同じカタクチイワシから作られるアジアの魚醤のナンプラーやニョクマムとよく似ていますが、コラトゥーラの方が香りがマイルドのように感じます。

colaltura コラトゥーラ
コラトゥーラ作りの様子。写真のように木の樽に漬け込んで熟成されるため、樽の表面には染み出た塩がついています。その後表面の塩は自然に落ちたり払い落とされます。

イタリアで唯一このコラトゥーラが作られているのはリゾート地として有名なアマルフィ海外の漁師町、チェターラ(Cetara)というところ。コラトゥーラは実はイタリアでもなかなか手に入らない調味料、アマルフィを訪れたらこのチェターラまで足を延ばしてみるのもおすすめです。

チェターラの街 cetara
チェターラ(cetara)の街

ちなみにこのコラトゥーラ、一体いつの時代から存在していたのかと言えば古代ギリシアのころから魚を熟成させて出来たエキスの調味料があったそう。これが古代ローマにも伝わり、その調味料はガルム(garumu)と呼ばれていました。

日本の魚醤やタイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、と魚を塩漬けにして保存するという考え方はどこも共通。イタリアとアジアと遠く離れていますがよく似た製法で同じような旨み調味料があるというのはなんとも面白いですよね。

ちなみにコラトゥーラと同じくカタクチイワシを塩漬けにして作られるのは日本でもお馴染みのアンチョビ。独特の香りのコラトゥーラに比べると使いやすいのでアンチョビもイタリア料理には欠かせない存在です。アンチョビについて詳しくはアンチョビの美味しい食べ方とレシピ集のページにあるのでこちらもどうぞ。

コラトゥーラはどこで買えるの?

コラトゥーラを探しても、お店ではなかなか見つからないですよね。日本でコラトゥーラを買おうと思ったら、一番簡単なのはやはりオンラインショップ。ちなみに、イタリアでもコラトゥーラは普通のお店ではなかなか売ってないアイテムなんですよ。

日本で買える、高評価のコラトゥーラです。

コラトゥーラの使い方

イタリアでのコラトゥーラの一番シンプルで簡単な味わい方はパスタにかけてみること。コラトゥーラを使う時の注意点としては塩分がよく効いている調味料なので、塩加減に注意がいります。コラトゥーラをパスタにかける場合はパスタを茹でる時に塩を加えないようにして下さい。

その他にも魚介料理や野菜料理に使ったりとコラトゥーラの食べ方は様々。イタリアでは魚のスープに少しコラトゥーラを加えて旨みを増すのに使われたりします。料理の隠し味として少量使ったり、同じカタクチイワシで作られるアンチョビのような使い方が出来ます。

またオリーブオイルやレモンと混ぜて強い香りを和らげると、その旨みを生かしてサラダのドレッシングなどにしても美味しいです。

ルッコラ、鯖缶、ひよこ豆のコラトゥーラサラダ insalata di rucola, ceci, sgombro e colatura
ルッコラ、ひよこ豆、鯖缶、紫玉ねぎのサラダにコラトゥーラを少しかけて。いつものサラダがグッと美味しくなりますよ!

コラトゥーラのレシピ

料理名をクリックするとレシピのページに移動します。

spaghetti con colatura di alici koコラトゥーラのスパゲッティ
コラトゥーラのスパゲッティ

塩を加えずに茹でたスパゲッティにコラトゥーラとオリーブオイル、ニンニクのソースと和えるだけ。見た目のシンプルさからは想像できない美味しさがあります。イタリアのコラトゥーラの一番スタンダードな食べ方がこれ!

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