寒くなるとイタリアの各地で見られるこのとっても美味しい ヴィン・ブリュレ(ホットワイン)。
一体どんな飲み物なの? どうやって作るの?
次から詳しく解説していきますね!
イタリアのホットワイン “ヴィン・ブリュレ” とは?
ヴィン・ブリュレ(vin brulé)とはワインに砂糖、シナモンなどのスパイス、オレンジやリンゴなどのフルーツを入れて煮たイタリアのホットワイン。通常は赤ワインで作りますがヴェネト州などでは白ワインで作るヴィン・ブリュレもあります。
アルプス地域のクリスマスマーケットには必ずある飲み物で、ヨーロッパのクリスマスマーケットで飲んだホットワインが忘れられない思い出、という人も多いのではないでしょうか。クリスマスのイルミネーションの中で飲む温かいヴィン・ブリュレは独特の魅力があるものです。
ヨーロッパのいろいろなホットワイン
イタリアではヴィン・ブリュレと呼ばれるこのホットワインですが、ヨーロッパ各地にあり有名なのはドイツのグリューワイン(Glühwein)。またフランス語ではヴァン・ショー(vin chaud)、英語ではマルドワイン(mulled wine)と呼ばれ使うスパイスや分量の違いはあれど基本的には同じものです。※ちなみにホットワインというのは和製英語です。
対して北欧のホットワインはグロッグ(glögg)と呼ばれアーモンドなどのナッツやレーズンなどのドライフルーツが入り、“食べるホットワイン” となります。
またヨーロッパでも特にドイツのクリスマスマーケットでは、可愛い陶器のカップにホットワインを入れてくれるんです。デポジットとして2ユーロ程度を払い、カップを返却すればその料金が返ってくるという仕組み。カップはもちろんお土産として持って帰ることもでき、いろんなクリスマスマーケットのカップをコレクションする人も多いんですよ。
ヴィン・ブリュレの歴史
ヴィン・ブリュレの歴史はとても古く、古代ギリシア、そして古代ローマまで遡ります。 古代ローマ時代の美食家であり料理人のマルコ・ガヴィオ・アピチョ(Marco Gavio Apicio)によって書かれた “De re coquinaria” によると古代ローマではワインにハチミツを加えて甘くし、スパイスで香りづけした飲み物があったそう。当時は “conditum paradoxum” と呼ばれ食事の終わりに食後酒として飲まれていました。
時代は古代ローマから中世へと下り、ヨーロッパへ東方よりシナモンやクローブなどのスパイスがもたらせるとヴィン・ブリュレは現在見るようなものへとなります。ただこの時代のヴィン・ブリュレは滋養強壮、薬としての飲み物 で現在のように嗜好品ではなかったそう。それを裏付けるように “医学の父” と呼ばれるヒポクラテスから名前をとった、イッポクラッソ(ippocrasso)というヴィン・ブリュレのスパイスをより薬膳効果の高いもので配合した飲み物が、現在でもイタリアにはあるんですよ。
ヴィン・ブリュレ(ホットワイン)の作り方・レシピ
ヴィン・ブリュレ(ホットワイン)の作り方はとても簡単。ワインに手元にあるフルーツやスパイスを入れて温めるだけです。
以下では基本的な材料を書いていますが、手元にあるもので気軽に作って下さいね!
材料 (4-5人分)
- 赤ワイン 1本 (750 ml)
- 砂糖 50 g
- シナモンスティック 5㎝程度のもの4-5本
- クローブ 5 個
- ナツメグパウダー 小さじ1杯
- オレンジ(ノーワックスのもの)1 個(もしくはミカン2個)
- レモン(ノーワックスのもの)1 個 ※皮を使用します
- リンゴ 1個
- その他にもスターアニス、生姜、カルダモンなどのスパイスを加えても美味しいです。
※カップ1-2杯分の少量でももちろん作れますよ!小鍋にワインを入れて上記のフルーツやスパイスを適当に入れて温めるだけです!
※いろんなスパイスが無ければひとまずシナモン、オレンジ、砂糖をワインに加えて煮るだけでも手軽にできますよ。
作り方
- オレンジは薄い輪切りに、リンゴも薄くスライスする。レモンは皮を薄くむく。※レモンは皮を使います。皮の白い部分は苦みが出ますのでなるべく表面の黄色い部分だけ削ぐように切ってください。
- 全ての材料を入れて火にかける。弱火で10分ほど煮たら出来上がり!