簡単なのにとっても美味しいイタリア料理、カチャトーラ。
カチャトーラとは一体どんな料理? 本場ではどうやって作るの?
次から解説していきます!
カチャトーラとは?
鶏肉のカチャトーラは、イタリア語ではPOLLO ALLA CACCIATORA (ポッロ・アッラ・カッチャトーラ)と呼ばれます。その意味は “鶏肉の猟師風”。※日本語では カチャトーラ と呼ばれますが、正しい発音は、 カッチャトーラ と、音がはねます。
どんな料理かと言えば、鶏肉を香味野菜・ローズマリーやローリエなどの ハーブ類と一緒に、じっくりと煮込んだ料理。
猟師風という名前の通り、本来は狩猟肉であるウサギや、鶏を丸ごと一羽捌いて煮込む、豪快な料理です。
カチャトーラの発祥は?
カチャトーラの発祥はトスカーナとよく言われますが、とくに文献や証拠が残っているわけではありません。
ただし、料理のスタイルから見ても、トスカーナを含む 中部イタリアの料理だろう、ということは想像できます。
カチャトーラのバリエーションは?
現在では、カチャトーラは北から南までイタリア全土でよく作られる、とても一般的な家庭料理です。
なのでそのバリエーションも様々。家庭によってトマトを入れたり、入れなかったり。赤ワインで作ったり、白ワインで作ったり、と『カチャトーラはこうであるべき』という決まりは実はとくに無い、幅の広い料理です。
北イタリアではトマトを入れないイン・ビアンコ(in bianco)のタイプもありますし、南へ行くとやはりトマトの使用量も増えた赤いカチャトーラが多いです。
ただ、いろいろなカチャトーラを見ても、イタリアのスタンダードは “鶏肉のトマト煮” と言うよりも、トマトは色付けや風味付けに使う程度のタイプが多いです。
カチャトーラを美味しく作るコツ
“炒めて煮るだけ”、なカチャトーラはとても簡単なイタリアの家庭料理です。気負う必要は全くありませんが、美味しく作るポイントをいくつかまとめてみました。
鶏肉はぜひ 骨付き部位 を!
本来は鶏一羽まるごと使う料理ですが、イタリアでも丸ごと一匹ではなく、もも肉で作る人も多いです。
もも肉で作る場合でも、イタリアでは“骨付き肉”で作ります。 骨があることで、より旨味のあるソースになり、そのソースに鶏肉を絡めながら食べるのが最高!な料理です。
豚骨や牛骨スープはとても美味しいように、鶏肉も骨と一緒に煮込むことで、うま味がより強く出てきます。
ソッフリットはじっくりと炒めよう!
カチャトーラはまずソフリット(soffritto)と呼ばれる玉葱、人参、セロリ、ニンニクのみじん切りを炒めた香味ベースを作ります。
ソフリットが野菜ブイヨンの役割を果たし、そこへ骨付き鶏肉のうま味が合わさるので、自然なうま味がぎゅっっっ!と 詰まったソースになるんですよ。
ただし、ソフリットの炒め方が雑だとやはり、仕上がりも少し雑な味になります。野菜のうま味を引き出すように、弱火で焦らずじっくりと炒めて下さいね!
カチャトーラには赤ワインを使ってみて!
“鶏肉の煮込み” と言うと、なんとなく白ワインを使用するイメージが強いかと思います。
でもこのカチャトーラには、赤ワインで煮ること!
食べてみるとわかるのですが、赤ワインの力強さがこのカチャトーラには バシッと決まります。もしも使うワインを選べるのであれば、北イタリアの繊細な赤よりも、中部~南のパワフルな赤がしっくりくると思います(とはいえ、手元にある赤ワインで、もちろん十分ですよ!)。また、赤ワインの方が鶏肉の臭み取りにも、より効果的です。
実際、イタリア人たちもカチャトーラには赤ワインを使うのが一般的です。やっぱりみんな知ってるんですよね。赤の方が美味しいって。
鶏肉のカチャトーラの作り方・レシピ
材料 (4人分)
- 鶏もも肉(骨付き) 750g
- 玉葱 1個
- セロリ 1本
- 人参 1本
- ニンニク 2辺
- ローリエの葉 2-3枚
- ローズマリー 適量
- 赤ワイン 150ml
- 黒オリーブ 20粒ほど(省略可)
- トマトピューレ 150ml (濃厚なタイプなら量を少し減らし、水を足す)
- EVオリーブオイル 適量
- 塩 少々
- 胡椒 少々
作り方
1)(鶏肉の下処理)もも肉は臭みの原因となる脂肪を取り除く。
※私は鶏皮の煮物が好きではないので、皮無しで作ります。皮つきで作る場合も皮と身の間の脂身を、皮をすこしはがして取り除くと臭みが出にくいですよ。
2)鶏肉にまんべんなく塩を振りかけ、そのまま5分ほど置いておく。出てきた水分、ぬめりを流水で丁寧に洗い、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭く。
塩、胡椒をまぶしておく。胡椒はしっかり振るといいですよ!
※鶏の臭み取りはこの塩振り&水洗いが効果的です。 肉を水で洗うのは意外かもしれませんが、ぜひやってみて下さい。3)(ソフリットを作る)玉葱、人参、セロリ、にんにくを、なるべく細かなみじん切りにする。フライパンにオリーブオイルを入れ、このみじん切り野菜を弱火で10分ほどじっくりと炒める。
4)フライパンのソフリットを少し端に寄せて火加減を少し強め、鶏肉の両面を軽く焦げ目がつくように焼く。
※この時にソフリットが焦げやすいので、ソフリットをお皿にいったん移して鶏肉を焼いてもいいですよ。
5)赤ワインを入れてアルコールを飛ばす。
6)トマトピューレ、塩少々、ローリエの葉、オリーブの実、必要ならば水少々も加えて蓋をする。弱火で40~50分ほどじっくりと煮たら出来上がり!
※時々鶏肉を裏返したり、ソースを上からかけたりして下さい。鶏肉から出た うま味濃厚なソースを、再び鶏肉に煮絡めるイメージです。