【基本のテクニック!】生米から作る。 本格チーズリゾット(リゾット・アッラ・パルミジャーナ)

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

リゾットの本場、イタリア

リゾットの一番基本とも言える、リゾット・アッラ・パルミジャーナ(パルミジャーノのチーズリゾット)の作り方を紹介します。

「本場ではどんなお米を使うの?」、 「どうやって作るの?」

次から詳しく解説していきます!

イタリアでは、リゾットは生米から作る!

まず、本場イタリアではリゾットは 必ず生米から 作ります。

ちょっと想像してもらえば、すぐにお分かりいただけると思うのですが、炊いたご飯でリゾットを作ると、アルデンテには仕上がりません。お粥のようなリゾットになってしまいます。

まず、イタリアのリゾットは アルデンテで、クリーミーな仕上がりです。

では、アルデンテで、クリーミーに、仕上げる『秘密』は一体何なのか?

次から詳しく解説していきます!

どんなお米で作るの?

イタリアにはいろいろなお米の種類があるのですが、その中でもリゾットに適しているとされるのが、カルナローリ米、アルボリオ米、ローマ米、バルド米と言った、イタリアではスーペルフィーノ(superfino)と分類される大粒のお米。

カルナローリ米とコシヒカリの比較
(左)カルナローリ米、(右)日本のお米(コシヒカリ)

上の写真を見て下さい。(左)カルナローリ米、(右)日本のお米(コシヒカリ)。大きさも全然違いますね。

カルナローリ米だと、煮崩れしにくく、米粒同士が団子状にならずにきちんとセパレートし、クリーミーに、アルデンテに仕上がりやすいです。

つまり、リゾットに適した性質のお米なんです。

もちろん、日本のお米でも調理時間短めにするなど、工夫すれば美味しくは出来るのですが、イタリア人に日本のお米とよく似た品種で作ったリゾットを出すと、

「美味しいんだけど、リゾットというよりはミネストラのような感じ。」と言います。やはり、お米の粒の大きさがそもそも違うので、舌に感じる米粒の感触、噛んだ時の食感も違うんですよね。

“手に入るのであれば”、ですが、リゾットはやはり リゾット用のお米で作る と抜群に美味しくなりますよ!

お米の成分の違いが、リゾットの出来の違い。

では、イタリアのリゾット用のお米と、日本のお米は、その大きさ以外でも 何が違うのでしょうか?

まず、お米の成分は7割がでんぷん質で出来ています。そのでんぷん質には、大きく分けてアミロースアミノペクチンの2種類があります。

  • アミロース : 煮崩れのしにくさに重要。
  • アミノペクチン : 粘度が高く、お米と一緒に調理するスープ等の味をよく吸収する性質がある。

日本のお米は、アミロースの比率が低く、アミノペクチンの割合が高いのに対し、リゾット米は 日本のお米に比べてアミロースの比率が高いんです。とはいえ、アミロースの比率がさらに高いタイ米等だと、今度はブイヨンの味を吸収しにくいため、美味しさに欠けます。

カルナローリ米などのリゾット用のお米は、このアミロースとアミノペクチンの比率がちょうどリゾットに適したお米なんですよ。

お米を洗わない理由は?

「イタリアのリゾットは、お米を洗わずに調理する。」と、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

日本人からすると、とても違和感のあるお米の調理法ですが、実はちゃんと理由があるんです。

お米を洗わない理由は、お米表面のでんぷん質を残して、リゾットをクリーミーに仕上げるため

リゾット作りのプロセスには、一つ一つちゃんと理由があるんですよ。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA
リゾットの表面にうっすらと膜がはるように、クリーミーに仕上がるのが理想です。

アルデンテに仕上げるコツ

そもそも、アルデンテってどういう意味?

イタリアのリゾットはアルデンテ! と言っても、そもそもアルデンテって、どういう意味か知っていますか?

アルデンテとは、イタリア語で Al dente と書くのですが、dente(デンテ)とは、ずばり『歯』のこと。そこへ冠詞前置詞のal (アル) がついた言葉が アルデンテです。

アルデンテの意味は、『歯にぐっと噛み応えを感じる食感』のこと。

“お米に芯がある” ということではないんです。芯があるのはクルード(crudo / 生煮え)、反対にお粥のように柔らかく炊いてしまうとストラコット(stracotto / 煮え過ぎ)です。

リゾットを上手くアルデンテに仕上げには、いくつかのコツ があるんです。

下のレシピで詳しく説明していますので、ぜひ挑戦してみて下さいね。

コツさえつかめば、本場で食べるリゾットをおうちでも再現できますよ!

ブイヨンは熱々で!

リゾットには、熱いブイヨンを使います。

なぜ熱々でないといけないかと言うと、

『冷めたブイヨンを注ぐと、その度に加熱がブロックされて 上手くアルデンテに仕上がらないから』

この辺は、何度もリゾットを作っているとわかるのですが、冷えたブイヨンを注ぐとお米が『お粥のような仕上がり』になってしまうんです。

ブイヨンを注ぐ度に鍋の中の温度が下がり、加熱に余計な時間が掛かってしまうのが理由です。

ブイヨン、いつも顆粒コンソメを使っていますか?実は家庭でもブイヨンは簡単に作れます。【基本と裏技どっちも解説!】ブイヨン/ブロードの作り方と保存方法 | BACCHETTE E POMODORO で詳しく説明しているので一度手作りブイヨン挑戦してみませんか?

ブイヨンは、一度に入れずに少しずつ!その理由は?

一度にブイヨンを注いでしまうと、お米が煮え過ぎてしまいます。

たっぷりのブイヨンの中でグラグラと炊くのではなく、リゾットは、『熱々のブイヨンを、少しずつお米に吸わせるような感覚』で作りましょう。

こうしてブイヨンを少しずつ加える理由は、他にも『水分量の調整がしやすい』ことがあげられます。

お米によっても水分の吸水量、加熱時間は異なるので、少しずつ様子を見ながらブイヨンを加えることは、実はとても理にかなった方法なんですよ。

一度にブイヨンを入れてしまうと、水分が多すぎても取り除くことは出来ないですよね。

基本のチーズリゾットの作り方・レシピ

材料 (2人分)

  • リゾット用のお米 200g
  • 肉のブイヨン 約700ml
  • 玉葱 ¼個
  • パルミジャーノ 70g
  • バター 50g+30g
  • 白ワイン 80ml
  • 塩 少々

作り方

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

1)みじん切りにした玉ねぎを、バター50ℊとともに鍋に入れる。弱火で玉ねぎに透明感がでるまでじっくり炒める。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

2)火加減を強めてお米を入れ、炒める。

※1の玉ねぎのソテーを取り除いてからお米を炒めると、さらに仕上がりがよくなります。

ですが、玉ねぎと一緒に炒めてももちろん美味しいし、手間の面でも簡単なので、イタリアではこの玉ねぎと一緒に炒める方法がよく用いられます。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

3)強火のまま白ワインを加え、アルコールを飛ばす。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

4)火加減を中火に落とし、ブイヨンをお米が浸かるまで加える。お米がブイヨンを吸ったらまた加える、を繰り返す。

焦げ付かない程度に時々混ぜる。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

5)ブイヨンの水分がまだあり、お米はやや硬めのアルデンテの状態で火を止める。

ここでまだ芯が残っているとダメ。リゾットは火を止めるタイミングをよく見極めるのが重要

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

6)そのまま蓋をして1-2分ほど休ませる。

休めている間にお米が結構ブイヨンを吸収します。火を止める時点で、ブイヨンの量はお米表面にしっかり残り、『ちょっとまだ水分が多いかな?』という量で調整します。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

7)バターを加えて木べらでしっかりと混ぜる。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

8)すりおろしたパルミジャーノを加え、木べらでよく混ぜる。味見をして、塩で味を調える。

※ここでよく混ぜることで、クリーミーに仕上がります。

生米で作る基本のリゾット/ RISOTTO ALLA PARMIGIANA

9)おまけ。イタリアではリゾットはよくこうしてひらたくお皿に盛られます。お皿にリゾットを入れた後に、下からポンポンと叩くと、キレイに整いますよ!

※こうして平たいお皿に盛る理由は、見た目の美しさはもちろん、粘性のあるリゾットをかるく冷まし、食べやすくするためでもあります。

まぁ、家庭ではそこまでしなくてもいいですけどね。

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